ダンディ坂野「ゲッツ!」以前から堅実な僕。《一発屋芸人》の生き方はコロナにも負ケズ

5月18日(火)15時20分 婦人公論.jp


「僕は個人で納税しているので、結婚してからの収支管理は僕が担当、その枠内で奥さんがやりくりしています」

「ゲッツ!」で大ブレイクしたのは36歳のとき。上京する前、そしてデビュー後もアルバイトを続けた理由とは。《堅実芸人》としてのお金の使い道を披露してくれた(構成=篠藤ゆり)

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家電は細かくスペックを調べる


10代の頃から、この世界に入ることが一番の夢。その夢が叶った今、いい服が着たいとか、高い時計を買いたいというような物欲はほとんどありません。

仕事上、休みが不定なこともあって、唯一の贅沢は年に1回の家族旅行だったのですが、今は新型コロナウイルスの影響で実現できないのが残念です。ここ数年は1月1日まで仕事をして、2日から4〜5日間、海外のビーチでのんびりというのが定番でした。

どのレストランで食べるか、どこに観光に行くかなど計画を立てるのは僕の役目で、この旅だけはケチケチしないんです。

僕は個人で納税しているので、結婚してからの収支管理は僕が担当、その枠内で奥さんがやりくりしています。ふだんなにか買うときは商品情報を細かく調べるタイプです。

家電だったら、よくスペックを調べて、「上の下」くらいのものを狙います。炊飯器も高級すぎるものは選ばないし、かといってただお米が炊ければいいというのでは物足りない。贅沢すぎず、それでいて性能がよくておいしく炊けるものを選びたい(笑)。僕が吟味した候補の中から、奥さんが好みのデザインや色を決定します。

「一発屋芸人」として地道に働くのが性に合っている


ずっと貯金をしているのはやはり将来のため。長女が11歳で長男が7歳ですが、大学に行きたいとか何か習いたいとなったら実現したいですから。それに奥さんは僕より14歳下なので、ある程度のお金を残しておきたい。順当にいけば僕が一番先にいなくなるので、残った家族に「変わった仕事をしている父ちゃんだったけれど、楽しい家族だったな」と思ってもらいたいですね。

お金に執着はないけれど、家族と楽しく過ごしたいという思いが仕事へのモチベーションになっています。

芸人らしくない? いやいや、破天荒な芸人さんもいますが、芸能界は浮き沈みもあり、長く第一線で活躍している方はほんの一握り。

僕もピークを過ぎたと言われたり、次々と新しい芸人が出てきたりするなか、なるべく焦らないようにしていました。「一発屋芸人」という企画に呼ばれて以来、「一発屋」としてお仕事をいただいて、地道に働くのが性に合っています。

「身の丈に合った生活をしなさい」と母


お金についてはわれながらきっちりしているほう。生まれは石川県ですが、北陸の人間は概して堅実。看護師だった母からは、昔から「身の丈に合った生活をしなさい」と言われて育ちました。

中学生の頃はアイドルブーム全盛期。田原俊彦さんの大ファンになり、アイドルになりたいと思ったんですが、お笑いも好きだったので、そちらを目指すことに。

勢いで東京に行っても生活に困るだろうなと、高校生のときから上京する26歳までアルバイトを続けました。部屋を借りる費用と1、2ヵ月分の生活費として80万円ほど貯めたんです。

当時少し興味があったので株にもチャレンジしました。世界情勢を調べて伸びそうな業種のものを購入。元手も高額ではなかったけれど、結果3割ほど増えました。でも、それもこれも自分の夢に踏み出すためのお金でした。毎日株をチェックするのは向いていないし、いまも株式投信をたしなむ程度でお金を減らさないよう用心しています。

「ゲッツ!」でブレイクしたけど5ヵ月無収入


芸人デビューしたものの、最初の10年間はアルバイト生活。「ゲッツ!」でブレイクしたのは、2003年の2月頃。ところがここで大誤算。5ヵ月くらいたたないとお金が手元に入ってこなくて、いっぽうテレビや営業の仕事で忙しくてバイトもできず、しばらく無収入でした。あの時期が一番、精神的にも生活も苦しかったなぁ。

その後、ようやくお金が入った時は愕然としました。「あれだけ忙しかったのにこんなもの?」と。今だったら、いくら売れたからといって新人がいきなり高収入を得られるわけがないとわかりますが、当時は軽くショックでしたね。

ブレイク後は、ドーンと派手な買い物をすることもなく、しいていえば、憧れの「コンクリート打ちっぱなし物件」に引っ越したことかな(笑)。賃貸の予算を決めて、つきあっていた今の奥さんに探してもらい、1部屋のアパートから2LDKのマンションに移りました。エレベーターもついていたから「やったぁ!」と、2人でシアワセな気分になりました。

あれから18年。おかげさまで地方のイベントなどコンスタントに仕事をいただいていましたが、コロナでほぼ全滅。でも地に足のついた生活をしていたおかげで、なんとかしのげています。

気の合う後輩たちとの月1回の食事会も、今は自粛中。いい肉を出してくれる焼き肉屋に行くとか、基本的に僕が食べたいものを食べ、後輩たちには気持ちよく飲んでもらうための会と位置づけています。

会計はすべて僕持ち。これも先輩風を吹かせたいのではなく、かつて自分が先輩にご馳走してもらい、芸人の世界の話を聞いた経験があり、とても勉強になったし糧になったから。僕にとってのお金の価値は、誰かが喜んでくれるために使うことで倍増する気がします。

婦人公論.jp

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