セ・リーグを代表するエースになれ! 親友・柳裕也におくるメッセージ

5月19日(水)12時0分 文春オンライン

 5月17日に30歳の誕生日を迎えました! 30歳ってプロ野球選手なら一番いい時期ですよね。だから、ワクワクしかしていません! ドラゴンズなら阿部選手の年が近いので、ぜひとも頑張ってほしいですね!


 最近は仕事が終わった後、試合結果を見ないようにしつつ、追っかけでドラゴンズの試合を見ています。終盤に負け越すような試合では、ひとりで深夜2時頃にダメージを受けてから寝ることもありますが……。


 モヤモヤする試合が多いドラゴンズですが、そんな中、柳裕也投手がいい! 今年はめちゃくちゃ頼もしいです。



柳裕也


柳の投球には野球の面白さが詰まってる


 柳投手……親友なので柳と呼ばせてもらいますが、柳はここまで8試合に投げて3勝1敗ながら、防御率1.83でセ・リーグ1位! QSも7試合連続で達成していて、K/BB、WHIP、被打率などの指標でもセ・リーグ1位! 奪三振58もズバ抜けて1位! もっと勝ち星が多くても不思議じゃないです。


 防御率などで柳の明治大学の後輩、森下くんが2位につけてますが、絶対に負けてほしくないですね。森下くん、今年は茶髪にしていて、それがまたカッコいいんですよ。“心のイケメン”にはあらゆる項目で負けてほしくありません!


 柳は大野雄大さんと左右の両輪、ダブルエースになるのが理想だと思います。大野さんが登録抹消されてしまった中、投手陣を引っ張る精神的支柱は柳だと思うので、良い結果を残し続けてくれるのは本当に嬉しいです。連敗しているときでも「柳なら勝ってくれる」と思えるのは、チームにとってもファンにとっても大きいですよね。


 一昨年は11勝しましたが、昨年は柳にとっても不本意なシーズンでした。調子が悪いときは、なかなか連絡もできなくなりますが、これだけ調子がいいと気兼ねなく「お疲れ様!」とメッセージを送れます。


 見事なピッチングだった5月9日の広島戦は、「調子は良くなかったが球の勢いで押し切った」と言っていました。ストレートの球速は140キロ台中盤と驚くほど速いわけではありませんが、相手が振りにいっても空振りしたりファールになる。柳特有の上から投げ下ろすフォームで、回転数の多い球を投げることができているようです。ストレートが生きているからこそ、カットボールとのコンビネーションもすごく有効になるのでしょう。


 なによりも感じるのが気迫です。気持ちが球に乗っているから、昨年と同じ145キロでも勢いで押し切ることができている。画面越しにも気迫が伝わってきます。柳の投球には数字だけではわからない野球の面白さが詰まっていると思います。


 ピッチングのほかにも、柳はここまで犠打を5つ決めていてセ・リーグでトップなんですよね! 野手に比べると6日に1回しか試合に出ていないのに、これはすごい数字です。


(川上)憲伸さんは「投手は自分の打撃で何勝も変わる」とよく言ってますし、(山本)昌さんも「3勝は変わる」と言っていました。セ・リーグにいる以上、投手にも1/9で打席が回ってくるので、自分の打席をどう使うかが重要になります。


 ただすごい球を投げるだけでは、エースにはなれないと思うんです。エースにとって大切なのはチームを勝利に導くこと。フィールディングの上手さや送りバントをしっかり決めることが、チームを勝たせることにつながってきます。松坂大輔さん、上原浩治さん、川上憲伸さん……僕が子どもの頃から見ていたすごい投手は、みんなそうなんですよね。柳にも彼らのようなエースになってほしいと思っています。


柳投手の完投勝利をもっと見たい!


 柳には今年は右のエースとして「ドラゴンズに柳あり!」という成績を残してほしいですね。


 今、ドラゴンズは苦しい戦いをしていますが、BクラスからAクラスへと上がったときに「柳の活躍が大きかったな」と言われるようなピッチングを1年間通して続けて、大野雄大さんや巨人の菅野投手のように、他球団の打者が「今日の先発は柳か……」と戦意喪失するようなピッチャーになってほしいと思います。


 これは僕の願望ですが、もっと完投を増やしてもらいたい。柳は間違いなく完封、完投できる実力を持っていますし、完封、完投勝利はチームを勢いづけます。ただの1勝じゃなくなるんです。昨年、ドラゴンズがAクラスになったのは、大野雄大さんが何度も完投勝利をして勢いをつけたからだと思います。


 1試合投げ抜くのがエースの姿だというのは、彼がずっと追いかけてきた大野雄大さんからすごく感じ取っているはず。柳自身は「最後まで投げきりたい」というピッチャーのエゴよりもチームの事情を絶対的に優先しているので、納得している様子は伝わってきますが、ファンとしては「何がなんでも行かせてくれ!」という熱さも見てみたいんですよね。


 昨年、阿波野コーチがマウンドに来たとき、柳が二塁ベース近くまで二度も「逃亡」したことがありました。結局、交代しましたが、これは見ていて熱かった! 


 柳の持っている熱さを知っているからこそ、「マウンドは譲らねえ!」というエースのエゴをどこかで見てみたいんです。明治大学の先輩の憲伸さん、星野仙一さんも熱い人ですよね。先日、昌さんも「もうそろそろアイツも『もう1イニング行きたい』と言ってもいいんじゃないか?」とおっしゃっていました。柳には結果を出し続けることで、「最後まで投げたい」と言えるようになってほしいです。


 普段の柳は、それほど熱さを見せるタイプではありません。調子が良くても悪くても、明るく振る舞ってくれるタイプの人間です。


 いつもニコニコしていて、お調子者で、気遣いができて、まわりの人みんなを笑顔にする柳が、マウンドに立つと表情が一変、“鬼の形相”になります。ピンチを抑えた後の雄叫びも無観客試合だとよく聞こえます。特に巨人戦で、坂本、丸、岡本を三者連続三振にとったときはすごい形相でした。そういう面を見ると、やっぱりピッチャーだな、と思いますね。


 プロ初勝利が父の日で、母の日にも先発して勝つところが、とても柳らしいと思います。よく知られているエピソードですが、彼のお父さんは若くして亡くなっていて、お母さんが女手ひとつで頑張って育ててくれました。母の日のヒーローインタビューではお母さんへの感謝もしっかり伝えていましたが、彼の人の良さがよく出ていましたね。僕も見ていて、胸が熱くなりました。


 チームを勝ちに導き、エースとしてチームを引っ張り、完投勝利も見たい。ちょっと欲張りなようですが、これがずっと柳を応援してきた一ファンとしての率直な希望です。勝ち星に見放されている時期もあったので、こんな話ができること自体が嬉しいですね……。


 今はずっと会えていませんが、いい結果を残してもらって、シーズンオフに楽しく話ができたらな、と思います。頑張れ、ゆうちゃん!


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(辻本 達規(BOYS AND MEN))

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