小林幸子はどこに向かうのか? 自ら引退を決意する時を語る

7月2日(火)7時0分 NEWSポストセブン

小林幸子はどこへ向かおうとしているのか

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 10歳でデビューして以来、浮き沈みの激しい芸能界で55年もの間、第一線で活躍し続ける小林幸子(65)。この間、引退が頭をよぎったこともあったが、不死鳥のごとく蘇り、そればかりか、新たな道を切り拓いてきた。小林幸子の短期集通連載の最終回では、自ら「引退」を決意する時について、初めて語る。


 * * *

「ああしたい」「こうなりたい」って思っても、そう簡単にはいかないのが世の常。55年も芸能生活を続けてきたことを「すごい」と褒めてくれる人がいるかもしれませんが、10歳でデビューした時には、こんなふうになるとは夢にも思っていませんでした。


 詳しくは拙著『ラスボスの伝言〜小林幸子の「幸」を招く20のルール』の中で触れましたが、私が何年やってきたとか、いろんな賞をいただいたとか、「ラスボス」と呼ばれるようになったとか、それはあくまで結果であって、すでに過去のこと。


 また、いろんな方に今までの私の活動や功績を評価していただいていますが、それも過去の栄光のようなものです。もし、これから先のことが紙に書いてあって、その通りになったとしたら……。日々、何の刺激もない毎日になってしまいますよね?


 それよりは、「これから先のことは、まったくの白紙」と思って、「いったい何が起こるのかな」とワクワクしながら過ごしたほうが、人生は楽しめると思うんです。


「幸子さんは将来、どこに向かっていくんですか?」。いろんなことをやっているせいか、最近、こんなふうに尋ねられることが増えました。私にもわかりません。


 こっちへ行こう、あっちに行ってみよう、と決めているわけではありません。出会った人によって、道は変わるもの。出会いの数だけ可能性が広がっているとしたら、ますます人生って面白そうじゃありません?


 これは以前、作家の家田荘子さんに教えていただいたんですけど、「この人には、いいところがたくさんあるから一緒にいよう」と考えるのは、その後、うまくいかないことが多いんですって。


 逆に、白紙の状態からスタートすれば、「いいところ」を見つけるたびに、「なんていい人なの!」とプラス評価が増えていきます。目の前の事実は変わっていませんが、見方ひとつで、人は幸せにも不幸にも生きられるものなんです。


「理想の未来図」をしっかりと描き込んでしまうと、そうならなかった時に、その出来事がすべてマイナスになってしまいます。「幸せ」が目の前にあっても、「自分の理想と違う」と避けてしまう人も多いんじゃないかしら?


「上を見ない」ということではありません。「自分に都合のいい未来」を期待しない、ということです。理想で自分を縛ってしまうよりは、未来を白紙にすることで、ずっと自由でありたい。


 とはいえ、私自身、「人生の理想」は描いていませんが、「人生の目標」はきちんと持ち続けています。それは「健康で歌を歌い続ける」ということ。簡単なように思われるかもしれませんが、これって実はすごい大それた目標だと思っています。


 ちなみにデビュー以来55年間、病気で休んだことがないことが、私の密かな誇りです。いくら健康に注意していても、突然病気になることだってある。突然、声が出なくなった歌手を、私は何人も見てきました。


 もし私の声が出なくなったら? その時は、歌手を引退する時です。未来は「白紙」だから、その時が来ても、そのことを「不幸」とは思わないでしょう。そんなことを考えるよりは、いつ終わりが来てもいいように、これからも私は、その日、その日を、一生懸命に生きていきたいと思います。


※小林幸子・著『ラスボスの伝言〜小林幸子の「幸」を招く20のルール』より抜粋

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