ヤクザと芸能人、若山富三郎さんと比べ勝新太郎さんは常識人

7月4日(木)16時0分 NEWSポストセブン

若山富三郎の破天荒ぶりは弟以上(共同通信社)

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 芸人が反社会勢力のパーティや誕生日会へ出席し、事務所を通さず“闇営業”をしていた件で、テレビ界に激震が走っている。確かに黒い交際は大問題だが、昔のスターは問題が起きても潔かった。時代が異なると言ってしまえばそれまでだが、タレント本収集家として知られるプロインタビュアーの吉田豪氏が、秘蔵の資料から大スターたちの交際術について振り返る。


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 亡くなった山城新伍さんが仲のいい組長の娘の結婚式に出席したことが問題になったときには、芸能レポーターを前に「ヤクザの娘が幸せになってはいけないのか」と言い張った。いまじゃ絶対通らない理屈です。


 その山城さんの『おこりんぼさびしんぼ』って本は、若山富三郎・勝新太郎兄弟との交流を描いた名著ですが、「おやっさん」と慕う若山さんとヤクザの関係があっさり書かれていて。


「ずいぶんかわいがっていただいた日本一の大親分・田岡(一雄)組長が、ぼくに真剣な顔をして聞いたことがあった。『新伍や。若山はいいやつなのか? 悪いやつなのか?』(中略)ぼくは迷わず言った。『いい人ですよ』三代目(田岡組長のこと)は普段と変わらぬ顔でカラカラ笑って言った。『いい人か? おい、いい人がオレから金もっていって、返さねえのか』」


 若山さんが田岡組長から借金していたという、いまなら絶対アウトなエピソードを平気でバラしちゃってるんです。


 意外かもしれませんが、ヤクザとの付き合いについては若山さんに比べると弟の勝新さんのほうが大人しかったみたいです。


 若山さんの息子の若山騎一郎さんの著書(『不器用に生きた男 わが父 若山富三郎』)に、姉の佳代子さんが不良に絡まれたときに、叔父の勝新さんが一人で飛び込んでいって助け出したという話が出てくるんですが、そのあとのこの兄弟のやり取りがすごくて。


「叔父は姉を助けたあと、親父に電話を入れている。『お兄ちゃん、佳代子はこのままじゃいけないよ』『そうか。じゃあ、佳代子をヤクザのところで修行させるか』」


 若山さんに比べるとあの勝新さんが常識人に見えてくるという(笑)。


『やくざと芸能界』というそのまんまの本を出したなべおさみさんも、ヤクザとの交流をさんざん書いていますが、一方では「私の親分は安倍晋太郎先生」と書くように、政界とのパイプも明かしています。ヤクザから政界まで広い人脈があって、いろんな人の座敷にお呼ばれする、昔ながらの幇間(ほうかん)みたいな人だったんだと思います。


 今回の騒動で吉本をクビになったカラテカの入江(慎也)さんも似たタイプに見えるかもしれませんが、彼は付き合いのあった反社の人たちに裏切られたから今回の報道が出ちゃったわけです。昔の芸能人は、良くも悪くも裏切られるような付き合いはしてなかったというのが、2人を比べるとよく分かります。(談)


※週刊ポスト2019年7月12日号

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