“突発性難聴”で生じた息子の将来に対する不安(辻仁成「ムスコ飯」エッセイ)

5月29日(火)17時0分 女性自身

女性自身[光文社女性週刊誌]

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ある日、不意に左耳に違和感を覚えたのです。あれ、なんだろう。プールで泳いだ後、耳に水が残る、あの嫌な感じ。その直後からめまいに襲われ、ふらふらしはじめました。友人の脳外科医に相談したところ「軽度の突発性難聴だろう」とのこと。なんで難聴なんかに? と思うようなあまりに突然の出来事。なにせいつものように歩けないのですから。歩くと身体が斜めになる。まるでお酒に酔ったような感覚です。


軽度だったのとステロイド剤が効いてすぐに平衡感覚を取り戻しましたが、臥せっていた数日間、不安だったのはただ一点、息子のことでした。ここはパリですからね、頼れる人も限られている。もし重度の病気だったら、あの子はいったいどうなっていたのだろう、という心配が頭を過りました。来年から高校生、順調に進んでいる彼の進学への道を自分のせいで閉ざすことになりかねない。そのことを思うと、なんとも自分が情けなくなってしまって……。


私が寝ている間、息子が献身的に付き添ってくれました。スーパーに買い物に行き、珍しいことにお片付けまで。お兄ちゃんになったものです。そりゃそうです。私が来年、60歳なのですから。老骨に鞭打ってシングルファザーをやってきましたが、本当に息子を社会に出すことができるのか、いまだ心配の種は尽きません。健康というものは健康じゃなくなった時にこそ、そのありがたさを痛感するもの。今回の件でいつまでも若ぶっていてはいけないのだな、と考えさせられました。


息子が大学を卒業するまであと約10年。ベッドの中で思わず手を合わせ、世界中の神様にお願いをした次第です。もうしばらく、なんとか息子のそばに置いてください、と。神様のお力添えが効いて、今はとっても元気です。お医者さんいわく、気疲れもあるよ、とのこと。シングルの辛いところですね。そんな時は美味しくて栄養のあるものを食べることです。さて、そこで本題。本日は父ちゃんのクラブハウスサンドのレシピをご紹介します。


材料2人分:食パン(小さめのもの)数枚、フランクフルトソーセージ1本、フルーツトマト1〜2個、サラダ菜などの葉物数枚、ベーコン3枚、スモークサーモン2枚、チーズ数枚。


ザジキソースの材料:きゅうり3分の2本、ギリシャヨーグルト150g、にんにく少々、オリーブオイル大さじ2、ミントの葉少々、ディル少々、レモン、ビネガー、塩・こしょう各適量。


まず、パンをオーブンでトーストし、ベーコンとソーセージはフライパンで焼いておく。ベーコンはカリカリに、ソーセージは少し焦げ目がついていたほうが美味しいです。ザジキソースは、ヨーグルトをよく水切りし、皮をむいたきゅうりを2〜3ミリの角切りに。きゅうりもキッチンペーパーなどで水分を取り除いてください。にんにくはすりおろし、ミントとディルはみじん切りに。レモン、ビネガーはアクセント程度でOK。塩・こしょうは味を見ながらお好きな量を加えてください。すべての材料&調味料を混ぜればソースの完成。マヨネーズやタルタルソースで代用可です。ソースが出来たら、あとはパンに材料を挟むだけ。トマトなどの具材は挟みやすいようにスライスしましょう。トースト、葉物、サーモン、ソース、トースト、葉物、ベーコン、トマト、チーズ、トースト、ソーセージ……のように好きな順番で挟み、崩れないように鉄串で固定します。味が足りなければ、お好みでケチャップやマヨネーズ、岩塩をかけてください。


これを出すとみんな必ず、「お〜、すごい!」と騒ぎますので、ホームパーティなどに最適。場を和ませるゴージャスなサンドイッチ、みんなでわいわいお楽しみください。


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