ドラマ「ブラックリスト」シーズン8、裏話大放出 ─ プロデューサーのロングインタビュー全文

6月18日(金)19時29分 THE RIVER

ブラックリスト

ジェームズ・スペイダー主演のアクション・サスペンス超大作シリーズブラックリスト」シーズン8が、海外ドラマ専門チャンネル『スーパー!ドラマTV #海外ドラマ☆エンタメ』にて待望の日本初放送開始となっている。

「ブラックリスト」は2013年秋、全米ネットワークNBCにて放送スタートし、新作ドラマ“ナンバーワン”の視聴率を獲得。エミー賞スタントコーディネート部門を受賞したハードなアクションと緊迫した心理戦を織り込み、若者だけでなく大人の心をもつかむ本格派の超大型アクション・サスペンスでNBCの看板番組として人気を博しており、すでにシーズン9の製作も決定している大人気シリーズだ。

THE RIVERでは、この長寿ドラマの仕掛け人であるプロデューサーのジョン・アイゼンドレイスへのオフィシャルインタビュー全文テキストを入手。ドラマの裏側や細かな情報まで、たっぷり語られている。「ブラックリスト」シーズン8と共に、じっくりお楽しみあれ。

ドラマ「ブラックリスト」シーズン7までの物語に触れている部分があります。

ブラックリスト(c) 2020, 2021 Sony Pictures Television, Inc. and Open 4 Business Productions LLC. All Rights Reserved.

「ブラックリスト」プロデューサージョン・アイゼンドレイスに聞く 物語誕生の裏側

──「ブラックリスト」シーズン1の第1話で、国際的な最重要指名手配犯がFBIに自首(投降)するという、衝撃的なシーンに視聴者たちが一気に引き込まれました。 この物語はどのように誕生したのでしょうか?

決して、見覚えのないストーリーではなかったと思います。若者と仕事を強いられるベテラン犯罪者の物語といえば、似たようなものが他にもありました。例えば『羊たちの沈黙』のFBIエージェントなんかがそうですね。このドラマが始まった頃は、ジェームズ・"ホワイティ"・バルジャー(※元マフィアの首領で2011年逮捕、2018年獄中死。映画『ブラック・スキャンダル』ではジョニー・デップが演じた)が捕まったころでした。彼も犯罪組織のボスであり、結果としてFBIへの情報提供者となっています。「ブラックリスト」のアイデアが生まれた時も、こういったタイプの物語は確かによくあるものでした。しかし、物語とは、得てして他の物語からアイデアを拝借して生まれるものです。本作も、バルジャーの実話や『羊たちの沈黙』のような先行するストーリーを参考にしているかもしれませんが、それは新しい物語を作り出す上での背景や起点にすぎません。

「ブラックリスト」は、こういった“お馴染みの設定なのに斬新”というストーリーがなければ、ここまで成功しなかったと思います。自首をして、若手FBIエージェントのエリザベス・キーンとの仕事を選んだ犯罪王という分かりやすい物語が受け入れられて、それが視聴者獲得につながったのだと思います。

それから、ジェームズ・スペイダーの演じ方や、彼の役の描かれ方が、このドラマを唯一無二なものにしています。彼ならではのアプローチでキャラクターを作っている。例を2つ挙げますと、まずは彼の活気あるユーモアですね。そのおかげでキャラクターに親しみやすさが生まれ、観客も彼を受け入れやすくなり、物語が楽しまれるようになっていると思います。

一方で、序盤で彼はエリザベス・キーンに彼女の傷跡や家族、母親について色々尋ねていましたが、そういった妙な、ちょっと面倒くさい興味を彼女に持つところもある。つまり、ストーリーの取っつきやすさと、彼のキャラクターへの取っつきにくさ。これが初期の頃の魅力になっていたと思います。

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──シーズン1でレディントンがエリザベスに「犯罪者のように考えろ」と教えていました。シーズン8では、エリザベスがブラックリスターとなります。つまり、あのレディントンのセリフは、伏線だったのでしょうか?

