エレカシ宮本浩次 苦節を経て今が充実期「ようやく、やりたかった活動ができた」

6月24日(日)12時0分 週刊女性PRIME

エレファントカシマシ・宮本浩次 撮影/佐藤靖彦

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 昨年3月の取材から約1年。5月下旬に、ふたたびエレファントカシマシの宮本浩次(51)に会った。黒のシャツにデニム姿。短くなった髪は「洋服に凝るようになって、身ぎれいにしていたいなと。『RESTART』という曲を発表するときに短く切りました」という理由だそう。あいにくの雨の中、傘を手に颯爽と歩く。どの瞬間を切り取っても絵になってしまう宮本に話を聞いた。

──デビュー30周年イヤーを振り返っていただきたいのですが、ご自身としてはいかがでしたか?

「長く活動をさせていただいているんですけど、47都道府県でコンサートするのは初めてでした。これまでも“ベスト盤”という名前をつけたものがありますが、本当の意味でのレコード会社4社にまたがって30周年にふさわしい、30曲をセレクトしたベスト盤を出すのも初めて。忙しい活動の中でシングルも出しましたし、紅白歌合戦という憧れの場所にも立つことができた。紅白で歌ったことで、このバンドは全国区だと太鼓判を押してもらったみたいな気分で。30年目でようやく、やりたかった活動ができたというか。それをバンドの本人たちと同じくらい、もしかしたらそれ以上に多くのファンのみなさんが喜んでくれた。ともに盛り上がれた最高の1年だったと思います。これまでの活動が、簡単にいかなかったからこそ非常によかった。いろいろあったので。人生ってそういうものだと思うんですけど」

──初の47都道府県ツアーでは10万人を動員され、昨年の取材で「さいたまスーパーアリーナで、みんなが“ワー!”って言ってくれる歓声以上の快感がこの世の中にあるんだろうか」と語っていた、さいたまスーパーアリーナ2DAYS(3月17、18日)もありましたね。(*昨年の宮本のインタビュー記事はこちら)

「これがドラマティックなんだよね。ツアーの最初の会場、大阪城ホールはそれなりにいっぱいになったけど、初期においてはまだ席が空いている会場もあったんです。それが、だんだんどこもかしこもソールドアウトになっていって。バンド史上最大の動員になりました。非常に満足というか、誇らしく思いましたね。それだけの人たちに祝福されたということで。それが、最後のスーパーアリーナに続くみたいな」



■花道が好きなんです

子どものころから、ずっと



──さいたまスーパーアリーナ2DAYSの初日。『桜の花、舞い上がる道を』を歌いながら花道を歩く宮本さんに、たくさんの花びらが降り注ぎ、その姿にファンのみなさんが手を振る光景に、感動しました。

「なんか、クライマックスな感じしましたよね。花道があって、みんなも喜んでいたし。もちろん、僕らも大喜びで。あの曲、ああいう広いところが似合うんです。私、花道が好きなんですよね。子どものころから目立つのが本当に好きだったので。学芸会があるなら、中身はともかく“とりあえず、オレを主役にしろ”っていうところがありましたからね(笑)。自分たちの30周年コンサートが、満員。2万人の人たちの前で、花道で、桜吹雪で、体調が充実した中で、高らかに歌い上げるって、これ以上ないシーンだったと思います。ありがとうございます」

──うるっとしてしまいました。

「私も結構、コンサート行くと号泣するんですよね。なぜ、ここで泣くかみたいなところで泣いたりします。音楽って、すごいなと思いますね。みんなでこのバンドが好きっていうだけで、涙がこみあげてくるような、幸せな感覚ってありますよね」



──翌日は、スピッツとミスターチルドレンを迎え、3バンドでの夢のステージでした。

「男気で駆けつけてくれてね。もともとは、勝手にライバル視していた2バンドだし、目標にしていたバンドだったので、すごく感慨深いものがありました。カバーの曲を1曲ずつ。タバコをやめた自分にとっては、スピッツの草野(マサムネ)さんが歌ってくれた『浮雲男』というのはタバコの歌で、うれしかった。ミスターチルドレンの桜井(和寿)さんが選んでくれた『太陽ギラギラ』も、よく知っていたねというくらいの、大学の授業中に作った孤独な若者の歌なんだけど、披露してくれた。最高の時間でしたね」

