「愛の不時着」ロス…韓流ドラマにハマったあなたにおすすめ「トッケビ」ほか3作品

2020年5月18日(月)12時0分 シネマカフェ

「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」はNetflixにて配信中

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おうち時間にNetflixで話題の「愛の不時着」を観てみたら、韓国ドラマにすっかりハマってしまったという方は多いだろう。

黒柳徹子笑福亭鶴瓶、「EXILE岩田剛典藤田ニコルなども鑑賞したことを明かしており、SNS上には「ロスにもほどがある」「ロス感半端ない‼︎」「もう一回最初から見よう」といった声が続々。では、その次に一体何を観たらいいのか、「不時着」ロスにも効くこと間違いなし!の3作品を選んでみた。


ソン・イェジンが年下男子と恋…だけじゃない!「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」
「2018年最も話題になった韓国ドラマ」1位、「2018大韓民国コンテンツ大賞」大統領表彰受賞など、その年を代表するドラマとして“綺麗なヌナ(=お姉さん)”ブームを巻き起こした作品。そのお姉さんを演じるのが、「愛の不時着」で財閥令嬢ユン・セリ役を好演し、その美しさと演技力を改めて見せつけたソン・イェジン。5年ぶりのドラマ出演だった本作でも、素直な可愛らしさを発揮している。

アラサー独身女性が幼なじみの年下男子と熱烈ラブ
「冬のソナタ」を含む“四季シリーズ”の第3作目「夏の香り」(03)でソン・スンホンと共演して知られるようになり、『私の頭の中の消しゴム』『四月の雪』など映画でも活躍する人気韓国女優ソン・イェジン。

自立した財閥令嬢とは打って変わって、本作で演じるのは、フランチャイズコーヒー店の運営会社で働く30代の中堅社員ユン・ジナ。20年近くも家族同然に育ってきた親友の弟と久しぶりに再会したら、いつの間にか、お互いに大人になっていることに気づき、恋愛に発展していく。


よくある設定といえばそうなのだが、そのお相手のソ・ジュニを演じたチョン・ヘインがまた魅力的。「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」ではヒロインの初恋の人として登場し、「あなたが眠っている間に」「刑務所のルールブック」に出演してきた彼は本作で大ブレイク。


ソン・イェジンへのキュートな甘えっぷりと、隠しきれない嫉妬心や男気に夢中になったのはジナだけではなく、ニックネームを付けるのが得意な韓国の視聴者から「国民の年下男子」と呼ばれるまでに。本作の監督アン・パンソク&脚本家キム・ウンという安定と信頼のコンビのもと、ハン・ジミンと共演する「ある春の夜に」もNetflixで配信中だ。

そのジュニの姉で、ユン・ジナの小学校からの大親友ギョンソンを演じるのは、「愛の不時着」で北朝鮮主婦チームのひとりでもあったチャン・ソヨン。ジナの後輩社員として「梨泰院クラス」でトランスジェンダーの女性を演じているイ・ジュヨンなども出演する。


女性たちの支持を得た、もう1つのストーリー
60年代のヒット曲「Stand By Your Man」をはじめとするオールドポップスやメインテーマ曲「Something in the Rain」が彩る、印象的な雨と相合い傘のシーンや、ジナとジュニの甘々デートにはニヤニヤが止まらぬ一方、ジナの結婚相手に職業・家柄・学歴などスペックの高い相手を望む母からのプレッシャーと過干渉は凄まじく、秘密の交際はハラハラの連続。また、ジナは別れた元彼からもしつこくつきまとわれることに。


さらに見逃せないのは、映画『スキャンダル』(Bombshell)の韓国版かと思うくらいの「#MeToo」ドラマでもあること。ジナの職場ではセクハラ、パワハラは日常茶飯事、断れない食事会やカラオケの場でタンバリンを手に場を盛り上げることから、“ユン・タンバリン”と同僚から揶揄されていたジナは、年下男子との恋をきっかけにして“自分のため”に変わろうとする。「大韓民国コンテンツ大賞」を受賞したのも、こうした現在の問題を真摯に描いたことが評価されたため、と報道されている。