そうです。最初の段階から、どういう展開にするかは決めていました。これはテレビシリーズでは珍しいことで、第1話では、たくさんの謎を提示するのが良しとされているんです。脚本家たちもその謎の答えについてはあまり知らない。だからこそ執筆が楽しいんですけどね。テレビシリーズって、視聴者と一緒に物語を明らかにしていくようなところがあるんですよ。でも「ブラックリスト」の場合、一緒にやっているジョン・ボーケンキャンプ(製作総指揮)も私も、レディントンとエリザベスの関係がどうなるか、初めから決めていました。

一方で、レディントンがエリザベスに「犯罪者のように考えろ」と言う。彼は彼女にとってどういう存在なのか?どういう関係なのか?と気になりますよね。やがてふたりがリンクして、何年もかけて、ふたりの物語を解明していく。その中で、エリザベスはずっと、もしも自分が本当に犯罪者になってしまったら、と考えています。彼女の母親もスパイで、ロシアの悪名高いシークレット・エージェントであることも判明しますよね。エリザベスは、レイモンド・レディントンが自分にとってどういう存在なのかに気づいておらず、ずっと気になっています。自分は何者なのか?自分の運命とは?母親のような人間になってしまう宿命なのだろうか?そういう考えが、ずっと彼女の中に、そしておそらくすべての人の中にあるのでしょう。そこに自由意志はあるのか?それとも両親によって運命は決定づけられているのか?とね。とても共感できるところだと思います。

彼女が、次第に犯罪者のような行動を取るようになっていく現実と戦う物語は、はじめから決まっていました。そういえば、最初のエピソードでも、彼女がペンを取ってレイモンドの首に突き刺すという、過激な行動を取っていましたよね。若くて繊細な、新米FBIエージェントという面を見せながらも、そういった傾向が年々大きくなっていくんです。

──「ブラックリスト」のストーリーの結末は最初から決めた通りに進んでいるのですか?それとも進めながら変更しているのですか?

とても良い質問です。レイモンド・レディントンとエリザベス・キーンの関係の真相は、初めからずっと決めています。これは一度も変更されていません。「ブラックリスト」が完結したら、過去のエピソードを見返してみてください。なぜこういう描かれ方をしたのか、もっと理解できるようになると思います。中には、理解が追いつかなかったり、困惑されたものもあるでしょう。でも、それも初めから決めていた通りなんです。

もちろん、新シーズン更新が決まって、エピソード数が増えたことから、物語の伝え方を調整することはあります。でも、ストーリーの根幹はずっと変えていません。

──エリザベスとレスラーの現在の関係は、トム・キーンがいた当初の頃から思い描いていた通りなのですか?

これについてはずっと話し合ってきました。レスラーはもともとエリザベス・キーンを疑っているキャラクターでした。でも、時が経てば彼女の状況も理解してくれるだろうと思っていました。とりわけトム・キーンが死亡してライアン・エッゴールドが離脱してから、そんな話をしていましたね。

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私たちは、個人の関係についてのストーリーテリングをあまり行ってきませんでした。もしかしたら、もっとするべきだったのかもしれません。これまではレディントンとエリザベスの関係に集中してきましたからね。だから、エリザベスとレディントンや、エリザベスとトムの関係で、ストーリーの大部分が埋まっていました。でも、レスラーとエリザベスは多くを共に乗り越えてきましたし、強い絆で結ばれるのは必然だと、いつも考えていました。レスラーは誰よりもエリザベスを疑っていたのに、最終的に彼女にとって最大の守護者になっているというのが面白いと思います。今、エリザベスを護ってくれる人はどんどん少なくなっていますからね。なので、エリザベスとレスラーが今のような関係になるだろうとは思っていました。ただ、どのシーズンのどの瞬間に持ってくるかを見極めるのが難しかったです。

シーズン7、驚きのアニメ化の裏側

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──シーズン7の終わり方についてなのですが、コミックやアニメファンとしても素晴らしかったと思います。キャストのメッセージもよかったです。コミック調の吹き出しの演出や、アニメのエリザベスの最初のセリフ「I'll be transformed(日本語訳:「私は変わる」)」など、あのアイデアはどう生まれたのですか?

