公取委に「注意」されたジャニーズ事務所の「圧力はない」は嘘! NHKが民放テレビ局関係者の“圧力証言”を報道

7月20日(土)6時57分 LITERA

公取委員会が元SMAP3人のTV出演に圧力の疑いを指摘したが…

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 やはり、ジャニーズ事務所の圧力はあった。


〈元SMAP3人のTV出演に圧力の疑い ジャニーズ事務所を注意 公正取引委〉17日夜、こうNHKが第一報を伝えたジャニーズ事務所圧力問題。


 ジャニーズ事務所が圧力をかけたことを否定するコメントを出し、公取委員会も明確な違反の証拠は認定できなかったとして「注意」にとどまったことから、ジャニーズ事務所による圧力の実態をきちんと検証する報道は一切なく、「圧力ではなく過剰な忖度」「暗黙の了解」で済まされようとしている。


 そんななか、昨日19日放送のNHK『ニュースウオッチ9』で、さらに重要な証言が報じられた。一方の当事者である民放テレビ局関係者が圧力をかけられたと証言していたというのである。


 公正取引委員会が調査に乗り出したきっかけになったという民放関係者証言は、こんなものだった。


「ジャニーズ事務所のタレントに出演依頼した際、事務所の幹部から、『元メンバー3人が関わっている場合は、所属タレントを出演させられない』と圧力をかけられた」


 この証言が事実であれば、「忖度」でも「暗黙の了解」でも「誤解」でもなく、明確な圧力そのものだろう。元SMAPの稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾の3人がいくら国民的人気を誇るとはいえ、ジャニーズにはそれ以外にも人気タレントが多数いる。それを出演させないというのは、明らかに脅しだ。「3人を出演させるな」とは明言していなくても、「出演させるな」と言っているのとほとんど変わらない。


 実際、ジャニーズ事務所とテレビ局が、ここ数年、稲垣・草なぎ・香取の3人をテレビから排除してきたことは、「誤解」でもなんでもなく、紛れもない事実だ。


 2016年12月にSMAPが解散して『SMAP×SMAP』(フジテレビ)が終了し、2017年6月にジャニーズ退所を発表した時点では、3人が出演する地上波レギュラー番組は、香取の『おじゃMAP!!』(フジテレビ)と『SmaSTATION!!』(テレビ朝日)、草なぎの『『ぷっ』すま』(テレビ朝日)、稲垣の『ゴロウ・デラックス』(TBS)の4本だった。


 しかし現在、これらの番組はすべて打ち切られ、稲垣・草なぎ・香取の3人の姿は地上波テレビ番組から完全に消滅している。


 あれだけの国民的人気を誇り、現在もメジャーなCMにいくつも出演しているタレントが、不祥事を起こしたわけでもなく本人たちの意思でもなく、テレビ番組に一切登場しなくなる。これが異常であることは、誰の目にも明らかだろう。


 レギュラー番組が終了しただけではない。退所して以降、3人がどんな新しい活動をしてネットでは大きな話題となっても、テレビのワイドショーはほとんど無視し報じてこなかった。


 なかでも異常さが際立ったのは、3人が『GQ MEN OF THE YEAR2017』を受賞したときのこと。『スッキリ!!』(日本テレビ)や『めざましテレビ』(フジテレビ)といった情報番組は、この授賞式を報じながら、3人の姿だけが、まるでその場にいなかったかのように一切流されなかったのだ。


 最近、改元時の平成回顧番組や、先日のジャニーズ喜多川氏の業績を振り返る特集などで、久々にSMAPの映像が流され話題になったが、それまではヒット曲を振り返るような音楽番組でSMAPやSMAPの曲などがなかったことにされるというケースも多かった。


 ここまでの徹底ぶりが、単なる「忖度」「暗黙の了解」「誤解」などで済まされるわけはないだろう。


●巧妙化するジャニーズ事務所の圧力!独立から数年かけてテレビから排除


 しかも、2016年のSMAP分裂騒動でジャニーズ事務所の強権体質に露わになりファンたちがネットを中心に批判の声を上げ、事務所にも抗議が殺到したことから、ここ数年、一段とジャニーズ事務所の圧力は巧妙化している。


