「仕込みは一切ナシ」出川哲朗とキスしたCAはなぜ見つかった? 『世界はたった6人でつながる』企画の背景

6月23日(土)13時0分 AbemaTIMES

「仕込みは一切ナシ」出川哲朗とキスしたCAはなぜ見つかったのか? 『世界はたった6人でつながる』企画の背景 仮説に挑む

(テレビ朝日・佐々木貴彦ディレクター)

 「六次の隔たり」という理論がある。これは「人には平均44人の重複しない知り合いがいる」という仮説から、44×44×44……と繰り返すと6人目で世界の人口(約75億)に近づけるため、「知り合いを辿っていくと6人目には地球上の誰とでもつながることができる」とする理論だ。


 この理論を実証する番組『世界はたった6人でつながる』が6月24日にAbemaTV(アベマTV)にて放送される。本番組は2017年10月と2018年1月に単発番組として地上波放送され、「3〜4年前、出川哲朗にマレーシアのクアラルンプール国際空港で写真のお礼にキスをした日本人の客室乗務員(CA)を探せ」など、到底つながるとは思えない“ゴール”に次々とつながっていく面白さが反響を呼んだ。


 この番組の制作を担当しているのがテレビ朝日・佐々木貴彦ディレクターだ。数々の奇跡を生み続けている『世界はたった6人でつながる』だが、佐々木ディレクターは「仕込みは一切無い」と断言する。


出川哲朗とキスしたCAを探して……仕込み一切ナシで起きた“奇跡”

「今年1月に放送した回で『出川哲朗さんが海外の空港でキスしたCAさん』を探しまして。街で無作為にお声がけした一人目から大阪のクラブの人に行き着いて、そこからCAさんにつながっていったのはすごかったですね。疑った視聴者も多いと思いますが、この番組は一切仕込みをしていない、ヤラセ無しなんです。でもあの回は、あまりに上手くいきすぎて。番組を作っている私たちも驚くくらい、奇跡的なつながりでした」(テレビ朝日・佐々木貴彦ディレクター/以下、佐々木D)


 企画当初から携わっている佐々木ディレクターだが、番組の制作過程は「常に試行錯誤」と話す。


「ゴールまでたどり着いてもその人がテレビに出ることを嫌がったら、企画自体が終わってしまう。実際にあと2人で終わるのに次の人に『テレビに出たくない』って言われてしまったこともありました。そういうときは『映るの7秒くらいですから!』と時間をかけてお願いして出演してもらったり、顔出しが難しいのであれば『電話出演だけでも……』って頼み込んだり。あと、つながりが奇跡的すぎて疑われることが多いですよね。『テレビってそうなんでしょ』って言われてしまうのは悲しいです。でもテレビ業界で働いた人なら絶対分かるのですが、この企画って仕込もうと思って仕込めるものではないんです」(佐々木D)

 実際、『世界はたった6人でつながる』の初回放送では6人を介しても、探し出せなかった人がいたという。


「初回の放送では『30年ほど前に恋した熊本出身の看護師』を探したんです。依頼者は47歳(当時)の男性で『交通事故で入院していたときにお世話になって好きになった看護師さんを探してほしい』という内容でした。消息不明の看護師さんを探すために、六本木で声をかけてスタートして、福岡県の知り合いを紹介してもらった。次は熊本県出身の小学校教師を紹介してもらって……と一生懸命探したのですが、最終的にはたどり着けないまま終わってしまったんです。なので初回でさっそく『見つかりませんでした!』って放送しているんです。看護師さんの名前までは分かって、おそらく近くまでたどり着けていたんですが……。『ここまで来たけど見つかりませんでした!』という結論をそのまま見せています」(佐々木D)


 今回のAbemaTV版も手掛けた佐々木ディレクターにネットとテレビの関係について伺うと、「(テレビの)脅威やライバルだとは思わない」と話す。


「テレビとネットの関係はいろいろな意見があると思います。僕はネットを脅威やライバルと全く思ってなくて、でもネットとテレビが“別物”だとも思えないんですよね。僕らがやることによってネットとテレビ、お互いが良くなればいい。分ける必要はないと思うんですよ」(佐々木D)


 実は以前、AbemaTVで『Kissうぃ〜ね!』や『勝手に出口調査』を担当していたという佐々木ディレクター。特に『Kissうぃ〜ね!』では、番組名の“命名”にまで関わっていたという。


「以前、AbemaTVで『Kissうぃ〜ね!』というオリエンタルラジオ・藤森慎吾さんの番組を担当していて。あのとき“Kissうぃ〜ね!”という番組名を考えたのは僕だったはず(笑)。あと、AbemaNewsチャンネルで担当していた『勝手に出口調査』では、「ゲスの極み乙女」の川谷絵音さんが“騒動”の渦中にいる際、「ゲスの極み乙女」のライブ会場で出口調査をやったんですよ。ファンの皆さんに直接「騒動についてどう思うか」って意見を聞いてみました。

どちらも地上波で得た知見やフットワークの軽さを生かして作る番組が、どうAbemaTVの視聴者に受け入れられるか考えながら作っていきました。地上波と違う形で攻められるのがAbemaTVの面白さですよね。逆にAbemaTVで得た知見を、地上波の番組作りに生かすこともできると思っています」(佐々木D)