あのエピソードは2020年3月に撮影する予定になっていました。半分まで撮影が済んでいたのですが、そこでパンデミックになって中断してしまいました。みなさんと同じように、どうやってこのシーズンを完結させようかと検討しました。その時点では第19話で、本来全部で22話あり、エンディングに向けた最後の3話分の脚本も書き上がっている状態だったんです。撮影が完了していたのは18話まででしたが、残念ながらシーズンを終えられる内容ではありませんでした。これではシーズンが終えられない、という状況だったんです。そして、(第19話は)半分まで撮影が終わっていて、少し調整すれば良い終わりになりそうでした。さて、どうやってこのエピソードを完成すればいいか—。

私がいつも思っていたことなんですが、このドラマはグラフィック・ノベルのようなところがあります。別世界の話ですし、登場する犯罪者たちもグラフィック・ノベルに出てきそうですよね。なので、アニメにするというのはそこまで突拍子もないアイデアだったわけでもないんです。どうすれば、空いた穴を埋められるかと考えたときに、運がいいことに私の義兄がいろいろなアクション大作でプリビズ(CG映像によるイメージ設計)を制作する会社をやっていたんです。なんと、スケジュールと予算内で、どう仕上げればいいかが分かりますよ、と。私はアニメーションについては専門外だったので、アニメ化なんて相当時間がかかるんじゃないかと思っていました。本当に間に合うんだろうかと。でも、こういうタイプのアニメ制作なら彼も慣れっこで、彼の会社でも実績があったので、素早く仕上げてくれました。おかげで、物語の続きを進められたというわけです。みなさんに気に入っていただけるものが出来て、本当に嬉しく思います。

クリエイティブ上で最も難しかったところは、アニメと実写が交じったシーンをどうつなげるかということでした。エリザベス・キーンがアニメ世界に登場したシーンを書き直して、彼女の感情的な変化を繋げようとしました。レディントンや祖父についての知らせを聞いての一変が、実写からアニメへの切り替わりと重なるんです。視覚的な変化も出したかったので、とてもうまくいったと思います。時間や予算、制作スケジュールの制約もあって、アニメなんてやったこともなかったことを考えると、素晴らしい成功でした。

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制作はすべてリモートで行われたのですが、役者たちも雑音が入らないようにクローゼットに籠もってセリフを読んでいるんですよ。ひとりで演技をするわけですから、リアクションも取れない。それでも、素晴らしい仕事をしてくれたと思います。やり直しや追加をお願いしたことはほとんどありませんでした。それぞれ別の環境で作業しながらも、とてもスムーズにできたと思います。(録音用の)マイクを送って、アプリからアップロードしてもらいました。パンデミックのさなか、それぞれの自宅から作ったんです。エディターも自宅で編集作業でした。想像していたより、ずっとうまく事が運んだと思います。個人的には、もっとアニメのエピソードをやりたいくらいですよ!

──「ブラックリスト」はあなたのキャリアの中でも最も長く続いた作品の一つになりました。本作について、これまでで最も満足していることはなんですか?

こんなに成功したシリーズで仕事ができて、私はとてもラッキーだと思います。とんでもない才能の脚本家や役者たちとも一緒に仕事をすることができました。私は「ブラックリスト」に携わるすべてのキャストのファン。当然ですが、ジェームズ・スペイダーのような素晴らしい役者とご一緒できるのは、当初からずっと歓びでした。これは忘れられないんですが、パイロット版で監督がスペイダーに、彼がエリザベス・キーンと初めて会って話すところを、ゆっくり話すように演出されていたことがあります。自分にまつわるすべては嘘で、自分は犯罪者で、自分の言うことは信じるな、というところですね。シリアスな場面でしたが、そこから自虐的で気のいい面を見せて、かと思えばまたシリアスに戻る。これを一瞬でやるんですよね。カメラにも3〜4分は抜かれていたと思います。これを見て、彼はすごい役者だと実感しました。こりゃあ賞も取るだろうし、賞賛もされるはずだと。それくらい驚異的でした。

