運転免許の高齢者講習 教習所側は「儲からない……」状況

5月25日(金)16時0分 NEWSポストセブン

免許更新に新たな壁が

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 高齢ドライバーの肩身は狭い。高齢者が事故を起こすたびに大きく報じられ、国からは免許返納を促され、家族からも「そろそろ運転やめたら」と忠告される。いや、私はまだ車を手放すつもりはない!と免許を更新しようとすると、70歳以上に義務付けられる高齢者講習は「5か月待ち」なんてこともある。高齢者の人数が年々増えているにもかかわらず、指導員が絶対的に不足しているためだ。教室も足りていない。


 教習所側にもこんな「負担」が発生している。


「高齢ドライバー用に階段の手すりを新たにつけたり、転倒に備えて絨毯にしたりと改修しなければならない。高齢者講習の指導員の資格を得るには、茨城県の中央研修所で研修を受けさせなければいけませんが、車だけで2日、二輪と四輪を合わせて3日かかる。その宿泊費と交通費も教習所側が負担します。高齢者講習は通常の教習に比べて儲けが少ないので、“増やしたくない”のが本音です」(自動車教習所関係者)


 高齢者講習とともに、75歳以上に課せられる認知機能検査も高齢ドライバーの不安の種になっている。


「実技講習はなんとかなったが、認知検査は大変だった。例えば16枚のイラストを次々に見せられて、それを覚えなければいけないんだけど、途中でついていけなくなった。3年後にこの難しいテストで合格は無理。長い予約待ちをしても落ちる可能性があるのは恐怖だよ」(76歳・元会社員)


 昨年の法改正では、75歳以上の人に課せられる認知機能検査の結果により、2時間の講習か3時間の講習に分かれることになった。そのため、検査を受けた日に講習を予約し、別の日にもう一度教習所に行かなければならないところが多い。


 慢性的な免許更新の「渋滞」を解消するため、岐阜県では全国で唯一、警察が認知機能検査を一手に担い、教習所の負担を軽減する措置をとっている。また、奈良県のように特例として失効期限の延長を認めている自治体もある。


 ただし特例を設けているのは一部の地域で、期限切れで失効となれば、もうハンドルは握れなくなる。


「どうしても運転を続けたいなら講習を受けなさい」と求められても、講習すらなかなか受けられない。受ける側からすれば理不尽に映るのも仕方ない。


※週刊ポスト2018年6月1日号

NEWSポストセブン

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