お金は「額に汗して生まれるもの」か、「マネーゲームで涌いてくるもの」か

5月24日(金)17時0分 文春オンライン

 劇団昴(すばる)の『Other People's Money—他人の金』。衰退企業を乗っ取って潰し、金融資産を得ようとする金融資本家の物語だ。最近の『キンキーブーツ』を思わせる。乗っ取り屋のラリー(遠藤純一)は伝統的地域にある電線製造会社に目を付ける。今は会長の職にある人物(金子由之)の父親が創業者であり、社長(石田博英)が語り手。会長には有能な秘書(一柳みる)がおり、その娘ケイト(米倉紀之子)は大都会の弁護士。乗っ取り阻止を巡り、ラリーとケイトが繰り広げる「交渉」がひとつの見せ場になっている。


 最大の山場は、そこにおける会長と乗っ取り屋の演説合戦。情に訴えても金の力には勝てない。最近、金子由之は『血と骨』(江原吉博脚本、小笠原響演出)で凄みと迫力を見せた。同じ演出家による本作でも底力を見せるだろう。グレゴリー・ペック出演の映画版とは異なり、結末は今の時代を反映している。


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INFORMATION


劇団昴『Other People’s Money—他人の金』

ジェリー・スターナー作、小笠原響演出

5月30日〜6月16日、東京・Pit昴

https://www.theatercompany-subaru.com/public.html




(結城 雅秀/週刊文春 2019年5月30日号)

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