『アンチヒーロー』P語る、最終回に込めた思いや名前の“色”の意味 緒形直人の8~9キロ減量も明かす

2024年6月16日(日)22時19分 マイナビニュース

●明墨と赤峰と紫ノ宮の色を掛け合わせるとドラマのテーマカラーに
ついに16日に最終回を迎えたTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』。長谷川博己扮する弁護士・明墨正樹と、野村萬斎演じる東京地方検察庁の検事正・伊達原泰輔との最終対決、さらにはパラリーガル・白木凛(大島優子)の寝返りの本当の理由、伊達原の忠実な部下だった緑川歩佳(木村佳乃)と明墨との関係……などさまざまな伏線が回収された物語を、プロデューサーである飯田和孝氏が振り返った(ネタバレを含む)。
12年前に千葉県で起きた糸井一家殺人事件で、容疑を否認しつつも裁判で死刑判決を受けた志水裕策(緒形直人)。志水の自白を強要したのが、当時さいたま地検時代に応援で取り調べを担当した明墨。後に冤罪の可能性に気づき、志水の無実を証明するため、当時証拠を捏造した伊達原を追い詰めようとするが、その強引なやり口で、証拠隠滅罪として逮捕。最終回では、伊達原との直接対決が描かれた。
終始優勢に物事を進める伊達原に一撃を食らわせたのが、木村演じる緑川だ。物語が始まったときから、視聴者の間では「緑川がキーマンになるのでは……」という声もあがっていた。その根拠となるが、名前に“色”が入っていること。
飯田氏は「2020年に挙げた最初の企画書の段階で、色に関することは含まれていました」と明かすと、第9話で大島演じる白木が、伊達原側についたような行動を見せる部分でも「“白”木という名前だから、あの行動はわざとだよね……みたいな視聴者の投稿も見られましたし、一つ作品を観る上で楽しんでもらえる要素になったのかなと思います」と語る。
こうした反響について「視聴者の皆さんは本当に裏を読むのがすごくて、そこで議論してくれるのが面白かった」と語ると「その上で、例えば『白木は絶対仲間であってほしい』とかキャラクターに感情移入してくださっているのを見ていると、いろいろな発見がありました」と作り手として気づきも多かったという。
4月15日に行われた「第2話最速試写会スペシャル舞台あいさつ」で、北村匠海はキャラクターの名前に“色”が入っていることを指摘し「戦隊モノ」というヒントを述べていたが、改めて名前に入っている色について、飯田氏は「明墨は分かりやすく白黒の曖昧な感じで“墨”。赤峰はやっぱりエネルギー、熱量のある人としての“赤”。(堀田真由演じる)紫ノ宮は、よりそこから冷静さを足したような感じだけれど、内にはみなぎる思いがあるという意味で“紫”。そしてこの3人の色を掛け合わせると、ドラマのテーマカラー(至極色)になるというのは設定としてありました」と語る。
○白木の“白”、青山の“青”、桃瀬の“桃”の意味も明かす
さらに白木については「いろいろと含んでいそうですが、実は一番まっすぐな思いを持っているキャラクター。設定だと、すごくお嬢様だけれど、自分は型にはまらないというか反発してキャバクラに努めて、そこを辞めて事務所に……ということが企画書には書かれているんです。大島さんもそれを知っているのですが、一番純粋という面もあり“白”」と解説。
青山については「僕もまだつかみかねているのですが」と笑うと「青といってもスカイブルーから藍色に近いものまでいろいろある。いろいろな見方によって変わる……という意味合いがあります」と述べ、緑川については「緑ってナチュラルな感じ。どこにいても調和されるというか、一体化していくようなキャラクター。そんな意味合いが“緑”なのかなと」と説明する。
さらに、明墨、緑川を繋ぐ吹石一恵演じる桃瀬礼子については「このドラマのなかにおける愛の象徴。このドラマの軸となる人物で、そこから連想して“桃”という色になりました」と語っていた。
●緋山と明墨のシーンで“このドラマで言いたかったこと”を表現
また飯田氏は、北村匠海扮する弁護士・赤峰柊斗がラストで明墨と対峙するシーンについて「企画書の段階で、あのラストは決めていました」と述べると「赤峰が最終的にアンチヒーローを引き継ぐという意味合いではないのですが、ドラマを通して赤峰の中での正義の形がどんどん変わっていくところは表現したかった。実はあのシーンの照明は、LD(Lighting Director)の鈴木さんのこだわりで、第1話の冒頭で明墨がしゃべっているシーンと同じものにしているんです」と意図を明かす。
物語の一つのテーマであるという赤峰の変化。「どんどん赤峰が明墨に似てきた」という声も聞かれた。飯田氏は「正直脚本を作っている段階で、北村くんがこうやって演じることは想像できなかったんです。北村匠海さんが、赤峰をどう作っていくか、ということを、全話の脚本から逆算して構築してくれて。脚本上の何十倍にもなっている。見事でした」と脱帽。
特に、岩田剛典演じる緋山啓太が殺人を犯した証拠になる作業着を明墨が隠すように指示したことを突き止めたあとに明墨と対峙するシーンの北村の芝居に「あの辺りから赤峰に同化していくような感じがして、だんだん怖さも覚えるようになっていったんです。ゾクゾクしました」と印象に残るシーンを挙げていた。
飯田氏が最終回で一番印象に残っているシーンが、岩田演じる緋山と明墨が最後に対峙したシーンだという。
「1話の冒頭で明墨が言った『殺人犯として生きることはどういうことだと思いますか』という部分にリンクしているシーン。このドラマで言いたかったことなんです。一度レッテルを貼られてしまったら、ずっとその印象がぬぐえない。それはこの世の中の現実なんですよね。そういったシビアな現実を表現した上で、明墨にそれに対するアンサーをさせたかった」。
もう一つ、飯田氏は志水が娘である紗耶(近藤華)と対面する感動のシーンについて「緒形さんが、8〜9キロ痩せて役に臨んでくださったんです。すごくブカブカのスーツ姿だと感じると思いますが、12年間を見事に表現してくれました。本当に敬意しかありません」と裏話を披露すると「作品を通して、志水と紗耶、(藤木直人演じる)倉田と紫ノ宮、伊達原と娘という関係性が描かれています。自分が窮地に陥ったとき、それを娘に言えるのか。自分自身にとって何が大切か、その辺の感覚や感情に注目してほしいです」と最終話のキーになる部分を述べた。
○続編は?「もしあるのであればやりたいね……みたいな雰囲気は」
物語は、糸井一家殺人事件が解明されずに終わり、真犯人についても触れていない。飯田プロデューサーは「真犯人について、我々のなかでは設定を作っていて、それを物語で描くかどうかは議論になっていたのですが、それを描く必要のあるドラマかどうかを考えたとき、そこが論点のドラマではないなという判断で描かなかったんです」と説明。
その意味で、飯田氏は「まだのうのうと犯人が生きているだろうなという想像ができますよね」と余白の残すラストになっていることを述べ、続編については「キャストの皆さんも、とてもいいカンパニーだったなという印象を持ってくださっているみたいで、現場の最後の方では、例えば佳乃さんが『私ラブ路線ないのかしら』なんてことを話していましたし、妄想的な話では、もしあるのであればやりたいね……みたいな雰囲気はありました。まあ今のところまだ全くそういう予定はないですし、僕らが議論する段階でもないですね」と語っていた。
(C)TBS

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