がんの名医が加入するがん保険の実名 選んだ理由は?

6月22日(土)16時0分 NEWSポストセブン

がんの名医が加入するがん保険は?(写真/PIXTA)

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「保険は転ばぬ先の杖」とはよく言ったものだ。しかし一口に“杖”といっても長さや値段など、数え切れないほどあるうえ、そもそも「歩けるうちは使わない」という人もいるだろう。とはいえ、もし転んでしまったら──?


 本紙・女性セブンは、手術や検診、緩和ケアなど、がんの実態を知り尽くしている名医たち13人に、それぞれが「入っているがん保険」について徹底取材。プロが選ぶ「がん保険」とはどういったものなのだろうか。ただ、13人中6人は「がん保険には加入していない」と回答したのだ。理由は、「受けるメリットがはっきりしていない」や「がん家系ではない」などに加え、1か月あたりの医療費の上限が決まっている「高額療養費制度」があるだけに、保険は必要ないといった声だ。


◆キーワードは「1日目から」


 とはいっても、「がん保険に助けられた」という医師の声もある。『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)の著書がある、あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長の青木厚さんは、こんな体験を話す。


「私自身が40才で舌がんになったのですが、その時入っていた保険に助けられた。入っていたのはアフラック『新・健康応援団がん保険』。当時、まだ大学院生の身分で、主な勤務先である大学病院からの収入はゼロ。アルバイトだけで稼ぎを得ており、生活費にも困るような状況でしたが、保険金200万円が迅速に振り込まれて、とても助かった。月々の保険料も4000円少々と手頃でした」


 星子クリニック院長の星子尚美さんも「情けは人のためならず」と保険に助けられた過去を振り返る。


「お金がない時期でしたが、保険会社勤務の知人に頼まれて、彼女を助けるつもりでがん保険に加入しました。その時はまさか自分が…と思っていたのですがそれから約7年経った2006年、乳がんになってしまった。ですが、保険のおかげで入院費や手術費などほとんどまかなえました。


 がんになると、純粋な治療費だけでなく、病院に通う交通費をはじめとするこまごまとした費用が意外と家計を圧迫するし、治療中に仕事を休まなければならないかたも多いのです。患者さんの中にも、助かるはずなのにお金がなく、治療を断念せざるを得ない人もいらっしゃる。貯金があるならいいのですが、お金がない人ほど入っておいた方がいいと感じました」


 実体験を聞くと説得力がある。とはいえ、がん保険にもいろいろな商品があるわけだが、医師たちはどういった観点で選んでいるのか。


 ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長で乳腺専門医の島田菜穂子さんはこんなアドバイスをする。


「アフラックの『生きるためのがん保険Days1レディースプラン』と損保ジャパンの『勇気のお守り』に入っていますが、選んだポイントは入院1日目から保険金が出ること。乳がんや子宮頸がんは治療日数が短く、3〜10日程度で退院できます。しかし保険の種類によってはある程度長期入院しないと対象外になってしまうものも多く、結局お金が出ないまま終わるパターンもある。ほかにも、抗がん剤治療で必要となる医療用ウイッグの購入や、入院中の収入補償をカバーしているかもチェックしてほしい」


◆考慮しなくてはいけないことは多数ある


 がんの「ステージ」にも注目するべきと言うのは、みやびクリニック院長の矢加部文さん。


「アフラックの医療保険に、がん特約を付け加えた『ちゃんと応える医療保険EVER』に加入しています。これは入院1日目から給付金が下りるタイプ。ただし非浸潤がんといって、ごく初期のがんは適用されないんです。本当は、そこもカバーしている保険が理想です。同様のがん保険は多いので、そこはよく約款を見て確認してほしいですね」


 矢加部さんががん特約を付けたのは2年前。入ろうと思ったきっかけは身内のがんだった。


「母が肺がんになったのですが、その時手術やその後の通院費に非常にお金がかかることがわかりました。私がちょうど40代になる手前で、掛け金が高くなる前に、自分も入っておこうと思ったのです。がんは気をつけていても誰でもかかる、非常にありふれた病気。医師の立場としてはもちろん、がん患者の家族としても“保険貧乏”にならない範囲で、お守り代わりに入っておいた方がいいと思いますね」


 加入する年代によって、掛け金は大きく変わる。特にがん保険は、かかりやすい年代になると高額になりやすい。


 マスミューチュアル生命(現・ニッセイ・ウェルス生命)の「終身がん保険」に入っているという東邦大学医療センター大橋病院の婦人科医・高橋怜奈さんは「入るなら早い方がいい」と語気を強める。


「私は両親が契約してくれたものを引き継いでいるので、全部のがんに対応する保険に加入していますが、診療していると早いうちに女性特有のがん保険だけでも入っておいた方がいいと感じることが多いのです。例えば『子宮頸部異形成』という子宮頸がんの前がん病変、つまり前段階の状態は性交渉の経験がある人なら誰にでも可能性がある病気です。しかし、一度でも罹患すると、その後しばらくは保険に入るのが難しくなるのです」


 プルデンシャル生命の「解約返戻金抑制型入院保険II型」に入っているという国立相模原病院の内科・リウマチ科医、児玉華子さんも同意見だ。


「やはり若くても罹患する人の多い婦人科系のがんが気になって加入しています。お金があれば、治療の選択肢は確実に広がります。ぜひリスク回避のために保険を活用してほしいと思います」


 高額療養費制度があるとはいえ、毎月少なくとも5万〜8万円以上の出費にはなってしまう。やはり備えあれば憂いなしということだろう。


 さらに、メンタル面での安心から加入をすすめる声もある。天神レディースクリニック院長の森智恵子さんが言う。


「私感ですが“保険に入って備えている人ほど、健康を保っている”というジンクスみたいなものがあるように思います。私もアフラックの『ちゃんと応える医療保険EVER』とプルデンシャル生命の『医療保険15年』に入っていて、“病気さん、いつでもかかって来て。来たら保険でゆっくり休んでモトをとってやる”と思っています(笑い)。子供もいて家族の大黒柱でもあるから、もし何かあったとしても『大丈夫』といえる状況にしておきたいんです。


 海外の保険会社の商品は、日本の生保よりも加入時の審査が簡便なことが多いので、時間がない人にもおすすめです」


 たしかに「病気になったらどうしよう」とビクビクしながら暮らすより、万全な守りでどっしり構えていた方が病気が遠のく——というのは事実かもしれない。


※女性セブン2019年7月4日号

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