「7六金で生きてきた人」渡辺明九段、独特世界観の山崎隆之八段を高評価!?ファンは爆笑/将棋・ABEMAトーナメント2024

2024年6月9日(日)12時0分 ABEMA TIMES

 何を普通に指そうとしているんですか!そんな気持ちの入った激励だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Aリーグ第2試合、チーム渡辺 対 チーム中村の模様が6月8日に放送された。試合終盤の第7局、チーム渡辺の山崎隆之八段(43)が、佐々木大地七段(29)と対局している最中、独創的な山崎八段らしからぬ手を選択するのでは、という局面で、控室にいた渡辺明九段(40)が「それ以外の手はダメなんですよ!それでここまで来ている人なんだから!」とエキサイトするシーンがあり、ファンの間でも大きな話題になった。

【映像】渡辺明九段「山ちゃん、▲7六金で生きてきている」

 今年のチーム渡辺は、渡辺明九段がドラフト会議で1巡目指名の重複抽選を2度外した上で、山崎八段を指名。2巡目には後輩かつ参謀の岡部怜央四段(25)を指名。山崎八段については「将棋の話はほとんどしない。将棋界のゴシップの話とか」と笑っていたほどだが、実際にチームを組んでみると岡部四段の対局を2人で見ていた際には、将棋観をぶつけるようなトークも展開。タイトル31期を誇る名棋士と、独創的な戦い方で久々にタイトル戦出場を決めた2人が、お互いをリスペクトしている雰囲気も感じさせていた。

 そんな中、思わず渡辺明九段が熱くなったのが第7局の場面だ。山崎八段が佐々木七段を相手に熱戦を繰り広げていたところ、83手目に難しい決断を迫られた。8筋にいた玉の頭を金が守っていたが、6五から桂馬で狙われたため、金をかわす必要があった。逃げる場所は9七、7七、7六の3つ。ただし7六に逃げれば玉から金が離れるため、玉周辺がかなり手薄になる怖い一手でもある。

 ここで数秒考え込んだ山崎八段に対して、渡辺明九段が飛ばした言葉が以下のようなものだ。

 渡辺明九段 ▲7六金という棋風でしょ、あなたは!そうなんだよ。山ちゃん、▲7六金で生きてきているわけだから、それ以外の手はダメなんですよ。それでここまで来ている人なんだから。

 ABEMAの「SHOGI AI」も最善手として示していたものだが、なかなか人間には指しにくい手であるのも確か。ただし普段から独創的な指し手で周囲を驚かせてきた山崎八段だからこそ、ここは迷わず自分を貫く▲7六金を指すべきだと、思わず興奮したという場面だ。

 将棋ソフトの導入により、各戦法の研究も飛躍的に進んだ。一部では棋士の個性が出しにくくなったのではという声もある中、山崎八段の独自路線は将棋界でも改めて評価されているところ。これを貫いたからこそ久々にタイトル戦出場の切符も勝ち取れた。熱い渡辺明九段のコメントにはファンも笑いとともに感銘を受けたようで「それでここまできてるw」「人生的に…」「渡辺解説やはり最高」「ナベさんw」と盛り上がっていた。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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