──これ以上ない流れで31年目のアルバム『Wake Up』をリリースされましたね。いつ作業をされていたんだろうと驚きました。

「正直に言うと、みんなが想像している以上に物理的に難しいんじゃないかと思っていたんです。でも、むしろ、かえってエンジンがかかってきちゃったというか。いい1年を送ってきたからだと思うんです。ひとりの人間として、男として、幅広い意味で充実感と満足感と、結果を残せたからだと思います」



■みんなの笑顔が浮かぶと

どんどん乗ってくる



──収録曲で、テレビ東京系ドラマ『宮本から君へ』の主題歌『Easy Go』はエレファントカシマシらしいロックな曲ですね。

「私の物語じゃないんだけど、“宮本”と入っているドラマの主題歌を作るって、これは襟を正さないといけない、エレファントカシマシをもう1度、見つめ直して、バンドらしい音で勝負しないといけないという身の引き締まる経験をしました」



──ドラマの主人公・宮本浩は、宮本さんの名前からつけられたそうですね。池松壮亮さんが演じられている宮本のまっすぐなところが、ご本人と重なる気がします。

「どうなんですかね。男性って、シンプルだし、やっぱり上昇志向で、お前を迎えに行くぜっていう美学っていうか、実態と理想は別の問題としても、美学としてあるんじゃないでしょうかね」

──『Easy Go』は、初披露したライブでも盛り上がりましたね。

「アルバムの制作作業が大変だったとき、自分でもこの曲の歌詞に元気づけられました。ドラマのみんなにも喜んでもらえて。みんなの喜んでいる顔が浮かんでくると、どんどん自分が乗ってくる。みんなが期待してくれているというのが好きだから、なんて素敵で幸せな時間なんだろうって。例によって、明るいほうに受け取って。悪いときは、全部そっちに転がっていくじゃないですか。でも、いいときは、少なくとも今、音楽人生の中で非常に充実した時期を迎えていて、その中での作品。まるでコンセプトアルバムのように統一感があって、ここで出せる最大の力が今回のアルバムに結集されている感じがしていて。ほぼ半分がドラマの主題歌やCMソング。新曲でレゲエ調の『神様俺を』は新境地だし、『旅立ちの朝』なんて名曲だから、今後なにかの曲になってくれたらと思っています」



──6月25日からは、アルバムを引っさげたツアーが始まりますね。

「道を歩いていたら、ファンの方に“チケット取れませんでした”って言われて。9月くらいまでは、夏フェスがあります。そのあとは、ずっと長い休みがなかったので、1か月くらい休もうかな。外国旅行とかね。香港に行きたくてパスポート更新してから3年たっちゃいました。

 台湾とか、ヨーロッパとか行きたいですね。ロンドンに洋服見に行くのもいいですね」



■夢の中でも歌詞を考えてます



■体調管理

「ツアーの最初のころは腹筋、腕立て200回なんてやってたんですけど、今年に入って100回に減りましたね。あと、ツアー中は、なるべく間食をしないようにしていました。楽屋にそれぞれの場所の名産品っていう、うまそうなお菓子が置いてあるんです。たとえば、雷鳥の里を1つしか食べないと決める。すごく美味しかったのは草加せんべい」



■夢

「見ますよ。あまり覚えていないですけど。よく言うじゃないですか、見てるけど忘れちゃうって。ただ、夢の中でも歌詞を考えてます。1日、さんざん考えてもできないとき、枕元にメモを置いて寝るんです。パッと起きて歌詞が書けるようになると調子が上がってきた証拠」

■この1年での変化

「指輪とか時計をするようになりました。時計は、小学校6年生のときにおばさんにセイコーのデジタル時計をプレゼントしてもらって以来で。男性って、車もですけど、時計とか機械ものが好きなのよ。今は、家に忘れて外出すると寂しくなるくらい、指輪や時計がかわいくなってます。ショッピングしますよ。数日前にアウトレットでものすごく買っちゃって。欲しかった商品があって、さらに安いから2度おいしい。ドライブがてらにいい距離で、最高!」

<アルバム情報>

23枚目のオリジナルアルバム『Wake Up』発売中

 デラックス盤(CD+LIVE CD+DVD+フォトブック)豪華BOX仕様 7500円+税 ※6月6日正午から7月17日正午までの期間限定でUNIVERSAL MUSIC STOREにて受け付け、初回限定盤(2CD+DVD)4200円+税、通常盤(CD)3000円+税

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