沢尻エリカ、『白い巨塔』で岡田准一の愛人を熱演 初のホステス役で体験した意外な苦労

5月21日(火)12時0分 AbemaTIMES

 1965年に刊行されてから50年以上経った今なお、多くの人々を惹きつけてやまない山崎豊子の大ベストセラー小説『白い巨塔』。大阪の大学病院を舞台に繰り広げられる凄まじい権力争いと医療裁判を通じて人間の本性に迫る同作は、山崎作品の中でも最高傑作の呼び声も高い。そして、これまでに主人公の財前五郎役を故・田宮二郎や唐沢寿明らが演じて映像化され、昭和、平成を代表するドラマとして記憶に残っている。そんな名作をテレビ朝日開局60周年記念 超大型ドラマスペシャル『白い巨塔』として5月22日から5夜連続で放送。時代を2019年に設定し、現代の最新医療ならではの新たな『白い巨塔』。注目はそのキャストだ。主人公の財前役を岡田准一が務め、同期で財前とは対極の内科医・里見脩二には松山ケンイチ。そして、財前の愛人、ケイ子役に沢尻エリカがキャスティングされた。

 外科医として一流の腕を持ち、大学教授の座を射止めることだけに野心を燃やす財前にとってケイ子は唯一心を許せる存在であり、彼を“五郎ちゃん”と呼び、大きな包容力で支える。 沢尻にとって本作でのケイ子役は、これまで演じたことのない役どころであり、30代になった彼女にとって大きなチャレンジになったようだ。真紅のゴージャスなドレスをまとって現れた沢尻は終始とてもにこやかな笑顔で、楽しそうに撮影秘話を明かし、本作に賭けた意気込みを語った。

 

“ザ・名作”への出演に「私なんかで本当にいいんですか?」

ーー山崎豊子作品への出演が決まって率直にどう感じましたか?

沢尻エリカ (以下、沢尻):
誰が聞いても“ザ・名作”と思う、そんな作品に出られるということが、すごく衝撃的でした。誰もが知っている物語で、どんな展開かも知っている。それこそ、私も子どもの頃、ケイ子役を黒木瞳さんが演じたのを見ていて(2003年、唐沢寿明主演)、とても好きな作品でした。それを自分が演じるんだと思ったら、すごく不思議な感覚になって。緊張するというよりも、「えっ!? 私なんかで本当にいいんですか?」と思いました(笑)。

ーーケイ子は財前を精神的に支えていく重要な役どころですが、演じる上で意識した点は?

沢尻:
大らかというか、愛情深く包み込んであげるような優しさを持った女性でいようと心がけました。

ーー今回のような一流クラブのホステス役は、初挑戦ですよね。

沢尻:
そうなんです。今までやったことがないので、落ち着いた大人の洗練された女性のイメージをどう演じたらいいんだろう、どうやって大人感を出せばいいんだろうって悩みました。でも、考えてみたら、私ももう30歳を過ぎているんですよ。だから、全然大丈夫かもって(笑)。とにかく内面的な落ちつきというものを出せればいいかなと思いました。

ーーとはいえ、全5夜の中で、財前は頂点を上り詰めて急転直下で落ちるジェットコースターのような展開をたどります。そんな激しい生き様を見せる彼と対峙するケイ子はずっと受け身の演技だから、大変だったんじゃないですか?

沢尻:
前半と後半で、本当に岡田さん演じる財前の顔は全く違うんです。その過程を間近で見て、こんなに短期間で役を作り上げていく岡田さんの俳優としての凄さには本当に驚きました。でも、それをケイ子の立場で、五郎ちゃんが変わっていくのを見ていると辛い部分もありました。好きだからこそ、五郎ちゃんを支えたい。でも、外科医としてひたむきだった頃の五郎ちゃんも知っているケイ子には、どんどん野心をむき出しにしていく五郎ちゃんに何か違和感があって、だんだん痛々しさを感じてしまう。ケイ子としては財前の願いや信念はリスペクトするけれど、もとの五郎ちゃんのままでいて欲しかった。五郎ちゃんのことは好きだし、愛しているし、ずっとそばにいたい。ただ、変わっていくところは見たくないという葛藤を、ケイ子は感じていただろうなと思いながら演じました。

 

監督からの熱のこもったラブシーン指導

ーー鶴橋康夫監督は、「沢尻さんが一番、安定感がある」とおっしゃっています。ケイ子という役を演じるにあたって、監督からリクエストはありましたか?

沢尻:
監督とは以前(ドラマ『悪女について』2012年)で仕事をしたことがあって。今回、監督からは「色っぽくやってね」と言われました(笑)。

ーー主演の岡田准一さんとは初共演ですよね。

沢尻:
ええ、初対面なんですけど、とても気さくな方で、「ジリさん」って呼んでくれて。一瞬、「えっ!?」と思いましたけど、親しみを込めて呼んでくださって、とても嬉しかったですね。

ーーそんな岡田さんとのファーストシーンは?

