【インタビュー】ユアン・マクレガー&ヘイデン・クリステンセン「心が折れたオビ=ワン」が物語を興味深いものに

2022年6月21日(火)17時30分 シネマカフェ

ヘイデン・クリステンセン&ユアン・マクレガー

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『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で傷つき、打ちひしがれたオビ=ワン・ケノービは、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に至るまでどんな道のりを歩んだのか。その問いに答える「オビ=ワン・ケノービ」で、ユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンは再び共演を果たした。もちろん、オビ=ワンとアナキン・スカイウォーカーとして。ただし、師弟だった2人の関係はすでに崩れ去り、アナキンはダース・ベイダーと化しているのだが。

時間の経過を感じさせない撮影

ヘイデン:『エピソード3』の最後の戦いは悲劇的なものだった。彼らの歴史を理解し、兄弟のような愛を知る観客たちは、死闘を繰り広げる姿に打ちのめされたよね。このドラマのダース・ベイダーはオビ=ワンに対する恨みに飲み込まれていて、ジェダイに惑わされ、裏切られたと感じている。と同時に、深い恨みの根底には、相手に対する大きな想いが残っているとも思うけど。仲違いをした兄弟のようなものかな。

ユアン:昨晩、『クローン・ウォーズ』を見始めたのだけど、ヨーダとドゥークー伯爵の関係にも近いよね?

ヘイデン:確かに!

ユアン:師弟でありながら戦うことで、いろいろな感情がチリチリと焼けるように交錯し…。オビ=ワンはアナキンを諦められないのだと思う。善の心があると知る限り、相手がらしくない状況に堕ち、別人になったとしても、以前の姿を切り離せないのが人というものだから。オビ=ワンはアナキンを愛しているし、『エピソード3』のクライマックスで自分が彼を殺してしまったと思っている。アナキンをダークサイドに失った責任だけでなく、その命を奪った自責の念を抱えて生きてきたんだ。そんな彼がアナキンの生存を知ったのだから、様々な感情が渦巻いたことだろうね。アナキンを取り戻せるかもしれない、救えるかもしれない。そんな希望を感じているのだと思う。

「オビ=ワン・ケノービ」の第3話では、オビ=ワンとダース・ベイダーが直接対決。最終話直前の第5話では、オビ=ワンとアナキンがライトセーバーを交える回想も見られた。

ヘイデン:オビ=ワンとダース・ベイダー…アナキンでもベイダーでも、好きな呼び方でいいけど(笑)。彼らの対決は僕にとって間違いなくハイライトの1つだった。ライトセーバーでの戦いはどれも最高に楽しかったよ。『エピソード2』の撮影時、ユアンと僕はかなり一緒にトレーニングをしたけど、オビ=ワンとアナキンが戦うことはなかった。それが『エピソード3』で対決し…。本当に楽しい撮影で、今でもよく覚えている。そして今回、再び相まみえただけでなく、回想シーンもあり、まるでタイムトラベルしているみたいだった。何年かぶりに演じたのに、時間が全く経過していないように感じたんだ。

ユアン:ヘイデンと仕事ができること自体、本当に素晴らしいこと。新三部作を撮影した時間は、僕らにとっても特別だったから。オビ=ワンとアナキンを再び演じるのは、故郷に戻る感覚でもあるんだ。新三部作の撮影当時、僕らはジムで多くの時間を過ごし、ニック・ギラード率いるスタントチームから複雑な殺陣を教わるプロセスを楽しんだ。そんな時間を再び経験できて最高だったし、みんなが僕らの対決をどれだけ楽しみにしてくれているかも分かっていたから撮影に熱が入ったね。



ドラマの面白さの1つは「心が折れているオビ=ワン」

ちなみに、かつてのオビ=ワンとアナキンが登場する回想シーンでは、「仲間から大きな助けを借りた(笑)」「デジタル界の仲間からね(笑)」と笑い合うユアンとヘイデン。その容貌もさることながら、2人の間に流れる“空気”に視聴者は歓喜させられた。それはこのインタビュー中も同じで、ユアンとヘイデンはそれぞれ異なる場所からリモートで参加。にもかかわらず、確実に離れているはずの物理的な距離を感じさせない。纏うものが似ているのだろうか。物語や登場人物に向ける慈愛の目線も同じだ。

ユアン:オビ=ワンほどハードな目に遭ったことはないから、彼に共感するものがあるとは言えないけど(笑)。あれほど打ちのめされたこともなければ、あんな形で友人を失ったこともないし…。

ヘイデン:オビ=ワンたちが経験したレベルではないよね(笑)。自分の人生に置き換えて考えることも、やろうと思えばできるのかもしれないけど。ただ、僕個人が今回のドラマに面白さを感じた要素の1つは、心が折れているオビ=ワンを見られるところ。それにより、物語全体が興味深いものになっていると思う。登場人物たちの旅の中で、彼らのまた違った面を見られるのだから。

ユアン:僕がワクワクしたのも、まさにそこだった。僕らがよく知り、愛しているオビ=ワンを、心が折れるような状況に置くことに興味を持ったんだ。アレック・ギネスが演じたオビ=ワンや僕が演じたオビ=ワン、動じることのない賢者である彼や自信を持っていて頼りがいがあり、多かれ少なかれ窮地を救ってくれる彼の軌跡を見せることにね。

残すは、最終エピソードとなる第6話のみ。オビ=ワンに光は差すのか。ダース・ベイダーの闇はどこまで深まるのか。人の“顔”は1つではないし、“道”も1本ではない。その複雑さを理解するユアンとヘイデンだけに、“ライトサイド”にしっかりと足をつける一方、“ダークサイド”にも寛容だ。

ヘイデン:誰もが自分の中にダークサイドとライトサイドを抱えていると思う。だからこそ、『スター・ウォーズ』がここまで心に強く響くんじゃないかな。僕自身の話で言えば、父親になったことが僕をライトサイドにしっかり留めてくれている気がするけど。

ユアン:パンデミックは僕らを試し、混乱させた。未来や未来の形に対する僕らの展望も、ある意味変えてしまったしね。怖かったよ。一方、家族と一緒に隔離生活を送れたのはとても恵まれたことでもあった。妻や子供たちと一緒に過ごす中で、仕事をしないことが思ったより得意だと気づいたんだ(笑)。家族と過ごす時間をいかに愛しているかを含め、そういった気づきが、僕をライトサイドに留めてくれるものになっていると思う。

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