【THE SECOND】伏兵ツートライブ涙の初V “ジャイキリ”連発で頂点 1回戦で過去最高得点

2025年5月17日(土)23時9分 スポーツニッポン

 芸歴16年以上のベテラン芸人たちによる賞レース「THE SECOND〜漫才トーナメント〜2025」グランプリファイナルが17日、東京・台場のフジテレビで行われ、結成18年目のツートライブが初優勝し、賞金1000万円を獲得した。決勝では優勝候補の囲碁将棋を287—279で撃破。伏兵中の伏兵が実力派コンビを次々と破り、頂点に立った。

 ボケの周平魂(41)が静かにガッツポーズを作ると、ツッコミのたかのり(41)は信じられない様子で右手を左右に振った。1000万円の目録を手にすると、たかのりは人目をはばからずに涙。周平魂の肩を抱いて「うれしいな!」と喜びを分かち合った。18年の芸人生活で、賞レースの誇れるタイトルは一つもない。不遇の年月が長かった分、うれしさもひとしおだった。

 自分たちも驚きの結果だった。周平魂は「(優勝できるとは)まったく思ってなくて、袖に大阪の(芸人の)人たちが来てくれただけでも最高」と、本音を打ち明けた。

 生中継でも“無名のダークホース”と称されたコンビは、これが全国区では初の賞レース決勝だった。10年以上、毎月単独ライブを開いてきた2人。地道に劇場で積み重ねてきたしゃべくり漫才が、大舞台で開花した。

 1回戦は、大会を通じてトップバッターで登場。人気コンビのモンスターエンジンを295—278で破る波乱を巻き起こした。ジビエ料理にはまっている周平魂が、行きつけのジビエ料理店を次々と紹介するが、どれも“脱法”な素材やシチュエーションの数々に、たかのりが困りまくるネタを披露した。295点はグランプリファイナルとしては過去最高。衝撃の幕開けで、いきなり優勝候補を破る大物斬りをやってのけた。

 勢いに乗ったまま、準決勝ではりけ〜んずを288—275で下した。周平魂が街で出会った修業中の料理人が繰り出すトンデモ料理、迷言に振り回される様子を、コミカルに表現した。決勝では、芸能界のゴシップを仕入れたと豪語する周平魂が、興味津々なたかのりの前のめりっぷりを絶妙なボケでかわし続けた。大会の先陣を切り、トリも務めた形で、ハイパーゼネラルマネージャーの「くりぃむしちゅー有田哲平は「ツートライブで始まって、ツートライブで終わって、優勝までして、パーフェクトじゃないですか?」と、興奮気味に祝福した。

 何かを起こす予感は、予選に当たるノックアウトステージでも片りんを見せていた。キングオブコント王者ジャルジャル、実力派ななまがりも撃破。大物食いを連発していおり、まさに今大会“最恐”のジャイアントキラーだった。「こういう時のダークホースというのに憧れるんですよ」という周平魂の言葉が、言霊になった。

 「10年以内にM−1優勝」。大きな夢を描いて殴り込みをかけたお笑いの世界で、長く苦渋を味わってきた。周平魂は複数のバイト掛け持ちをしながら、笑いを追求し続けた。「奥さんには大口たたくんですよ。“すぐ売れるからいけるいけるいける…”って、うそばかりついて」。18年言い続けた言葉を、ついに現実のものにした。

 「THE SECOND」は結成年16年以上で、メジャー賞レースの出場資格を失った、全国ネットの漫才賞レース優勝経験のない漫才師たちが目指す第2のチャンスとして、2023年に第1回が行われた。大会はトーナメントの勝ち抜き方式。採点は100人の観客が1〜3点の持ち点で採点し、上位が次のラウンドへ進出する。ネタ時間は6分。今年は140組がエントリーした。23年はギャロップが優勝。昨年はガクテンソクが、それぞれ優勝した。優勝賞金は1000万円で、ほか副賞が与えられる。今大会はツートライブ、モンスターエンジン、マシンガンズ、はりけ〜んず、囲碁将棋、吉田たち、金属バット、ザ・ぼんちの8組がグランプリファイナルに進出。MCは東野幸治

 ◇ツートライブ 大学の同級生だった、たかのり(41)と周平魂(41)により、2008年結成。アマチュア時代からM−1グランプリに挑戦し、最高成績は準々決勝(7回)。「2つの部族」を意味するコンビ名は、たかのりの祖先が海賊という話から、周平魂が自分の祖先が山賊だと張り合ったことから。

スポーツニッポン

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