芸能リポーターの地方進出で思わぬ影響、原田龍二の会見も

6月11日(火)16時0分 NEWSポストセブン

原田龍二の不倫謝罪会見(原田の写真左が芸能リポーターの菊池真由子氏)

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は芸能リポーターを取り巻く最新事情について。


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 南海キャンディーズ山里亮太蒼井優の結婚発表は、久しぶりに著名な芸能リポーターが勢揃いした会見だったと思う。


 日本中が驚いた大物カップルの電撃婚だったから?


 まぁ、それが最大の理由だが、6月5日(水)の夜…というスケジュール設定が絶妙だったと思われる。多くの著名リポーターが東京にいる“曜日”だったからだ。


 在京局のワイドショーが芸能を扱わなくなって久しい。たとえば『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)は「大物の訃報しかやらない」(リポーター談)。だからレギュラーの芸能リポーターは全くといっていいほど出演がない。


◇地方のテレビ番組から引っ張りだこ


 というわけで、芸能担当のリポーターは、系列の地方局(大阪や福岡)のワイドショーに出演。「系列でなくても構わない」と上から言われ、他の地方局に出演するケースもあるのだ。


 それでも横並びでトップの視聴率を獲得している『羽鳥〜』。芸能ナシでも視聴者は付いてくるということで、これは他局のスタッフも興味津々だろう。


『スッキリ』(日本テレビ系)は『ZIP』の流れから冒頭に芸能がくることも少なくないが、リポーターが解説することは滅多にない。


 同番組は、前身の何本もの番組を含めて井上公造氏がレギュラーだが、コーナーが設けられることが多い月曜日の出演が「毎週」であるとは限らないのである。


『ビビット』(TBS系)も、『とくダネ!』(フジテレビ系)も、プレゼンターは局アナ。解説に芸能デスクや、スポーツ紙の記者がやってきたりする。そういえば、両局とも、芸能リポーターを据えなくなって久しい。午後の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)もフィールドキャスターがプレゼンしているし、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)は、本来、長谷川まさこ氏が専属だと思うが、出番は昔より減っている。


 件の井上氏を始め、著名なリポーターは名古屋、大阪、福岡と全国のワイドショーから引っ張りだこ状態。地方局のワイドショーやニュースショーでは、「もっと芸能をやりたい」と考えている局がまだまだある。加えて、(お笑い芸人に限るが)大阪以外は「街でタレントに遭遇するなんてことは滅多にない」ということからか。芸能リポーターは地方では「スター」なのである。


 地方局の芸能コーナーは、“当日ネタ”(新曲リリース情報やCMイベント、完成披露試写会など)のVTRの羅列であっても、視聴率の毎分グラフが山を描く。


 こうしたコーナーで解説するのが、全国区の芸能リポーターたち。キー局との調整が“主な仕事”である地方局の“芸能デスク”にとって、キー局に出演経験がある芸能リポーターの人脈と情報は不可欠でもある。


◇金曜日の夜は、芸能リポーターが東京から消える!?


 話を会見のスケジュールに戻そう。5月31日(金)午後6時30分〜行われたのは、原田龍二の不倫謝罪会見である。実は金曜日の夜というのは、著名な芸能リポーターが東京からいなくなるタイミングなのである。


 土曜日の早朝、地方局は自局制作の生番組をオンエアするケースが多く、そこにレギュラー出演しているのが著名な芸能リポーターたち。


『5時に夢中!』(TOKYO MX)のレギュラーを終えてからの“旬の芸能人”原田龍二の会見というのは、リポーターにとっては後々、間違いなく“ネタ”になるし、「ぜひ取材してみたい」会見ではなかっただろうか。


 だが、原田を囲んでいたリポーターで顔と名前が一致するのは、“芸能リポーター”を名乗っている人の中でもっとも若い菊池真由子氏のみ。キー局ではいま、月曜日の『バイキング』(フジテレビ系)でおなじみだ。


 かつて「爆弾娘」と呼ばれるほど、鋭い質問をすることで名を挙げた菊池氏。だが原田の会見では、菊池氏の持ち味があまり出ていなかったように感じた。


 理由は、この日のリポーターの“一番手”が菊池氏だったため、口火を切らなければならなかったからだ。いつもなら、ベテランリポーターらが聞き終えた後に、それまで出ていなかった“爆弾”的な質問や、“オチ”になるような質問を菊池氏ができて、結果、その部分がワイドショーの“使いどころ”になっていたものである。


 それが、できなかった。今回、菊池氏によるクリーンヒットは「(性欲が)強いんですか?」だけだったように思う。ま、そこがワイドショーでは漏れなく使われたワケだが…。本来、原田龍二の会見はもっと盛り上がることをワイドショー関係者や視聴者は期待していたとようなフシがあるので、なんだか、もったいなかった気がした。


◇芸能リポーターがいないと会見が盛り上がらず、その結果…


その菊池氏とて、地方局のワイドショーのレギュラーを複数もっているため「行けなかった」という会見は少なくないという。

 

 現在、リポーターのギャラは「出演」で発生すると思われる。「取材」だけでは大したギャラは発生していないのではないか。ワイドショー花盛りで“年契”(年間契約)されていた時代とは異なり、いまは、ワイドショーのスタッフルームに芸能リポーターが詰めている光景、も皆無といっていい。

 

 キー局からギャラが出ないのなら、三顧の礼で迎えてくれる地方局に、たとえ“前乗り”だったとしても、“連泊”になったとしても、「行こう」という気持ちになるのは当たり前のことだ。


 いまでは、男性ディレクターで筆頭リポーターのような存在の人がいて、本当にいつも囲み取材にやってくるので、タレントとも顔なじみになっていて、それなりの“撮れ高”になってしまうケースも少なくない。


 だが、カメラを引いたときの“絵面(えづら)”はやはり地味。囲まれるタレントも、顔見知りのリポーターがいないと明らかにテンションが下がってしまい、全く盛り上がることなく、ワイドショーでの“使いどころ”も短くなる…という悪循環だ。


 芸能プロダクションによっては、何が何でも著名なリポーターを招集するところもある。それでも最近は曜日によって、“御用達リポーター”が揃わないこともあるのだ。ちなみに招集をかけられても、その事務所からギャラが出ることはないそうだ。


「地方での取材会に“あごあしまくら”+“ギャラ”が出たのも今は昔」とベテランリポーターは嘆く。ちなみに、いまはスポーツ紙の担当記者のほうが優遇されているそうだ。確実に紙面に反映されるからだろう。


 だが、キー局のワイドショーでは、確実にオンエアするという“お約束”ができない。『ひるおび!』(TBS系)のエンディングのように、スタッフロールにのせて、何本かのイベントのVTRをオンエアしている“ワザ”をみせる番組はあるが、タレントとリポーターとのやりとりはオンエアされない。流れているのはエンディングテーマで、イベントの音声は出ないからだ。


 だからリポーターは地方局に流れ、都内での大きな会見にさえ「都合がつかない」=サミしい絵面→ありきたりの展開→オンエア時間が短い…となる。


 菊池真由子氏以降、「芸能リポーター」を目指す若手が出てこないのもこんな理由からだ。「芸能リポーター」はどこへ行くのだろうか。

NEWSポストセブン

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