CD特典や物販の説明をする必要性はどこにある? 冨田真由さん刺傷事件を報じるメディアの偏向報道

5月25日(水)22時0分 おたぽる

冨田真由さんのTwitter(@tomitamayu)より。

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「これはアイドルオタクに対する偏向報道だ」——東京・小金井市で起きた冨田真由さん刺傷事件を報じる一部メディアに対して上がっている言葉だ。

 事件が発生した21日、多くのメディアで「アイドル刺傷」という文字が並んだ。しかし、厳密にいうと今の冨田さんは“アイドルではない”。元々は女優の彼女。アイドルとしての活動は、高野愛役として出演したドラマ『シークレットガールズ』から派生した期間限定のアイドルユニットの一員としてライブを数回こなしたり、CDを1枚リリースしたのみ。近年はアイドルではなく、女優やシンガーソングライターとして活動している。

 今回の事件は、冨田さんがライブ会場に向かう途中、彼女を駅前で待ち伏せしていたファンの岩埼友宏容疑者が凶行に及んだもの。以前からSNS上で冨田さんに執拗な書き込みをし続けていた岩埼容疑者。犯行に至った理由について「Twitterをブロックされた」という供述もしている。

 現在フリーで活動中の冨田さんは、SNSを通じてファンとライブチケットの予約などを受け付けていたという。たしかに、現在活動するアイドルも、そのほとんどがTwitterアカウントを持っており、アイドルによって密度の違いはあるものの、ファンと交流している。また、ネット上だけでなく、握手会などに行けば直接アイドルと触れ合える。

 そういった今のアイドル界隈の状況もあってか、冨田さんを“アイドル”とし、“アイドルとファンの距離が近くなったがゆえに起きてしまった事件”だと報じるメディアもある。

 23日と24日に今回の事件を大々的に報じた『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)では、冨田さんのことを“アイドル”とし、「親しみやすいアイドルと危険性を検証」。23日放送分では、「CD1000枚購入でデートも!?」と煽り、あるアイドルグループのCD購入特典を紹介。しかし、その内容は300枚購入でアイドルとランチができたり、2000枚購入で温泉旅行に行けるという、ほとんどのアイドルグループでは行なっていないものだった。

 24日放送分では、アイドルと直接触れ合うことができる物販について説明。先ほどのCD購入特典もだが、今回の事件と物販は関係がない。

 しかし、アイドルオタクに対する偏向報道をしているのは、『直撃LIVE グッディ!』だけではない。『モーニングショー』(テレビ朝日系)や『めざましテレビ』(フジテレビ系)でも、アイドルのファンとの距離の近さを取り沙汰し、その危険性について言及していた。

『直撃LIVE グッディ!』においては、CD特典や物販の説明をした有識者として画面に名前が出た『AKB48の経済学』(朝日新聞出版)で知られる経済学者の田中秀臣氏とインタビューアーの吉田豪氏がTwitterで「こんな発言はしていない」という旨のツイートをし、別の方向で話題となっていたりするが、このような偏向報道が続けば、アイドルオタクたちに対する偏見は強くなるだろう。

 アイドル界でも“ガチ恋”という言葉があるように、アイドルに本気で恋をするオタクもいる。今回のような事件が起きる可能性もゼロではない。そういう意味では、今回の事件は今後どのようにアイドルを守るか考えるきっかけになったとも言える。

 しかし、今のアイドル界の状況と今回の事件を紐付けて、「アイドルとファンの距離が近くなっている、だから危ない」などと報道されるのは、どこかモヤモヤするのは筆者だけなのだろうか……。
(文/たちばなばなな)

おたぽる

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