超能力を持つ少年少女4人を紹介『イノセンツ』新場面写真
2023年7月16日(日)19時0分 シネマカフェ
本作は、『わたしは最悪。』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされた鬼才エスキル・フォクトの最新作。「超能力」というモチーフをまったく新しい視点で捉え、かつて誰も見たことのない“無垢なる恐怖”を紡ぎ上げた。
フォクト監督が描くのは、まだ思春期に至らないあどけない子どもたち。物事の正邪/善悪の区別が曖昧な7歳から11歳の少年少女4人が、人智を超えたサイコキネシスやテレパシーのパワーに目覚め、“危険な遊び”をエスカレートさせていく様をスリリングに映し出す。
メインキャラクターを演じた4人は、本作での天才的な演技が高く評価され、本国・ノルウェーのアカデミー賞(アマンダ賞)で4人全員が最優秀主演賞にノミネートされるという快挙を果たしている。
イーダ:緑豊かな郊外の団地に引っ越してきた。遊び盛りにも関わらず、仕事や家事に忙しい両親に代わって、姉の面倒を見なくてはならないことに煩わしさを感じていた。9歳。
アナ:イーダの姉。重い自閉症で全く言葉を話せない。アイシャと互いの感情と思考を共有するようになる。
ベン:手で触れることなく心の中で念じただけで、小石などの物体を動かすことができる念動力<サイコキネシス>という特殊な能力を持つ。イーダと同じ団地に暮らす。
アイシャ:言葉を介することなく、互いに離れていてもアナと感情、思考を共有できる不思議な能力を秘めている。アナとアイシャを結びつけるテレパシーは、不思議なことに4人が一緒になるといっそう強度を増す。イーダと同じ団地に暮らす。
夏休み中の4人は大人の目が届かないところで戯れ合い、魔法のようなサイキック・パワーの強度を高めていく。しかしイジメや家庭環境の問題に悩むベンの内面が悪意に支配されたことをきっかけに、4人の友情はもろくも崩壊し、団地内で異常な出来事が続発するのだった…。
人種的なルーツが異なる子役4人のナチュラルな演技、その感情の揺らぎを子どもの視点で繊細にすくい取ったフォクト監督の演出も秀逸。あらゆる観客の童心を呼び覚ましながら、大人が一切介在しない予測不能のサイキック・バトルへと突き進む映像世界は、まさしく無垢ゆえに恐ろしい圧倒的なテンションに貫かれている。
『イノセンツ』は7月28日(金)は新宿ピカデリーより全国にて公開。