はんにゃ.金田哲、念願の大河出演「震えた」 芸人&俳優を両立させ目指すは“令和の喜劇王”

2024年5月19日(日)20時45分 マイナビニュース

●絵馬に「いつか大河ドラマに出ます」 願いが叶い感激
大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合 毎週日曜20:00〜ほか)で藤原斉信役を演じているお笑いコンビ・はんにゃ.の金田哲にインタビュー。歴史好きで、大河ドラマ出演を目標に掲げていたという金田が、念願叶った喜びとともに、斉信としての役作りや、芸人の俳優業進出について、そして“令和の喜劇王”を目指すという今後の抱負を語ってくれた。
大河ドラマ第63作となる『光る君へ』は、平安時代を舞台に、のちに世界最古の女性による小説といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く物語。主人公・紫式部(まひろ)を吉高由里子、まひろの生涯のソウルメイト・藤原道長を柄本佑が演じ、脚本は大石静氏が手掛けている。
金田が演じて藤原斉信は、道長の腹心として仕え、“一条朝の四納言”の一人となる人物。『花より男子』の御曹司4人組“F4”にちなみ、藤原道長(柄本)、藤原公任(町田啓太)、藤原行成(渡辺大知)とともに“平安のF4”と称され注目を集めている。
歴史好き芸人ユニットを組むなど歴史好きで知られている金田。大河ドラマは芸能界に入った頃からずっと目標に掲げていたという。
「小さい頃からの憧れで、大河ドラマを見て育ちました。大河ドラマで歴史を楽しく学んできた子供で、芸人も昔から出ているのを見ていたので、いつか大河ドラマに出演したいと思っていました。歴史好き芸人のツアーで上田城の神社を訪れたときに、絵馬に『いつか大河ドラマに出ます』と書いて、その願いが叶ったので、うれしいという言葉だけでは表現できない感情……すごく引き締まりました。選んでいただき光栄ですし、震えました」
どの大河ドラマも好きだと言うが、DVD-BOXを買うほどハマったのは『新選組!』(2004)だそうで、「全員かっこよすぎました。特に土方歳三がかっこよくて」と熱く語り、「『秀吉』(1996)の竹中直人さんが最初に僕が見た大河なので、ふんどし一丁で大根をくわえている竹中さんが忘れられないです」とも話した。
○現場で毎回喜び実感「貴重な贅沢な時間を過ごさせてもらっている」
『光る君へ』は、戦国時代は幕末ではなく、平安時代が舞台。金田はコロナ禍に、平安時代をテーマにしたオンラインイベントで司会進行を務め、「平安時代って面白いな」と興味を持ったという。とはいえ、藤原斉信については知らず、オファーを受けたときは「スーパーエリートだと知り、僕で大丈夫ですか!? と思いました」と振り返る。
撮影現場では毎回、憧れの大河ドラマに出られている喜びを噛みしめているという。
「セットも衣装も何もかも素晴らしくて、そうそうたる俳優さんがいらして、ロバートの秋山(竜次)さんがいるとちょっとほっとしたり。大河ドラマの現場は、マイクを足で踏んでスタジオに入るのですが、あそこで毎回緊張しますし、大河ドラマに出させていただいているんだなと感じます」
空き時間に主人公・まひろが住んでいる為時邸のセットを訪れたときも興奮したそうで、「映像の世界で見ていたところに行ってきて、出演者でもあり大河ファンでもあるので、『うわ! すごいな!』と。そういう楽しみもあって、毎回貴重な贅沢な時間を過ごさせてもらっています」とうれしそうに話した。
念願の大河ドラマ出演はどんな経験になっているか尋ねると、「今はまだ途中なので、ただただ毎日必死ですが、終わったときに泣いちゃうと思います。こんな経験をさせていただいていて光栄ですし、親戚一同も喜んでいて、親孝行にもなっているのかなと。とにかくいろいろ写真を撮っていて、大河の思い出というか、僕の人生の中でもかなり貴重な体験をさせてもらっています」と語った。
●平安貴族役は「品格」を意識 所作や衣装の苦労も吐露
演じている斉信の魅力については「藤原F4の中で一番の感情型で、喜怒哀楽がしっかり出ていて、出世欲も強くて、プレイボーイ。人間味あふれる人だなと思います」と解釈。ファーストサマーウイカ演じるききょう(清少納言)とのやりとりも注目を集めているが、2人の関係性について「遊びのつもりだったけど、どっぷりハマっているのは斉信のほう。清少納言さんに踊らされています(笑)」と捉えている。
斉信と自身の共通点もあるようで、「斉信が4人の中で話を回そうとしているのは似ているかもしれないですね。あと、物事に対して好きなら好きとはっきりしているのも似ています」と説明。目標や夢を言葉にする点も似ているそうで、「絵馬に(目標を)書いたり、出世欲が強いんでしょうね。願い事に対してのアプローチが真っすぐな感じはもう斉信です」と笑った。
演じる上では「品格」を最も大切にしているそうで、「平安貴族ですから、一つ一つの所作や発言も品格が出るように、佇まいはかなり意識しています」と明かす。
また、「左足で上り下がりしないといけないとか、あまり手が出たらいけないとか、貴族ならではの所作が独特で、そこは苦労しました。書く所作もそうですし、打毬のシーンは馬も片手運転でスティックを。あと、冠がしっくりこない。髻(もとどり)と冠の具合が日によって全然違って。平安貴族を演じるのはこんなにも難しいのかと感じています」と苦労も吐露。「F4はみんな身長が高くて、さらにかぶりものがあるので高さとの戦い。大事なシーンでぶつかってずれることもあります」と語った。
