照ノ富士が見せるのはどんな力士にも対応できる「マルチ破壊力」【相撲こそ我が人生 68歳スー女の夏場所観戦記】

5月17日(月)13時0分 婦人公論.jp

緊急事態宣言中に行われている大相撲夏場所。4日目からは感染防止対策を講じつつ観客を入れて興行を続けています。中日を終え、ここまでの取組を振り返りるのは『婦人公論』の愛読者で「人生の大切なことはすべて相撲から教わった」というしろぼしマーサ。初日揃って勝った大関の4人は場所の前半、どんな相撲を見せてくれているのでしょうか。
※「しろぼしマーサ」誕生のきっかけとなった読者手記「初代若乃花に魅せられ相撲ファン歴60年。来世こそ男に生まれ変わって大横綱になりたい」はこちら

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第1回「照ノ富士復帰で覚醒した朝乃山貴景勝正代よ、期待を裏切るな」はこちら

鶴竜親方は「しみじみ説教型」


大相撲夏場所は中日を終えて、21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士が、どんな力士にも対応できる「マルチ破壊力」をみせて8連勝し、単独トップを走っている。

私は、膝を患い、駅の階段を上ることも降りることもできなくなった時期があり、それ以来、膝を患う力士には同情している。膝の悪さと病気で序二段まで落ちた照ノ富士のために、「仁王立ち作戦」を考えたことがある。照ノ富士は体が大きいのだから、土俵の上に仁王立ちして動かず、対戦相手が突っ込んでくるのを、右に左に腕の力でいなして勝つ方法である。それを数少ない友人の一人に言ったら「力士とちびっ子の相撲じゃあるまいし、照ノ富士は腰を痛める」と言われた。そうだろうか?

今場所は照ノ富士が優勝、という予想はまだ早い。貴景勝は7勝なので、追っかけ体制を崩してほしくない。

8日目のNHKテレビの正面解説者は、引退した鶴竜親方だった。鶴竜親方も優勝争いについては、「まだ何も始まっていない」と言っていた。

テレビ解説の親方には、この人にお説教をされたら、力士の心に響くだろうなあ、と思える人がいる。鶴竜親方もそのひとりで、しみじみ説教型だった。

鶴竜親方は、元気がなく、伸び悩んでいる御嶽海に激励のために稽古をつけ、「優勝よりも地位をつかんだほうがいい」と言ったことを話していた。自分が不調でも、下の者を育てるという横綱・鶴竜の優しさを感じた。

問題は、横綱を狙って欲しいのに、ファンがっかり相撲を見せている大関の朝乃山(4勝4敗)と正代(5勝3敗)である。二人とも、体のどこかが悪いのか、悩みがあるのかわからないが、力士の理想の体型をしているのにもったいない。押し相撲の力士が多いなか、朝乃山に、千代の富士や魁皇のような土俵の真ん中での投げ技を期待している私は、愚かな相撲ファンで終わるのだろうか。

日ごろの稽古が武器になる


しかし、中日に早めにテレビ(NHK・BS)をつけたら、私が期待している「二番後取り直し」を見ることができた。三段目の出羽ノ城・清乃海戦である。3分50秒の相撲のすえ、決着がつかなかったため、後ろの取組が2つ終わったあとに再び取り直したのである。相撲が二番済んだ後とはいえ、取り直しは出羽ノ城により疲れがみえ、清乃海がすくい投げですぐに勝った。疲労困憊した時は、日ごろの稽古の多さと根性が武器になる。

さて、私は相撲から人生を学び、生活にも相撲を活かそうとしてきた。その結果、春場所後にある新稽古を開発した。

コロナ禍が長引くなか、一人暮らしで一日中誰とも話さないとか、マスクをしたままの会話とかで、滑舌が悪くなっていませんか? この稽古は飛沫が飛ぶといけないので一人でやってください。舌を噛んでも、入れ歯が飛び出しても、自己責任としてください。

さあ、早口で10回言ってみましょう。

「若隆景、わかたかかげ、わかたかかげ……」

どうです。「わか」はよくても、「たかかげ」が困難で、10回はかなり大変。今場所の若隆景は中日で5勝だから、初めは5回でいいかも。私は、この「四股名早口稽古」を毎日続けていたら、固まっていた顔の筋肉が動き、スマホの自撮り写真でも笑顔をつくれるようになった。

中日までの学びは、「日ごろの稽古がたいせつ」です。

婦人公論.jp

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