研修医・保(佐野晶哉)が医療ミス…無力感の中でどう乗り切るか 『Dr.アシュラ』第6話
2025年5月18日(日)6時0分 マイナビニュース
フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00〜)の第6話(21日放送)が、FODで先行配信されている。
主人公は、命の最前線=修羅場で、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスーパー救命医・杏野朱羅(松本若菜)。命を助けたい、その純粋な思いと卓越した技術で患者を救う姿を描いていく。
○【第6話あらすじ】朱羅に褒められる保だが…
帝釈総合病院・救急外来。朱羅の指示通りにテキパキとこなす研修医の薬師寺保(佐野晶哉)の様子を見ながら、朱羅は「腕上げたね、薬師寺先生」と褒め、保は満面の笑みで「やっとボウズ卒業だ…」と喜ぶ。寝言とともに勢いよくソファから転落した保はそれが夢だったと気づくが、「いい夢だったな…」と顔をほころばせ、やる気満々で勤務につく。
救急外来の初療室には夜勤明けの梵天太郎(荒川良々)、六道ナオミ(小雪)の姿があり、疲れた様子の2人に保は「お疲れ様でした」と声をかける。そこに上機嫌な大黒修二(田辺誠一)がやって来る。
そんな中、ホットラインが鳴り、救急隊から受け入れ要請が入る。意気込む保だが…。
○「修羅場に言い訳は通用しない」
腕を上げた夢を見たのも束の間。新人研修医の現実は厳しく、実際には目の前の患者に何も対応できない保。久しぶりに会った幼なじみの婚約者からも医者になった理由を聞かれたが、歯切れのいい答えが返せない。
そんな矢先に、医療ミスを起こしてしまい、患者の命に危険が及んでしまう。保にとっては初めての経験だ。しかも、自分にはできる処置だと思っていただけにショックは大きい。朱羅は保の話を聞こうともせず、「修羅場に言い訳は通用しない」と一蹴。自分は救命にいる資格はないとすっかり自信を失う一方で、「救命医になるわけじゃないのに、こんなにつらい思いをしてまで研修をしなくてはいけないのか?」と、疑問を抱く。
しかし、患者は容赦なく運び込まれる。患者を助けたい、でも何もできず、自分の無力さを感じている保。この局面をどう乗り切ることができるのか。
○朱羅、ナオミ、多聞…三者三様のアドバイス
そんな保にも朱羅の態度は変わらず、「辞めるも続けるも、人に言われて決めるものではない」と言う。しかし朱羅は、ただ厳しいだけではない。その一つ一つの言葉は的確で、実は保の心にしっかり刻み込まれている。自分の指示を仰ぐだけでなく、迷った時には朱羅の言葉を思い出し、保自身で考えて行動できるように導いている。それが朱羅の本当の狙いであり、指導なのだろう。また、朱羅は一貫して「目の前の命に責任を持ちなさい」と言う。その言葉を言い続けることで、保に医師としての責任感が芽生えることを一番願っているのももちろん朱羅だ。
一方でナオミは「研修医なのでそこそこでいい」「完璧なんて求めていない」と大きく俯瞰(ふかん)でとらえていて、ある意味寛大だ。朱羅に対しても「研修医のフォローもあなたの仕事でしょ?」と指摘。さらに「アシュラ先生だって新人の頃、励ましてもらったことがあるでしょう」と言う。これには朱羅も何かを感じたようで…。ナオミのキャリアや考え方は、今後も朱羅に影響を与え、朱羅自身が変わっていくかもしれないと予感させる。
そして病院長の多聞は、屋上で1人、考え事をしている保を発見。その表情はもちろん、冴えない。そもそも自分は救命に向いていないと言う保は、多聞に朱羅の新人の頃のことを聞く。しかしその答えは意外で…。さらに多聞は「医者の仕事は才能よりもっと大事なものがある」と諭す。そう言って笑顔を見せる姿に、今まで多くの研修医を見てきた経験からの器の大きさと優しさを感じる。きっと朱羅も多聞に救われて育ってきたのだろう。
三者三様の個性的なアドバイスやアプローチがあるものだ。しかし、それぞれがそれぞれのやり方で保を鼓舞し、何とか今の状況から救ってあげたいという気持ちが伝わる。もちろん、救命の現場は毎回修羅場で、一刻の猶予も許さない。しかし、これだけの名医に手を差し伸べてもらえる保はある意味、ちょっとうらやましくも思う。