「心細いけど面白い」 女優・有森也実が語る一人芝居への思い

5月23日(木)17時0分 文春オンライン


有森也実さん


 女優の有森也実さんがこまつ座公演『化粧二題』で、初の一人芝居に挑戦する。舞台はさびれた芝居小屋の楽屋で、演じるのは大衆演劇の座長・五月洋子だ。開演前の化粧支度の最中、座員一堂に檄を飛ばすところから芝居は始まる。


「一人芝居は心細いけど、他の役者さんに悪い影響は与えないで済みますよね。周りにいる人を、私の台詞や所作だけでどうやって立ち上げるか、悩ましくも面白いところです」


 井上ひさし脚本の舞台の出演は、これで3作目。


「先生の脚本には“手前に道がある”んです。今回の場合は、大衆演劇の世界、架空の人物の前に立つまでに、知らない世界を勉強しなくてはならない。今そのままの自分では決して演じられないんです」


 五月洋子は、十八番の演目「伊三郎別れ旅」の母子再会の台詞の稽古に余念がないが、実は五月自身、かつて息子を捨てた経験がある。そこにテレビ局の人間が、捨てた息子との再会の出演依頼に現れる。


「私自身は独身で母親ではありません。でも女優であることは助けになるかもしれない。役者って演じることで、自分の人生や感情を消化する人種なんです。劇中、テレビ局の人にも『捨てられた息子の役を演じながら、捨てた母親を責めることで、自分自身を罰している』と言われています。五月は演じることで、自分の人生の見たくない部分を見ないようにしているのかも知れません。これは、そこに立ち向かっていくというお話だと思うんです」



INFORMATION


東京公演 2019年6月2日(日)〜6月15日(土)

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAほか

7月13日(土)まで全国各地で巡演。

二題のもう一場の主演は内野聖陽さん。詳細は こまつ座HP で




(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月23日号)

文春オンライン

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