それから、脚本家たちとの仕事も、実にやりがいがありました。特にジョン・ボーケンキャンプですね。ネブラスカ出身の彼とは、このドラマで初めて出会いました。今まで誰かと一緒に書くということはなかったので、素晴らしい経験になりました。彼や他の脚本家たちとずっと仕事ができたことは、個人的にもとても刺激を受けました。ドラマシリーズで脚本を書くのは、これだから好きなんです。映画で執筆したことはありませんが、部屋で1人きりで書いているイメージがあります。でもドラマでは他の脚本家たちと毎日一緒に過ごすんですね。一緒に座って、ストーリーのアイデアをあれこれ話し合う。私が「ブラックリスト」でご一緒したような才能ある脚本家たちと一緒にいられたことは、何よりの歓びです。

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──エリザベス・キーン役のメーガン・ブーンは、このドラマ以前には「LAW & ORDER:LA」に出ていて、「ブラックリスト」が始まった頃は新進気鋭の俳優でした。彼女をキャスティングした理由はなんですか?

まさにその通りで、パイロット版に向けてキャスティングをしていた頃、一番最初にキャスティングが決まったのが彼女でした。ジェームズ・スペイダーの起用よりずっと前のことでした。彼女がセリフ読みに現れたときのことは、昨日のことのように覚えています。エリザベス・キーンは当時、若くて理想主義者で、注目の若手女優だったメーガンと重なるところもありました。一方で、「犯罪者のように考えろ」というセリフもあったように、彼女はこのキャラクターと共にダークな道を進むことになるということは、オーディションの時から我々は分かっていたわけです。彼女なら、若さやフレッシュさ、無垢なところもありながら、ダークな部分を引き出す能力も持っていると、私は最初から強いフィーリングがありました。ダークな演技は今後求められると思っていましたし、パイロット版でも必要なものでしたから。ペンをジェームズの首に刺すシーンのようにね。オーディションに参加した他の候補者たちの中でも、彼女は群を抜いていました。若さやフレッシュさを出せる方はたくさんいましたが、ダークさも持ち合わせていたのは彼女くらいだったんです。

「ブラックリスト」ここまで続くとは思わなかった?

──「ブラックリスト」がスタートしてからもう8年が経ちます。開始時の2013年と、2021年の現在とで、書き方や製作の方向性に変化を感じることはありましたか?

テレビドラマの世界で、8年は長寿の域に入ります。特に、毎年22話もやっていますからね。(しみじみと)うん、長いですね。

変わったことはあります。大きな違いとしては、どうすれば良いストーリーが出来るか、ということがずいぶん分かるようになったということ。ドラマの立ち上がり当初というものは大抵そうなんですけど、「ブラックリスト」が始まったころも、こういうタイプの物語はこのドラマに合うだろうか、合わないだろうかと探っていました。今も物語の構造の実験を続けているところです。

最初の3年間は、どういうストーリーにするかを決めるだけで、最低でも2〜3週はかかっていました。日にして10〜15日です。アイデア出しから始めて、よし、これで書いてみよう、という流れです。でも今では、それが5日くらいで済むようになりました。作品への理解が深まっていますし、できること/できないことへの理解も深まりました。初めの頃は、ひとつのストーリーが終わって次のストーリーを考えなくちゃいけないときに、「もうダメだ、もう思いつかない」という感じでした。でもやっていくうちに、どう作ればよいかが、ずいぶん分かるようになりました。これが大きな変化ですね。今でも新しいエピソードの製作は怖いですし、難しいことに変わりはありませんが、ストーリーの効果的な伝え方が分かるようになったというのは、ドラマの舞台裏の大きな変化です。

──「ブラックリスト」はシーズン9まで続く、大人気シリーズです。この作品を企画された当初、こんなに長く続くと思っていましたか?どのくらいで完結する予定でしたか?

もちろん作品の成功は常に願っています。「ブラックリスト」はパイロット版の手応えもありましたし、これは成功するぞとは思っていました。でも、こんなに長く続くとは想像していませんでした。お話したように、レディントンの秘密の真相は初めから決まっていました。その真相はシーズン2で明かしてしまうつもりだったんですが、それをソニーさんに話したら、「そんなに早くに明かしちゃだめです。シーズン5まで待ってみましょう」と言われて。我々も「シーズン…5…?そんなに続かないでしょう……」と思ったものでした。こんなに続くなんて、考えもしなかったですよ。ここまで続くドラマもなかなかないと思いますしね。

──これまでに手がけられた「新ビバリーヒルズ青春白書」や「エイリアス」、「フェリシティの青春」といった成功作は「ブラックリスト」の製作にどう影響しましたか?

