「『アシガール』で過酷な場所を走った経験があるので、まだまだ余裕で走れます(笑)」黒島結菜(村田富江)【「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」インタビュー】

6月9日(日)20時50分 エンタメOVO

村田富江役の黒島結菜

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 いよいよ女子スポーツの黎明期に突入した大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」。その中心となって活躍するのが、東京府立第二高等女学校で女子のスポーツ教育を開始した金栗四三(中村勘九郎)の教え子・村田富江だ。数々の競技会で好成績を残すとともに、自作のテニスのユニフォームも話題となり、アイドル的人気を獲得。だが、人前で素足になって走ったことが物議を醸し…。今では信じられないようなエピソードが次々と飛び出し、その内容には驚くばかりだ。演じる黒島結菜が、撮影の舞台裏、役を通して感じたことなどを語ってくれた。



−四三と出会ってスポーツに目覚めた富江は、自作のユニフォームがきっかけとなり、スポーツ界のアイドル的存在となります。演じてみた感想は?

 自分たちが作ったユニフォームが百貨店に展示され、商品化までされるなんて、今でもすごいこと。富江自体は架空の人物ですが、当時、同じようにアイドル的な人気を集めて、手作りのユニフォームが百貨店で商品化された女子スポーツ選手がいたそうです。そう考えると、その方たちが一体どれほど新しいことをしたのかと…。本当にすごいと思います。

−衣装のユニフォームを着てみた感想は?

 かわいかったです(笑)。当時の資料を参考に新しく作ったものですが、えりの付いた真っ白なワンピースで、ボタンがアクセントになっていて、フレアのスカートというデザイン。ものすごくテンションが上がりました。こういうすてきな衣装を着ると、同じスポーツをやるにしても、気持ちがグッと高まります。見た目重視で、運動には適していないような気もしましたが(笑)。でも、見た目から入るのも悪くないなと。そういうことは、今も昔も変わりませんね。

−富江はいろいろなスポーツをする場面がありますが、トレーニングはどのように?

 テニスについては、女学校の同級生役4人と菅原小春(人見絹枝役)さんが一緒に、撮影の1カ月ぐらい前から週に1回程度の練習を続けました。昔のテニスのラケットは今よりも小ぶりで、バドミントンのラケットに似ているんです。私は中学校までバドミントンをやっていたので、構えがバドミントン風にならないよう、見え方に気を付けて指導していただきました。他にも、やり投げや走り高跳び、ハードル走など1日かけて練習しています。

−富江は走る場面も多いですが、黒島さんは「アシガール」(17)でも見事な走りを披露していましたね。

 「アシガール」では、山道や川の中といったかなり過酷な場所を、しかも靴ではなくわらじを履いて走っていました。今回は、きちんとしたグラウンドで、靴も靴下も履いて走れるので、私の中ではかなりレベルアップした印象です(笑)。皆さん、「体を張って、大変そう」と心配してくれますが、「アシガール」で過酷な経験をしているので、これぐらいなら全然余裕です。もともと、走ることは好きですし、「まだまだいくらでも走れる。転ぶお芝居でも、何でも大丈夫!」ぐらいの気持ちでいます(笑)。

−ちなみに今回、「アシガール」で父親役だった古館寛治さんも、可児徳役で出演していますね。

 一度お会いする機会があり、「また一緒にやることができてうれしい」とおっしゃってくださいました。

−富江たちは、スポーツに目覚めたことで、当初反発していた四三を慕い始め、「パパ」とまで呼ぶようになりました。富江と四三の関係については、どんなふうに感じていますか。

 普通、先生を「パパ」とは呼びませんよね(笑)。でも、事実だそうです。四三さんには、ちょっとかわいらしい部分もあるので、そういうところが女子には魅力的に映るのかもしれません。しかも、向こうが一生懸命ぶつかってきてくれる分、こっちも思いが伝えやすいですし。お互いの信頼関係があればこそですが、単なる「先生と生徒」というだけでないそんな関係性はすごくいいなと。私も高校時代、なんでも話せる仲のいい先生がいたことを思い出しました。昔の先生はとても偉くて、生徒から遠い存在というイメージがありましたが、当時もこういうふうに接してくれる先生がいたことを知り、うれしくなりました。

−第22回、富江が素足で走ったことが問題になり、学校に押しかけた父兄に対して四三が「あなたたちのような理解のない人がいるから、女子スポーツが普及しないんだ」と訴える場面も熱かったですね。

 実はあの場面、泣いてしまったんです。勘九郎さんのお芝居に、ものすごく感動して。本番前のテストでは「先生、その通り!感動する」と思いながらも、普通に聞いていました。ところが、本番になったら勘九郎さんが、テストを遥かに上回る熱量でしゃべり始めて…。それを見ていたら、涙が止まらなくなり、思わず拍手までしてしまいました。それぐらい勘九郎さんのお芝居からは、うそのない真っすぐな気持ちが伝わってきました。こんなふうに、本番中であることを忘れるような経験は滅多にないので、そういう現場にいられたことが、とてもうれしかったです。

−日本の女子スポーツの黎明期に活躍した女性を演じてみて、改めて感じたことは?

 私自身、小さい頃からスポーツには慣れ親しんで、何の疑問も感じずにやってきました。でも、「女にとってはお嫁に行くことが一番。スポーツなんてとんでもない」という時代があった。そのことに、まず驚きました。今でこそ、世界中で男子と同じように女子もスポーツを楽しむようになり、マラソンではおへそを出して走ったりもしていますが、あの時代からは考えられないことだなと。もし、当時の人が現代にタイムスリップしてきたら、ものすごい衝撃を受けるでしょうね(笑)。そういう歴史があって、今につながっていると知ることができたのは、とてもよかったです。

(取材・文/井上健一)

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