吉田鋼太郎や大泉洋、松重豊など「しょぼくれ男」が人気

6月9日(土)7時0分 NEWSポストセブン

いまモテるのは、しょぼくれ男

写真を拡大

「夫やパート先の上司を見ても実感しますが、男性って50代になってもまだまだ野心があるものだし、ちょっとでも手柄をたてるとすぐに自慢してくる人が多い。でも“恋雨”(映画『恋は雨上がりのように』)の店長は45才にして、誰が相手でも否定せず静かに見守ってくれる。それでいてぽろっと漏らすセリフから、いろんな人生経験があったんだなと感じさせる。ヒロインのあきらちゃんでなくても惚れちゃいますよ」(福岡県・46才・主婦)


「店長の近藤さんにキュンときました。彼は自称“夢も希望も何もない、空っぽの中年”というしょぼくれたおじさんだけど、実は密かに夢を持っているじゃないですか。空っぽじゃないから他人にそこまで立ち入らないし、余裕があるのかなって。自分の気持ちをがんがん押しつけてくる主人を見るたびに、店長だったらな〜…と妄想しちゃいます(苦笑)」(静岡県・44才・主婦)


 映画『恋は雨上がりのように』に出演している大泉洋(45才)にハマる女性が続出している。大泉演じる近藤正己とは、45才、バツイチ子持ちのファミレス店長。客からのクレームにはとにかく平謝りし、アルバイトからは体臭が臭いと笑われ、女子高生と会話をしただけで痴漢呼ばわりされる、いわゆる“さえないおじさん”だ。しかしそんな店長に、女子高生の橘あきら(小松菜奈・22才)は密かな恋心を抱いている。けがにより陸上の夢を絶たれたあきらが、雨の日、偶然入ったファミレスで優しく声をかけられたその時から──。


 今、しょぼくれ男がアツい。コラムニストの西森路代さんがその人気の理由を解く。


「女性と目が合うだけで“おれ、モテてる”と思う“勘違い男”とは真逆で、大泉さん演ずる店長は、女子高生にじっと見られると、嫌われたのかな? 怒らせたのかな?と不安に思う人。自分がしょぼくれていることを自覚しているから、勘違いをしないところがいいんですよね」


 近年、大泉の店長役のほかにも、しょぼくれ男は当たり役が多い。『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で吉田鋼太郎(59才)演じた、部下に想いを寄せるかわいいおじさん・黒澤武蔵。『陸王』(2017年・TBS系)で志賀廣太郎(69才)演じた、味のあるゲンさん役。映画『いぬやしき』で木梨憲武(56才)演じた、実年齢より老けて見える残念な犬屋敷壱郎役。そして『孤独のグルメ』(テレビ東京系)で松重豊(55才)演じた井之頭五郎役がそうだ。



「松重さんの五郎は、仕事はこつこつ地道にやるけれど、出世欲はなくて、ひとりで黙々と食べている時が幸せというサラリーマン。松重さんはやくざや刑事役もたくさん演じてこられたけれど、私は五郎のしょぼくれているけど自由な姿が好きですね」(西森さん)


 その流れを受けてか、かつて一世を風靡したトレンディー俳優も、続々としょぼくれ男を演じるようになった。


 ドラマ『未解決の女』(テレビ朝日系)では吉田栄作(49才)が白髪やしわなど老いを隠さぬまま“しょぼくれた大学教授”を熱演。


 舘ひろし(68才)も最新作となる映画『終わった人』(6月9日公開)で、定年を迎えて趣味なし、夢なし、わが家に居場所なしというしょぼくれサラリーマン役を演じている。マーケティングライターの牛窪恵さんは言う。


「舘さんのイメチェンは象徴的ですよね。実は40〜50代の中には、若い頃の舘さんが苦手だったという人が結構いるんです。舘さんの代表作『あぶない刑事』(1986年・日本テレビ系)の“タカ”のギラギラしたイメージが強すぎたんでしょうね。でも最近の舘さんは枯れたお父さん役や、出世から見放された役も演じるようになった。昔より母性本能をくすぐられると、彼女たちは目を細めます(笑い)」


 世の女性は年上のしょぼくれおじさんになぜハマるのだろうか。10年前には、年齢を受け入れ、ほどよく枯れている50代以上のおじさんが魅力的だとして20〜30代の女性を中心に「枯れ専」ブームが起き、『カレセン︱枯れたおじさん専科』(アスペクト)なる書籍も発売された。今のしょぼくれ男ブームとの違いはあるのだろうか。西森さんは言う。


「最近の#metooムーブメントでもわかるように、今は多くの女性がセクハラやパワハラ問題を意識していて、自分が偉いと思っていたり、権力を盾にする男の人は嫌だという風潮があります。だから、どんなに物腰が柔らかくても、教えてやるという“上から目線”の態度が透けて見える男性は嫌われますね。


 枯れ専というのは“枯れた”という言葉通り、1回は咲いていた、男としてブイブイいわせていた人をさしていたように思います。でもここでいうしょぼくれ男は、一度も人生で花を咲かせたことがない。だから全然偉そうじゃない。女性たちはそこに安心感を覚えるんじゃないでしょうか」


※女性セブン2018年6月21日号

NEWSポストセブン

「吉田鋼太郎」をもっと詳しく

「吉田鋼太郎」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