沢尻:
それが、「初めまして、よろしくお願いします」の後に、いきなりブチューってラブシーンからだったんです。緊張もするし、私は結構人見知りなので、どうしようかなと思って、とりあえず軽めに行ってみたら、監督から「もっと行け! やれー!」って言われちゃって(笑)。

ーー聞くところによると、鶴橋監督はラブシーンなど身振り手振りで、お手本を見せる方だとか。

沢尻:
そうなんです(笑)。監督が「ここでこうして…。そこでディープキスだ!」なんておっしゃるんです。岡田さんも演技経験が達者な方なので、監督からのリクエストに「任せてください!」みたいな感じで返す。頼もしい方だなと思って、現場では引っ張っていただきました。

ーーシリアスな社会派ドラマですが、何だか、現場の雰囲気は楽しそうですね。

沢尻:
私も内容が内容なので、現場も硬めかなと想像していたら、全然そんなことなくて。座長でもある岡田さんが現場を率先して引っ張って下さるだけでなく、ムードメーカーになって現場を和ませる。スタッフもキャストのみなさんとも楽しく過ごすことができて、待ち時間も楽しかったんです。ただ、私は岡田さんとのシーンが大半で、裁判のシーンもいるのですが、ちょっとだけ。とくに、残念だったのは(『白い巨塔』といえばという印象的な)大学病院の総回診のシーン。そこはナマで見てみたかったですね(笑)。

水割りを作りながらの演技は難しい!ホステス役の意外な苦労

ーー岡田さんなど医師役の方たちは手技の練習や、医療用語に苦労したようですが、一流ホステスを演じる上で特別な仕草など、身につけなくてはならなかったことはありますか?

沢尻:
水割りの作り方を練習したんです。グラスに氷を入れて、ウィスキー、水を入れてという流れ作業が板についている感じじゃないといけない。でも、やってみると結構難しいんです。私は普段、水割りはあまり飲まないし、飲んだとしてもワインだったり。なので、しゃべりながら水割りを作るって、すごく難しいんです(笑)。しかも、氷がカランコロンと音を立てるからうるさくなっちゃう。で、しゃべりとしゃべりの合間に氷を入れるということを工夫しするんですけど、手元を意識しつつ、セリフを言うのがまた難しくって。水割りを作るシーンが、こんなに大変だとは思いませんでした(笑)。

ーー意外な苦労だったんですね。

沢尻:
ええ、今、話していて思い出しました(笑)。

ーーところで、今日の衣装は真っ赤なドレスですが、ケイ子の店「ラディゲ」も真紅でゴージャスな雰囲気です。ケイ子のシンボルカラーが赤なのでしょうか?

沢尻:
とくにそういうことはないと思います。着物やカジュアルなファッションもしています。でも、考えてみれば、印象的なシーンで赤を着ている気がしますね。


切なさ感じた“妻 VS愛人”対決シーン

ーー全編、頂点を目指していこうという財前の戦いが描かれていますが、女性同士の戦いも見ものではないかと思うのですが。

沢尻:ええ、五郎ちゃんの奥様と対峙するシーンがあります。普通、奥さんと愛人が対峙するといえば、修羅場。でも、このドラマではあからさまなバトルではない。そこがまた見どころにもなっているんです。妻と愛人という立場は違うけれど、五郎ちゃんの奥さんの気持ちもわかる部分もあり、彼女も愛人としてのケイ子の気持ちも理解してくれる。そして、互いに愛があったんだというように描かれているんです。私は受け身の芝居でしたが、切なさと哀しさと優しさを感じさせられるとてもいいシーンでした。実はまだ出来上がったものを見ていないので、すごく楽しみにしているんです。

ーー過去、映像化される度に、名作ドラマとなった『白い巨塔』ですが、そんな作品に30代に入って出演したことは、今後女優として大きな糧になるのではないでしょうか。

沢尻:
今まで、名作というようなものに携わったこともありませんでした。だからこそ、今回、出演できたことはすごく嬉しいものでした。もちろん、誰もが知っている話で、どんな展開かも知っているところでの重圧も感じました。でも、撮影現場ではそこは忘れました。現代版の新しい『白い巨塔』を作ろうとキャストもスタッフも一丸となっていて、すごくやり甲斐を感じたんです。これまでの『白い巨塔』を知る方たちはもちろんですが、まだ一度も見たことがない新しい世代の、若い子たちにも絶対に楽しんでもらえる作品になっていると思います。ぜひ楽しんで見ていただきたいと思います。

テキスト:前田かおり
写真:You Ishii

AbemaTIMES

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