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▼参考記事

ゲス不倫・川谷をなんで応援するの?「ゲス極」活動休止前のラストライブに来たファンに聞く


『ナニコレ珍百景』の藤岡弘、との探検ロケは「今までにない美しさ」

 地上波ではこれまで『ナニコレ珍百景』(不定期特番として地上波テレビ朝日系列にて放送中)に携わり、現在は『ハナタカ優越館』にスタッフとして携わっている佐々木ディレクター。両番組での仕事で、印象的だった出来事を聞いた。


「『ナニコレ珍百景』で藤岡弘、さんと探検ロケに行くことがありました。そのときに行った沖永良部島(鹿児島県・奄美諸島)の洞窟『銀水洞』は強く記憶に残っていますね。洞窟に入ると鍾乳洞のような景色が広がっていて、水の色が今までにない美しさで。藤岡さんご自身も本当に真っ直ぐで真面目で熱い人。一緒にお仕事させていただいて、すごいやりがいを感じた体験でした」(佐々木D)


 現在の担当番組『ハナタカ優越館』(テレビ朝日系列で毎週木曜よる7時〜放送中)は「日本人の3割しか知らないこと」を紹介する番組だ。便利な情報紹介はもちろんのこと、番組中に差し込まれるコント的なVTRにも力を入れている。MCを務めるくりぃむしちゅー・上田晋也&有田哲平の掛け合いも番組のスパイスになり、単なる情報番組だけではない面白味がある。


「番組の演出でもある保坂広司ゼネラルプロデューサーが、ハナタカは『ただの情報番組じゃなくて、バラエティ』ということをおっしゃっており自分もそこを強く意識しています。くりぃむしちゅーの上田さんや有田さんをはじめ、タレントの皆さんのやりとりを観た視聴者がクスッと笑ってくれるようにしたいんですよ。たまに『ボケとか要らないから真面目にやれ!』というお叱りが入ることもあるくらい(笑)」(佐々木D)


制作の「面白いだろ?」が前面に出てしまうのは「ダサい」

 『ナニコレ珍百景』と『ハナタカ優越館』に共通しているのは、子供からお年寄りまで安心して観られるという点だ。三世代に渡って安心して観られる番組でありながら、日本中で発掘した衝撃スポットを紹介したり、日本全国の1500人以上の男女をアンケート調査し、それによって判明した「日本人の3割しか知らないこと」についてコントを交えて紹介するなど、情報紹介以外にもどこかで確実にクスッと笑える要素も入っている。“安心できる攻め方”を続ける番組に、何か意図があるのだろうか。


「番組を作る上で『人を傷つけない攻め方』はいくらでも方法があるんですよ。テレビ朝日に入社してから企画を出させてもらう機会が増えたのですが、宮城で暮らしている僕の両親も安心して見られる番組作りを心がけています。どうしても、テレビマンって『尖ったことをやりたい』『攻めた番組を作りたい』って思いがちなんです。僕も若い頃はそうでした」(佐々木D)


 何か番組作りで壁にぶつかると、佐々木ディレクターは「宮城県の両親が観ても楽しめる番組か?」と心の中で問いかけるという。


「僕もまだまだできていない点もありますが、若いスタッフには『その“攻めている”が自己満足ではないか?』ってじっくり考える機会を持って欲しいと思います。

制作って自己満足になりがちで『どうだ面白いだろ!』って前面に出ているのは『ダサいな』と考えるようになりました。僕には3歳の娘がいるのですが、子供ができてからは特に番組作りに対する考え方が変わりましたね。誰かを傷つけることはテレビ番組としてダメだと思います」(佐々木D)


 今では一人娘の父としての顔を持つ佐々木ディレクターだが、なぜテレビ業界に足を踏み入れることになったのか。


「僕は小学校6年生のときからテレビの仕事をするって決めていたんです。テレビが好きすぎて、テレビ業界以外には考えられなかった。小さい頃には『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)をよく観ていましたね。バラエティ番組が好きだから、ずっとそこから軸をズラさずに来ていて。大人になった今もバラエティが好きですね。他局ですが『世界の果てまでイッテQ!!』(日本テレビ系)と『ゴッドタン』(テレビ東京系)は録画して休日に観ています。この2つの番組は、笑いだけではなくて、ドキュメンタリー性があるから面白いんですよね」(佐々木D)


 労働環境の改善が話題になりやすい昨今だが、「テレビ業界を辞めたいと思ったことはない」と佐々木ディレクターは話す。


「この仕事をしていて『大変だな、辛いな』って思ったことがないんです。確かにAD時代はまだ若くて雑用的な仕事もやらなきゃいけないですし、体力的に本当に大変なときもありました。でもノンストレスなのは、やっぱりテレビが好きだから。

 あと普段『こうなりたい』って思わないんですよね。『自分が一番になってやろう』って全く思わない。目の前の番組に一生懸命取り組んでいるうちに、楽しく番組を作ることができて、結果的に視聴者の方が面白いと思ってくれる良い番組に結びついている。好きなことを仕事にして生きている今の環境は幸せです」(佐々木D)


(ライター:中村梢)

(カメラマン:野原誠治)


▼【バラステ】世界はたった6人でつながる
6月24日(日) 20時〜21時

9年前に話題になったあの人! 可愛すぎる海女さんは6人でつながるのか?

「世界中の人間は『知り合いの知り合い』を辿っていくと、5人の仲介者を経て、6人目でお目当ての人につながる!」という理論がある。
今回はこの理論を、実際に街に出て検証!
果たしてターゲットの人物を探し出すことができるのか? どんな人にたどり着くのか?

(※見逃し防止には番組表の「通知を受け取る」がおすすめです)

(C)テレビ朝日 (C)AbemaTV

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