それについてはエピソードがあります。私が「エイリアス」の仕事をしていたころですが、あのドラマは毎エピソード、要素がギッシリだったんです。アクションもドラマも盛りだくさんで、脚本に色々詰め込みすぎたものでした。だから、時間内に収めるためにカットもしなくちゃいけなくてね。とあるエピソードで、(製作・脚本の)J・J・エイブラムスに、「このエピソードのこのシーンはカットできると思います。そうしたら時間内に収まる」という話をしたら、彼は「そのシーンは僕が唯一好きなシーンなのに」というんです。私は「どういうことですか、唯一好きなシーンだなんて。カットできるはずですよ。ストーリーに影響も出ないでしょう」と反論しました。すると彼は、「ストーリーには関係のないシーンだけど、キャラクター性がよく表れるシーンなんです。犯人は誰なのかとか、誰が事件を解決するのか、ということには確かに繋がらない。でも、キャラクターのことをとても伝えてくれているシーンなんです」と。そこで私もハっとしました。大切なのは、感情のストーリーであり、それはプロット上のストーリーよりも重要なのだと。

「ブラックリスト」には素晴らしい犯罪者がたくさん登場して、彼らについて書くのはとても楽しいです。それでも、成功するキャラクターとは、力強い感情のストーリーがあってこそなのです。だからこそ、なぜこの人物はこういう人物なのかが分かる。それがレギュラーキャラクターを描く上で大切なことです。たとえば、すべてFBIのシーンだけにして、「こういう手がかりがある、つまりああいう手がかりが判明する」という風に、謎解きのシーンだけをただ繋げることは簡単です。でも、ひとつのシーンをひとつの手がかりに紐付けて、また別の手がかりにつなげる、なんてシーンは作りません。こういう学びを、長い時間かけて得ました。もっと早くに学んでおくべきだったとも思います。見過ごされがちな気がしますが、これが最も大切なことだと思います。大切なのは、感情のストーリーだということです。

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──シーズン5の第8話、トム・キーンが死ぬシーンで、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」のディスターブド(Disturbed、アメリカのヘヴィメタルバンド)版が流れていて、とてもエモーショナルでした。エピソードやシーンのBGMはどうやって決めているんですか?

正直、その一曲を挙げて頂いたのは面白いですね。私は音楽のことは全然詳しくないんですが、その曲は過去5年で唯一私が選んだ曲だったんです。たいていの場合、誰かがエピソードを執筆して、その時点で音楽についても部分的に考えられているんです。ここにはこういう曲が合うだろう、という風に。

今回の例ですと、私がその場面を書いているときに、── 私は年ですし、レパートリーも多くないので ── サイモン&ガーファンクルのオリジナル版の方の曲を考えていたんです。そうしたら、激しいアレンジのカバー版を発見して。あのシーンではセリフがほとんどないので、文字通り「サイレンス」だし、「サウンド」もあるし、ピッタリな曲だなと思ったんです。挿入歌は、こんな風に決まるんですよ。脚本家が選んだ曲が(権利の都合で)使用できなかったり、使用料が高額すぎることもありますけどね。それに我々には素晴らしいミュージック・スーパーバイザーがついていて、楽曲の提案をしてくれるんです。ふだん、音楽は撮影と編集が済んでから挿入されます。脚本家が想定していた楽曲が使えない場合、どの曲を使用するかは、映像を見て後から決まるんです私なんかよりもずっと音楽に詳しい人がいて、彼らが決めてくれます。基本的に、ジョン・ボーケンキャンプがミュージック・スーパーバイザーと一緒に選んでいますね。それから音楽エディターも、このドラマを何年も手掛けているので、どういう曲がハマるかが分かる。なので、彼らが選曲しています。ところで、「サウンド・オブ・サイレンス」を挙げてもらったのは嬉しいですね!唯一、私が選曲したものなので、選んでよかったです!

ブラックリスターたちのリストナンバーの疑問

──「ブラックリスト」に出てくる個性あふれる犯罪者”ブラックリスター”たちも見どころの一つだと思います。印象深い犯罪者のリストナンバーが下位だったり、予想外のリストナンバーだったりと視聴者は驚かされることが多いです。犯罪者たちにつけるリストのナンバリングはどのように決められているのでしょうか?

