水川あさみ「一人の女優としての『反抗』ができたかな」

6月19日(火)11時0分 文春オンライン

「私がこれまでチャレンジしたことのなかった世界に真っ向から“挑んだ”作品です」


 官能描写の激しさから、長らくドラマ化は困難とされてきた村山由佳さんの『ダブル・ファンタジー』が、水川あさみさん主演でWOWOWで放送される。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞、と文学賞三冠達成の原作はいま読んでも衝撃的だ。



水川あさみさん


 悩み、傷つきながらも夫以外の男性たちと関係を持ち、自らの生きる道を懸命に模索する主人公・高遠奈津(たかとおなつ)を、水川さんは体当たりで演じている。


「セクシャルなシーンを演じたことはありますが、本作はとびきり官能描写が激しくて、お話を頂いた時には果たして私で務まるのかと不安でした。でも反面、こんなチャンスはない! とも思いましたね」


 原作に惚れこんだ御法川(みのりかわ)修監督からは「女性らしい女性、“女性の神話”を撮りたい」と細かな指示があったという。


「監督の思い描く奈津よりさらにいいものを、という気持があったので、現場で歩み寄りながら作り上げていった感じです。奈津は一筋縄ではいかない女なので(笑)、大変でした。自分の気持に嘘がつけない、素直でありたい。だからこそ自身も苦しむ。その真っすぐな姿に打たれます」


 原作文庫の上巻オビはクールビューティなアップ写真、下巻のオビは一転、ヌーディかつセクシー。男性ファンは書店で「ジャケ買い」では?


「どうなんでしょう? もしそうなら嬉しいですね」



妙な規制に対する“挑戦”


 実は原作を読んだのは作品を撮り終えてからだったとか。


「今回は監督から『台本を信じて演(や)ってみてほしい』と言われたので、あえて読まずに臨んで撮影後に一気読みでした。自分が演じたシーンを先生の濃密な描写で改めて読んだら、深い達成感がありましたね。『私はこんな凄い女性を演じた!』と叫びたくなって(笑)」



「挑んだ」という冒頭の言葉には、昨今の映像表現に対する挑戦の意味もある。


「今の世の中、なんだか息苦しい閉塞感があって、自由に表現していいはずの映像の世界でさえ、妙な規制がある。性愛のシーンはもちろん、細かいことから大きなことまで表現の幅が狭められていて疑問符だらけ。『面白いと思えること』がどんどん排除されて、無難に事が運びさえすればいい、という時代はとても怖いと思う。こういう“攻めた”作品に参加させて頂いて一人の女優としての『反抗』ができたかな、という気持もあります。自分が信ずる事に関しては譲らない、という信念を持っていたい。奈津もそう思って生きてゆく女性なのだと思います」


 続編として好評を博した本誌連載小説『ミルク・アンド・ハニー』も、文藝春秋より刊行された。奈津はさらに深い人生の道を歩んでゆく。



みずかわあさみ/1983年、大阪府出身。最近の主な出演作品は『我が家の問題』(2018年NHK BS)の主演、映画『後妻業の女』(16年)など。7月20日22時スタートのドラマ『透明なゆりかご』(NHK総合)、Huluで配信中の『ミス・シャーロック』第1話に出演。




INFORMATION


「連続ドラマW ダブル・ファンタジー」

WOWOWにて6/16(土)からスタート。

全5話、第1話無料放送。毎週土曜夜10時放送。

http://www.wowow.co.jp/dramaw/wf/

原作は68万部突破のベストセラー。







(「週刊文春」編集部)

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