篠田正浩監督・坂東玉三郎主演、42年前の名作『夜叉ヶ池』カンヌで上映

6月25日(金)9時0分 オリコン

1979年に公開された篠田正浩監督・坂東玉三郎主演『夜叉ヶ池』4Kデジタルリマスター版、カンヌクラシックスで上映 (C)1979/2021 松竹株式会社

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 昨年(2020年)、映画製作を開始して100周年を迎えた松竹。その記念プロジェクトの締めくくりとして、 1979年に公開された篠田正浩監督・坂東玉三郎主演作品『夜叉ヶ池』の4Kデジタルリマスター版を製作。42年ぶりに蘇った本作(英題:Demon Pond)が、第74回カンヌ国際映画祭(7月6日〜17日)クラシック部門(以下、カンヌクラシックス)で、インターナショナルプレミア上映される。

 カンヌクラシックスは、2004年に同映画祭の一部門として設立。文化遺産としての作品のショーケース、また過去の名作の再発見、修復された偉大な作品のお披露目などを目的としている。日本映画ではこれまでに、『乱』(黒澤明監督)、『雨月物語』(溝口健二監督)、『楢山節考』(今村昌平監督)、『東京物語』(小津安二郎監督)など、名だたる巨匠の作品が選出された。

 本年のカンヌクラシックスには、『黒いオルフェ』(1959年、マルセル・カミュ)、『神の道化師、フランチェスコ』(1950年、ロベルト・ロッセリーニ)、『ふたりのベロニカ』(1991年、クシシュトフ・キェシロフスキ )、『オーソン・ウェルズのフェイク』(1973年、オーソン・ウェルズ)、『マルホランド・ドライブ』(2001年、デイヴィッド・リンチ)など31作品が選出され、そのうち日本映画のクラシック作品としては本作と田中絹代監督『月は上りぬ』(1955年)の2本。

 今月11日から開催された上海国際映画祭「TRIBUTE TO MASTERS」部門でも、篠田監督の特集上映が行われ、『暗殺』『心中天網島』『はなれ瞽女おりん』『写楽』『乾いた湖』『鑓の権三』の6作品が上映された。「TRIBUTE TO MASTERS」では篠田監督のほか、作曲家・映画音楽家のエンニオ・モリコーネ特集(10作品)、フランスの名匠クリス・マルケル特集(8作品)、ハンガリーの映画巨匠ヤンチョー・ミクローシュ特集(5作品)、中国の名優Sun Daolin特集(6作品)も開催され、世界の巨匠に並んで、篠田監督の作品が海外でも高く評価されている。

 本作は、幻想文学の礎を築いた泉鏡花の原作を、『梟の城』(1999年)や『スパイ・ゾルゲ』(2003年)などで知られる篠田監督が、1979年に取り組んだ意欲作。当時歌舞伎界を一世風靡していた女方の坂東玉三郎が初めて映画に出演し、村に暮らす女性・百合と夜叉ヶ池の竜神・白雪姫の二役を演じて妖艶な世界を表現した。

 日本の特撮技術の基礎を築いた特撮監督の矢島信男の指揮のもと、大船撮影所のステージを大改造して作ったセットで、50トンもの水を使い大洪水シーンを実現。クライマックスの洪水シーンの撮影のために、ブラジルのイグアスの滝やハワイを始めとする海外ロケも敢行された。

 当時、本作を観たマーティン・スコセッシ監督は、篠田監督への手紙の中で、「玉三郎の演技と、あなたが彼を素晴らしく演出した手法に魅了された」「玉三郎が演じた百合を超えるのは、玉三郎が演じた夜叉ヶ池の白雪姫の他にない」と絶賛した。

 篠田監督は「カンヌ国際映画祭クラシック部門で、42年ぶりに蘇った『夜叉ケ池』が上映されるという知らせが届きました。この作品が世界の映画史の中で<古典(クラシック)>になったのかと実感しました。現地でその瞬間に立ち会えないことは残念ですが、『夜叉ケ池』が時代を超えて新しい観客と出会えることは、私の90年の人生の中でも大変うれしいことです」とコメントを寄せた。

 7月10日にはユーロスペースでの特集上映 「篠田正浩監督生誕90年祭『夜叉ヶ池』への道モダニズム ポップアート そしてニッポン」でジャパンプレミア上映 が決定。7月14日にはBlu-rayの発売も決定している。

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