米中の労働者が働く工場で起こった対立を描く貴重な記録 「アメリカン・ファクトリー」を採点!

5月21日(木)18時0分 文春オンライン

〈解説〉


Netflixオリジナルドキュメンタリー。2008年冬、自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)社は、不況のためにオハイオ州の工場を閉鎖した。16年、中国の億万長者が廃工場の設備を使い、自動車用ガラスの生産を開始する。GM社を解雇された人を含むアメリカ人労働者が雇用され、中国から派遣された人々と働き始めると、米中の労働に対する価値観や考え方、文化の違いが溝となり、対立が深まっていく。アメリカと中国、企業と労働者、どちらにも偏らない中立的な視点で、生産性を追求する未来に見える問題を浮かび上がらせるのは、スティーブン・ボグナーとジュリア・ライカート監督。前アメリカ大統領バラク・オバマとミシェル夫人が設立した映像製作会社の第1作。第92回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作。110分。





  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆80年以上前のチャプリンの『モダン・タイムス』の世界そのままでは? 社員は使い捨て。イヤな気分になるが貴重な記録。




  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆貪欲と油断の両方を斬りつつ、ただの告発映画にとどまらない。金に負ける危うさを抉りつつ、世界を探る眼が沈着だ。




  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆自己犠牲も厭わずに一丸となる共産主義と、労働者の権利を認め個々の自由を重視する資本主義。両者が共同するとは!




  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆米国と中国の国家モデルを公正な視座で再検討する。期せずしてコロナ後の世界構造を占う大きな主題を備えた内容だ。




  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★コロナ禍の今必見。異文化コミュニケーションと国民性の衝突。中国企業進出の非情な現実から新たな視点が開眼する。






Netflix映画『アメリカン・ファクトリー』独占配信中



INFORMATION


「アメリカン・ファクトリー」(米)
Netflixにて配信中
https://www.netflix.com/jp/title/81090071



(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年5月21日号)

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