アラサー女子“あるある”のオンパレードにして、いちいち頷きたくなるセリフが満載なのは、1人の女性の半生からフェミニズムとシスターフッド、世代間の価値観の違いなどを描いたベストセラー小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の実写ドラマver.といってもいい。“毒親””といわれるジナの母の思いも、この小説の視点で見れば、少なからずすくい取れる部分があるはず。ソン・イェジンも、まさに1982年生まれだ。


コン・ユ、全方位の魅力を堪能「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」

新型コロナウイルス感染症の影響で例年より約1か月後ろ倒しになり、6月5日に授賞式が予定されている百想芸術大賞。「愛の不時着」は今年のテレビ部門最有力候補といわれており、ソン・イェジン、ヒョンビンも演技賞にノミネートされている。その第53回(2017)でテレビ部門の大賞と最優秀演技賞を受賞したのが本作、そして主演のコン・ユだ。「愛の不時着」でヒョンビンにメロメロになった方も、本作ではコン・ユの魅力にトロトロにとろけることになるだろう。

ベテラン女性脚本家からラブコールされたハマり役
「コーヒープリンス1号店」(07)で大ブレイク後、兵役を経て挑んだ実話を元にした社会派『トガニ 幼き瞳の告発』が法律を実際に変えてしまうほど話題を呼び、『新感染 ファイナル・エクスプレス』はカンヌ国際映画祭をはじめ世界で絶賛されて大ヒット。映画化された『82年生まれ、キム・ジヨン』では主人公を演じるチョン・ユミの夫役で、3度目の共演を果たす。

そして本作は、「太陽の末裔」「相続人」「紳士の品格」「シークレット・ガーデン」といったヒットドラマを生み出し、イ・ミンホ主演「ザ・キング:永遠の君主」も手がけるベテラン女性脚本家キム・ウンスクからラブコールを受けて臨んだ4年ぶりのドラマ出演作。本国では今冬「愛の不時着」に抜かれるまで、ケーブル局「tvN」の歴代ドラマ史上最高視聴率記録を保持していた。

トッケビとは、韓国に伝わる伝説の存在で、原語では「鬼」と表されている。無念の死を遂げた高麗の武将キム・シンは永遠の命を持つトッケビとなって、900年以上の間、密かに人々を見守ってきた。不滅の命を終わらせたいとずっと願ってきたはずが、キム・ゴウン(「ザ・キング:永遠の君主」)演じる“トッケビの花嫁”チ・ウンタクとの出会いによって本当の愛を知っていくことに。


コン・ユの苦悩と憂いが時折のぞく柔らかな眼差しと、落ち着いた大人の色気が漂う一つ一つの表情や仕草、にじみ出る包容力は、まさに彼のために描かれた役柄にぴったり。また、トッケビが悲しいと雨が降り、嬉しいと花が咲くという不思議な現象をはじめ、海外ロケも敢行した次々に変わるロケーションと映像美は“おうち時間”を別世界に変える。『神と共に』を彷彿とさせる異界ファンタジー×時代劇に、ラブコメディが一度で味わえるのだ。

ちなみに、ウンタクの初恋の相手としてちらっと出演しているのが「よくおごってくれる〜」のチョン・ヘイン。映画『ユ・ヨルの音楽アルバム』ではキム・ゴウンとの本格共演を目にすることができる。

死神イ・ドンウク&家臣ユク・ソンジェとのトリオにも注目
そんなトッケビのシンとトッケビの花嫁・ウンタクとの関係だけでなく、ウンタクと因縁があるイ・ドンウク演じる死神の存在も見逃せない。粛々と死者を導きながら、犬猿の仲のトッケビとひとつ屋根の下で微笑ましく同居、ウンタクのバイト先の気だるい店長サニー(ユ・インナ)に初めての恋をする純粋な姿にも萌える。


