【2.5次元】エイベックス・エンタテインメント 山浦哲也プロデューサーに聞く舞台制作への思い「何にでも挑戦していきたい」

5月18日(土)12時0分 エンタメOVO

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 浜崎あゆみ倖田來未などを生み出し、音楽事業に強いイメージのあるavex groupだが、シアタービジネスも積極的に手掛けていることをご存知だろうか。現在、多数の招聘(しょうへい)作品や日本オリジナル作品をプロデュースするかたわら、2.5次元コンテンツでは、田中芳樹のベストセラー小説を壮大な世界観で表現した舞台「銀河英雄伝説」シリーズや大ヒットゲームを華やかな殺陣満載で見せる斬劇「戦国BASARA」シリーズなど、多くの作品を送り出している。今回は、エイベックス・エンタテインメント株式会社ライヴ事業本部シアター制作グループでゼネラルマネージャーを務める山浦哲也氏に、舞台制作の裏側、そして2.5次元コンテンツへの思いを聞いた。



−御社は、音楽事業を手広く展開している印象がありますが、舞台制作についてはどのような位置付けなのでしょうか。

 弊社の舞台事業の成り立ちは、2007年にブルーマングループを招聘したことから始まります。現在、エイベックス株式会社の代表取締役会長を務めています松浦勝人や、日本2.5次元ミュージカル協会で理事をさせていただいております黒岩克巳(エイベックス・エンタテインメント株式会社代表取締役社長COO)は「エンタメというものを考えたときに音楽だけではならない。エイベックスでは、『エンタメ』をやっていく」と示しており、そこから舞台事業はスタートしました。弊社は、総合エンタメ会社を標榜しております。エンタメの一つのジャンルとして、舞台事業があり、ライブコンサートやアニメ事業、デジタル事業と並んでエンタメを楽しんでいただくものの一つだと考えております。

−年間では、どのぐらいの本数を制作されているのでしょうか。

 舞台作品に関連するイベントも含めますと25本から30本ぐらい制作させていただいております。

−その中にあって、2.5次元作品は御社にとってどのようなコンテンツですか。

 基本的に弊社では、私のようなプロデューサーが複数人おりまして、その人間たちがおのおの企画をし、キャスティングをして公演が成り立っています。しかし、私たちプロデューサーの中では担当を決めているわけではありません。2.5次元作品を制作するプロデューサーもいれば、ブロードウェーの作品の日本版を制作するプロデューサーもいます。2.5次元作品だから、ブロードウェーの作品だから、オリジナル作品だからという垣根や縛りはなく、おのおのがいいと思うものをその都度、制作しています。

−なるほど。では、制作する上でも2.5次元とそのほかの作品に違いはないのですね。

 基本的にはありません。ただ、2.5次元作品の原作の方とお話をしていると、それ以外の原作の方とは違うということは如実に感じます。例えば、小説が原作の場合、ビジュアルなどはイメージの部分が大きいのですが、漫画やゲームが原作の場合、いい意味で細かく、忠実に再現することを求められる場合が多いと思います。そのあたりの要求度合いが高い。2.5次元ではその世界観をどう表現するのかが大前提になっているのを感じます。

−エイベックス・グループは音楽事業に強い会社というイメージがありますが、舞台制作に当たっては、舞台と音楽のコラボレーションは意識されているのでしょうか。

 先ほども申し上げましたが、あくまでも「総合エンタメ」としての舞台という意識で制作しておりますので、「エイベックスだからこういう舞台を」「エイベックスだからこうしなくちゃいけない」という制限はあえてかけず、お客さまが楽しんでいただけるものができるのであれば、何にでも挑戦していきたいと思っています。逆に、そういった何でもやるという姿勢が弊社の特色になればいいと思っています。

−山浦さんが舞台を制作する上で、最も大事にされていることは何ですか。

 原作がある作品では、原作を知っているお客さまがいるわけですから、その方たちの夢やイメージを壊さず、いかに守って、いかにいい意味で壊していけるかということを大切にしています。世界観を壊さないことは大事だと考えていますが、原作をただ忠実に再現するだけというのは違うと思うんです。せっかく舞台化させていただくのであれば、また何か違った表現や違った挑戦があるんじゃないかということを念頭に置きながら、お客さまに楽しんでいただくものをお届けしたいと思っています。

−現在、2.5次元はある意味、ブームとなっていると感じるのですが、それについて山浦さんはどのようにお考えですか。

 ミュージカル『テニスの王子様』など、先人が作られてきたことにわれわれは乗らせていただいているというだけだと思っておりますので、ブームになっているという意識はあまりありません。私は劇団四季から舞台業界に入り、そこから20数年業界に携わっておりますが、(四季では)「ライオンキング」や「美女と野獣」などのディズニー作品も制作していたので、2.5次元作品には全く抵抗もありませんし、そういう意味では漫画やアニメ原作の舞台は昔からやっていた人気のあるものという認識です。基本的には原作のある舞台で、その原作がたまたまアニメやゲームであるというだけで、他の舞台と何も変わらないと思っています。ただ、お客さまにお届けする幅が広がって、見ていただける方が増えているのは感じていますので、それは非常に素晴らしいことだと思っています。

−制作する上で、漫画やゲームを原作とした舞台(いわゆる2.5次元)の魅力はどこにあると感じていますか。

 私たちは原作がない舞台もよく制作しますが、そういった作品の場合、開演、もしくは劇場に来ていただいてからようやくお客さまの理解が始まります。ですので、お客さまは「これは何だろう」から観劇が始まります。もちろん、それが素晴らしく、良い場合もありますが、一方で、原作がある作品の良さは、こういう作品だと理解された方に来ていただける点にあると思っています。お客さまは、原作のないものを「どうなっているんだろう」と探っていくのではなく、「あれはどう表現しているのだろう」と考えられるでしょう。それは、作品をより楽しんでいただけることにつながると思いますし、逆に制作者からすると(お客さまが原作に詳しい分)怖い部分でもあります。

−山浦さんは舞台業界に20年以上携わられてきたとのことですが、その間、お客様のニーズに変化があることを感じられますか。

 それはありますね。とはいえ僕も、制作を始めてからはまだ10年ぐらいなのですが…、その10年でもお客さまの幅が広がったと思いますし、これまでだったら絶対に劇場に来ていなかったであろうと思われる方にも来ていただいているのは感じています。昔は今以上にスターシステムで、主演ありきで作品を作るのが主流でしたが、今はいい意味で細分化されてきていると思います。今後も、さらに変わっていくのではないかと思いますね。

(取材・文/嶋田真己)



 舞台「銀河英雄伝説Die Neue These」〜 第二章それぞれの星〜は、5月30日〜6月2日に東京・Zepp Diver City、6月8日〜9日に大阪・Zepp Nambaで上演。
公式サイト http://www.gineiden.jp/

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