ラスボス・小林幸子が「豪華すぎる衣装」を着続ける理由

6月23日(日)16時0分 NEWSポストセブン

小林幸子の代名詞と言えば「豪華すぎる衣装」

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 デビュー55周年を迎えた小林幸子(65)の代名詞と言えば、豪華すぎる衣装。NHK紅白歌合戦における美川憲一との「豪華衣装バトル」は、大晦日の風物詩とも謳われ、ネット上では「ラスボス」とも称されるが、高額な衣装代はすべて自腹だという。小林幸子の短期集中連載の第2回では、なぜ豪華衣装に身を包み続けるのか、その舞台裏を明かす。


 * * *

「隣の芝生は青い」とはよくいったもので、他の人のことは何かと気になるものです。自分がうまくいっている時はいいのですが、そうでない時は余計に気になります。特に歌手は、CDの売り上げやチャートで常に比べられますから、気にするなといっても気になってしまう。私もそうでした。


 でも、いつからだろう? 他人のことがあまり気にならなくなったのは。きっと、目の前のことにがむしゃらになってからかな。目の前のことに集中していると、他人と比べる暇なんてなくなってくるんです。


 たとえば、私にとっては、かつての紅白の衣装がそうでした。最初にド派手な衣装を身につけたのは、1981年、『迷い鳥』を歌った時。それまで、私だって普通のドレスだったんですよ。


『迷い鳥』の時は「鳥」をイメージして、手を広げると、鳥が大きな翼を広げたように見える衣装を作りました。私が言うのもなんですが、広げた時のスパンコールがとてもきれいで、観客の皆さんのため息がたしかに聞こえてきました。審査員の方々もニコッと笑顔になった。「あ、これだ」と思ったんです。


 この感覚に、それ以来、ヤミツキになってしまいました(笑)。


 もちろん、「やりすぎじゃないか」との批判もありました。でも紅白はお祭り。お祭りだったら楽しませてなんぼ、目立ってなんぼ。ありがたいことに視聴者やファンの方々からの評判は上々で、舞台裏は大変でしたけど、続けていくモチベーションになりました。


 こうなってくると、「他人と比較する」という意識はもうありません。ライバルは、前の年の自分。前年の自分の衣裳をどう超えるか。プロジェクトチームを立ち上げ、デザイナーやスタッフと共に、ああでもない、こうでもないと知恵を絞りました。


◆過去の自分をライバルにする


 人には許容量があります。分相応という言葉もあります。その範囲内で行動していれば、失敗も少ないのかもしれませんが、それだと毎日が同じことの繰り返しになってしまいます。それは効率的ではありますが、日々のワクワク感は減っていきます。


 たとえば自分のことを「不器用」だと思っていたとしましょう。もちろん不器用でいいんですよ。でも「私は不器用だ」と思い込むことで、自分の行動力を制限したり、セーブしてしまったりしているとしたらどうでしょう?


 人には自分でも気づかない力──潜在能力があります。もしかしたら、「自分は不器用」と思い込んで殻に閉じこもることで、持っている能力を発揮できず、人生の楽しさを損しているかもしれません。


 それよりも自分は「あんなことができるかもしれない」「こんな一面があるかもしれない」と、日々いろいろなことに挑戦していくと、いつの間にか「自分の範囲」(許容量)が広がっていることに気づきます。


 紅白でとんでもなく大がかりな衣裳を身につけたことも同じ。一度その殻を破ったら、それもアリになりました。


 東京ビッグサイトで開催される世界最大の同人誌即売会「コミケ」(コミックマーケット)に参加したり、ニコニコ動画に投稿したりすることも、殻に閉じこもっていたら、できませんでした。


「過去の自分」がやってこなかったことにチャレンジするたびに、自分の可能性が広がっていくことが肌身でわかります。楽しいですよ、過去の自分をライバルにすると。「さあて、次は何をしてやろうかな」。こう毎日ウキウキしている自分がいます。


※小林幸子・著『ラスボスの伝言〜小林幸子の「幸」を招く20のルール』より抜粋

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