このコン・ユ×イ・ドンウクという最強長身コンビに、ユク・ソンジェ(BTOB)扮するシンの家臣でお調子者ユ・ドクファも加われば、まさに鬼に金棒。彼らのブロマンス(男性同士の友情)を考えたキム・ウンスクは、流石というしかない。


母になったキム・テヒ主演!ゴーストママに泣く「ハイバイ、ママ!」


「tvN」で「愛の不時着」の後にスタートした本作は、ソン・イェジンと同様、韓流ブームを牽引したキム・テヒが歌手のピ(RAIN)と結婚して母となった後の、5年ぶりとなる復帰作。娘をおなかに宿したまま事故で命を落とした主人公チャ・ユリは、死神…ではなくゴーストママとなって、その腕に抱くことのできなかった娘を5年間見守ってきた。ある日、愛娘ソウに自分が見えていると知った彼女は、ソウの運命を知り、49日間の期間限定で生き返ることが許される。

5年ぶり女優復帰で新境地
にぎやかでコミカルなシーンもありながら、大切な人と離れた家族が悲嘆と向き合う日々を優しい目線で描き、我が子を想う母の心情をこれ以上ないリアルさで体現したキム・テヒ。女性は結婚や出産をすると、○○さんの奥さん、△△ちゃんのママといわれて“名前”を失われてしまいがちだが、本作では“女優キム・テヒ”が帰ってきたことを実感できるはず。

何より、毎回泣けるシーンが用意されており、コロナ禍のいま、実際に会いに行くことのできない両親や家族に会いたくなること必至だ。

ソウル大出身で才色兼備女優といわれたキム・テヒは、「愛の不時着」でもフィーチャーされた「天国の階段」(03)でチェ・ジウ演じるヒロインのあくどいライバル役で知名度を上げ、イ・ビョンホン主演「アイリス」のヒロインなどに続いて、日本のドラマ「僕とスターの99日」では当時、民放連続ドラマ初主演だった西島秀俊とW主演。「爽健美茶」のCMに出演していたこともある。


悲しみを乗り越え再婚した夫、そして再婚相手の女性にも注目
また、ユリの死後に再婚をした夫チョ・ガンファを演じるのは、「トッケビ」や「刑務所のルールブック」と同一人物とは思えないイ・ギュヒョン。胸部外科の若手医師として活躍していたが、変わり果てたユリの姿を手術室で見たことがトラウマとなり、以来、手術ができなくなってしまう。死してもなおユリを忘れられないガンファを、イ・ギュヒョンは人間味溢れる魅力で演じる。

彼の再婚相手オ・ミンジョンを演じるのは、「トッケビ」では高校生(班長)役だったコ・ボギョル。一般的に継母といえば、意地悪なイメージがつきもので主人公を引き立たせる役だが、本作では彼女の内面にもスポットが当てられる。感情を表情に出すタイプではないものの、実際にソウを育ててきたのはミンジョンであり、陰口好きな園ママたちにも毅然とした態度をとる。本作の脚本家クォン・ヘジュの前作「ゴー・バック夫婦」では猛特訓したバレエダンサー役で話題となったこともあり、童顔の下に芯の強さを秘めた女性役はぴったり。

しかも、悲しみを必死に隠すユリの母親役は、「ゴー・バック夫婦」「相続者たち」など数多くの母親役で知られるキム・ミギョンで、こちらの母娘関係にも涙、涙。さらに、皆大好き「愛の不時着」の第5中隊ピョ・チス曹長役ヤン・ギョンウォン、『パラサイト 半地下の家族』の家政婦役イ・ジョンウンも特別出演している。

作品を巡るたびにどんどんハマり、ロスも深まる沼のような韓国ドラマ。これを機に、また新しい作品を見つけてみては?

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