とても良い質問ですね。最初は、エピソードごとに順番にナンバリングをつけていこうかとも考えたんですが、キャラクターごとの重要性を反映させようということになりました。彼らの悪さを公平にナンバリングしようと努めていますが、ナンバーもずいぶん埋まってきましてね。たとえばシーズン6では、これまでの奴よりも悪い悪党が登場したのに、もう他のナンバーが取られてしまっていたので、下げざるをえませんでした。そういう意味では、ランダムですね。トップ5は例外です。上位数名のナンバリングには、とても注意しています。私がシーズン8を観た限り、今回はブラックリストのナンバーワンが登場するのではないでしょうか。

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──ドラマとは関係のない質問になってしまいますが……、このドラマのプロデューサーには「ジョン」と名がつく方がたくさんいらっしゃいますけれど、どう呼び合っているんでしょう?(笑)

※製作総指揮:ジョン・ボーケンキャンプ、ジョン・アイゼンドレイス、ジョン・デイヴィス、ジョン・フォックス

面白いですね。ジョン・デイヴィスやジョン・フォックスがいますが、彼らは日常的に(製作現場に)いらっしゃるわけではないので、そこまで混乱しません。でもジョン・ボーケンキャンプと私には、皆さん混乱されています。インタビューを受けるときも、Zoomや電話で実施するときは、発言の後に「ジョン・アイゼンドレイスでした」とか「ジョン・ボーケンキャンプがお答えしました」と言わなくてはいけません。だんだん、現場では「JB」「JE」と呼び分けられるようになりました。今どき、子どもにジョンと名付ける親もアメリカではいなくなっていて、私の子どもの友達にも、ジョンという名前はありません。でも昔はポピュラーな名前だったようですね。

──日本では「ブラックリスト シーズン8」の放送がいよいよスタートしました。楽しみに待っている日本の視聴者に見どころを教えて下さい。

通常、大きな展開があれば、シーズンの終わりまでには完結しているものですよね。だから新シーズンは新しいことを始められる。しかし、シーズン7はパンデミックによって終了していたので、シーズン8の最初の3話は、かなり大きな始まり方になっています。なぜなら、これはもともとシーズン7のラストでやるはずだったものだったからです。シーズン8はロケットスタートで始まりますよ。それで第2話の前半までに大きなことが起こって、3話から4話にかけて、エリザベスとレディントンが描かれていきます。シーズン7の最後のアニメパートで、エリザベスが屋上に立って「私は母の味方をするつもりだし、何が何でも知りたいことを見つける」と言うシーンがありましたよね。そこからシーズン8に突入して、エリザベスはレディントンではなく母親カタリーナの側につきます。2〜4話のうちに、これがエリザベスとレディントンの間の最大の問題として立ちふさがることになります。想像もできないほど大きな障害となります。

その後、シーズン8では、レディントンとエリザベスが対立するようになるのですが、一体どうなるんでしょう?どちらが勝つのか?それともどこかで一緒になるのか?レディントンとエリザベスが決別しており、危機的な関係性に陥っているという、これまでにないシーズンとなります。視聴者のみなさんも、第2話をご覧になれば、そのことにすぐ気づくと思います。

ジョン・アイゼンドレイス

ブラックリスト

「ブラックリスト」シーズン1〜現在まですべてのシーズンに関わる製作総指揮。シカゴ出身で、ブラウン大学及びコロンビア大学でジャーナリズムの大学院を卒業。ジャーナリストとしてキャリアをスタートし、「新ビバリーヒルズ青春白書」「フェリシティの青春」「エイリアス」など数多くのTVシリーズで製作総指揮を務める。「ブラックリスト」のスピンオフ作品「ブラックリスト リデンプション」にも製作総指揮及びクリエーターとして参加。4人の子供の父親で、現在ロサンゼルス在住。


「ブラックリスト シーズン8」は『スーパー!ドラマTV #海外ドラマ☆エンタメ』にて独占日本初放送中。
【二カ国語版】毎週火曜 22:00 ほか 【字幕版】毎週火曜 24:00 ほか

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