ペット流通の裏側 劣悪環境の繁殖業者で衰弱死することも

6月15日(金)7時0分 NEWSポストセブン

福井のパピーミルでは床が不安定なすのこ状のマス内で過密飼育(写真提供/公益社団法人日本動物福祉協会)

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 日本におけるペット流通は、まず繁殖業者(パピーミル)が子犬・子猫を生産し、ペットオークションにかけられ小売業者(ペットショップ)に渡り、そこから一般の飼い主のもとに行くこととなる。


 かつては、この流れの中で売れ残ったペットを自治体が殺処分していたが、平成25年の法改正以降はそれができなくなった。そのため、売れ残った犬猫を有料で引き取る「引き取り屋」と呼ばれる在庫処理業者が暗躍するようになった。この引き取り屋は、買い取った犬猫を販売したり、さらに繁殖させたりするという。そこにかかわるのが、以下の2種類の業者だ。


【繁殖業者(パピーミル)】


 ペット業界の子犬や子猫をどんどん作り出しているのが、英語で“子犬工場”を意味する“パピーミル”と呼ばれる繁殖業者。不特定多数相手のペットショップにオークション経由で流通させる繁殖業者は、出荷途中などで命を落とす数も考慮し、子犬や子猫を大量生産するべく、何度も子を産ませ続ける。なかには2年間で6回も帝王切開で出産をさせられた犬もおり、繁殖できなくなったら、餌もそこそこに劣悪な環境下で衰弱死させられることも少なくない。


 犬猫385頭を過密飼育し、日本動物福祉協会から刑事告発された福井の繁殖業者も、パピーミルにあたる。この福井の事件では3月26日に告発状が受理され、5月18日には動物愛護法違反(虐待)や狂犬病予防法違反容疑で書類送検となったが、業者を指導監督する県側は当初から「明らかな虐待はなかった」と述べていた。


 400匹近い犬猫をわずか2人で飼育していたが、飼育頭数に対する飼育員数などに法令上の数値規制がないため、「虐待の認定は困難」というのだ。一般的な私たちの感覚と、取り締まる側とにズレが生じてしまうのは、動物愛護法に明確な基準がないから。こうした曖昧さをなくすことが、今年の動愛法改正への論点の1つとなっている。


 引き取り屋では、掃除の手間を省くため、ケージの底板を抜いていることが多い。底板を抜かれた金網の不安定な足場は、犬に多大なストレスを与えている。排泄物受けすらないケースも多く、糞尿が下段に降り注ぐため、上段には転売できそうな犬を置き、下段には売れそうにない老犬などが押し込められていることも。


【引き取り屋】


 平成25年の動物愛護法改正で、業者が犬猫を行政(自治体)で処理してもらえなくなったことで表面化した商売。繁殖力が衰えた親犬・親猫を1頭あたり数千〜数万円程度の有償で引き取る“引き取り屋”は、過剰生産と法改正で活性化したともいえる。


 引き取り後、売れる犬猫はさらに転売、親には限界まで子供を産ませ、転売できず繁殖用にも使えない犬猫はケージに入れられたまま、掃除や散歩の世話も病気の治療もされず、飼い殺しにされることが多い。


 引き取り屋ではネグレクト(飼育放棄)など虐待に発展しやすく、事件化している。


※女性セブン2018年6月28日号

NEWSポストセブン

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