○千鳥ノブもドハマリ「おもしろい」 反響明かす
大河ドラマの反響は大きいようで、「けっこう芸人さんに見ていただいていて、千鳥のノブさんも『光る君へ』にすごくハマっていただいていて、『おもろいよな』『清少納言とのやりとりすごくええな』と。この間、飲み屋で飲んでいたら一般の方からも『斉信さん見てます。すごく素敵です』と言っていただきました」とうれしそうにエピソードを紹介。
相方の川島(章良)からは「めっちゃ似合ってるじゃん! 平家」と言われたそうで、「見てくれていますが、川島くんは独特の感性なので、平家だとずっと思っていると思います」と笑い、「僕らはコンビを組んだときからお互いやりたいことを口に出していて、大河ドラマが19年越しに叶ったというのはわかってくれていると思います」としみじみと話した。
大河ドラマという一つの目標が叶ったわけだが、「違う時代にも行ってみたい」とほかの大河ドラマで平安ではない時代にも挑戦してみたいと希望を口に。また、「隣で朝ドラ(連続テレビ小説『虎に翼』)を撮っていて、伊藤沙莉さんは僕の後輩のオズワルド・伊藤(俊介)の妹さん。シソンヌやドランクドラゴンの塚地(武雅)さんもいるので、みんなでお話させてもらっていて、朝ドラのスタッフさんにも覚えてもらい、広がっている感じがしています」と朝ドラにも意欲をのぞかせ、「いろんな時代にタイムスリップしてみたい」と話した。
●芸人の俳優活動は「いたって普通のことだと気づいた」
近年、ドラマや映画で芸人たちの存在感が増しており、『光る君へ』でも、金田のほかに、ロバートの秋山竜次が藤原実資役、カラテカの矢部太郎が乙丸役を好演している。
金田は、芸人が俳優として演じることについて以前は「芸人は俳優なんてやらずに芸のことをもっと考えろ」と否定的な考えがあったが、今はごく当たり前のことだと捉えるようになったという。
「源俊賢役の本田(大輔)さんと食事をしたときに『二枚目が男前で三枚目がおちゃらけていると言うが、イギリスだと一枚目がコメディアン』という話を聞きました。また、塚地さんも以前、あるベテラン俳優から『もともと映画はコメディアンのものですから不思議なことじゃないですよ』と言ってもらったそうで、『コントの延長線上に(俳優業が)ある』と。僕も今までは、演技なんか大それたことはできませんと思っていましたが、確かにチャップリンやバスター・キートンなどの喜劇は映像で、我々コメディアンが映像の世界で演じるって、いたって普通のことだと気づきました」
目指すは、志村けんさんのような“喜劇王”だという。
「“第二の志村さん”みたいな感じで喜劇王を探す企画を千鳥さん番組でやらせてもらったときに、酔っ払いを演じたら『向いているぞ』と。“喜劇王・金田”という道もあるんじゃないかと。30代後半で芸人と俳優をやらしていただいたその先、40代には喜劇王を目指すというのが面白いんじゃないかなと思っています」
そして、「喜劇王に俺はなる!」としっかり宣言。「これからの目標として非常にしっくりきました。やりたいこと、やるべきこと、向いていることがつながってきている」と自身の目指す道が明確に見えてきているようだ。
○志村けんさんのような喜劇王を目標に 芸人ならではの強みも分析
また、芸人の強みとして、度胸や間(ま)の取り方などを挙げる。
「自分でネタを作って演じて、演出も自分でやる。それがお客さんの前でスベると、防衛本能を働かせないと心が壊れてしまうぐらいメンタルやられるので、スベっている強みがここへきて出ているのかなと。そして、劇場に20年出させてもらって毎日のようにネタをやってきて、同じネタでもちょっと間がずれたり言い回しが変わっただけでウケなくなるというデータがたくさんある。失敗したり、間のずれを気にしているから、細かいところに神経が行くのかなと。神経が行くのはスベっているからだと思います」
目標に掲げている喜劇王になるためには、多くの人を魅了できるコメディ映像作品を生み出すことが必要だと考えている。
「バラエティで面白い企画をやると『面白かったよ』『見たよ』で終わりますが、映像作品になるとファンの人がすごい熱量で何度も見てくれる。だから、もちろんバラエティにもこれからも出させていただきたいですが、ロバートの秋山さんの『クリエイターズ・ファイル』のようなコメディ作品を作っていかないといけないなと。今、俳優さんがプロデュースで入ったりしていますが、コメディアンもプロデュースで入るのか、ジャパニーズ喜劇映像を演者としてやっていき、ストーリー性もあって哀愁ある作品を作ることが喜劇王に必要なことなのではないかなと思います」
さらに、「『Mr.ビーン』のような、あそこまでザ・コメディに行くのか」などとイメージを膨らませる金田。「ジャパニーズ喜劇王といったら、やはり志村けんさん。新たな令和の喜劇王を目指して模索していきます」と力強く語った。
■金田哲
1986年2月6日生まれ、愛知県出身。東京NSC10期生。2005年に川島章良とお笑いコンビ・はんにゃ(2023年2月にはんにゃ.へ改名)を結成し、2009年に「ズクダンズンブングンゲーム」でブレイク。同年の「よしもと男前ランキング」で2位に選ばれるなど、イケメン芸人としても人気に。俳優としても活躍しており、近年ではドラマ『チェイサーゲーム』シリーズ、映画『燃えよ剣』(21)、『ヘルドッグス』(23)、舞台『SLAPSTICKS』(21)などに出演。

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