 3人がジャニーズ事務所を退所した2017年9月の終わりには、まず香取の『SmaSTATION!!』だけが打ち切られるが、この時点ではそれ以外3人のレギュラー番組は1人1番組ずついったん継続された。しかし、この番組継続は、独立と同時に3人のレギュラー番組をすべて一斉に打ち切るとあまりに露骨で分裂騒動時のようにファンたちの反発を食らう可能性があるため、ジャニーズとテレビ各局が暫定措置をとっただけ。実際は目立たないようにフェイドアウトさせていく作戦だと危惧されていた。


 そして、この危惧は現実のものとなる。2018年3月に香取の『おじゃMAP!!』と草なぎの『『ぷっ』すま』が違うテレビ局なのになぜか歩調を揃えるように打ち切られ、さらに唯一残っていた『ゴロウ・デラックス』も2019年3月をもって終了。独立から1年半を経て、圧力が弱まるどころか、稲垣・草なぎ・香取の3人のテレビ追放は完遂されたのである。


 フェイドアウト作戦だけではない。3人の独立が避けられないとわかった頃から、ジャニーズ事務所は香取について「芸能界引退しアーティスト転向」「芸能の仕事に対するやる気を失っている」と香取本人が番組をやめたがっているという情報を御用メディアに盛んにリークし、「事務所は継続を認めたが、本人たちの希望で終了」という情報操作をはかっていた。


 この情報操作に抵抗するように、香取本人が退所報道直後の『スマステ』や『おじゃMAP』のなかで、「16年目の『スマステ』、今夜もですね、いままでどおりに、いつも以上にがんばります!」「末永く『おじゃMAP!!』が続きますように」「俺、引退しないから」と繰り返し発言するということもあった。


●ジャニーズ圧力問題を追及できないテレビ局の癒着体質


 今回、「注意」にとどまったとはいえ、公取委が動いたことをきっかけに、ジャニーズ事務所(をはじめとする大手芸能事務所)圧力問題が徹底追及されることを願いたいが、民放各局の報道ぶりを見ていると、残念ながらそうは思えない。


 17日、NHKは21時前に速報を打ち、『ニュースウオッチ9』ではトップでこの問題を扱った。しかし、その夜の約1時間後に始まったテレビ朝日の『報道ステーション』はこの問題を一切扱わず、日本テレビの『news zero』とフジテレビの『FNN Live News α』は23時半過ぎにジャニーズ事務所の否定コメントを待ってストレートニュースで報道。唯一、TBSの『news23』だけはトップでこの問題を報道、圧力を批判する街の声を紹介したり、アンカーの星浩が「TBSにも調査に協力してもらいたい」と自局の責任にも言及するなど、踏み込んだ報道をした。


 この各局の対応の差は、ジャニーズ事務所と各局の距離感をそのまま表している。いちばん踏み込んだ報道をしたTBSは、分裂騒動時、ジャニーズ事務所から中居正広を守ると内々に宣言するなど藤島ジュリー景子副社長体制と距離を置いているとされる。それ以外は嵐ブレイク前からジュリー副社長とベッタリの日本テレビ、SMAPとの関係も深かったが毎年ジャニーズカウントダウンライブを中継するなどしているフジテレビ、昔からジャニーズJr.の番組を押し付けられるなどジャニーズに言いなり奴隷状態のテレビ朝日。公取委が動く事態となっても、結局ジャニーズと関係性に気を遣い顔色をうかがった報道しかできないのだ。


 しかも、いまのところ、18日にNHKが報じた圧力証言を後追いするテレビ番組はない。


 ジャニーズ事務所圧力問題は、ジャニーズ事務所だけの問題ではなくテレビ局自身の問題でもある。このジャニーズ事務所とテレビ局の共犯関係・癒着構造があらためられない限り、圧力問題が根絶されることも明らかになることもないだろう。


●元KAT-TUN赤西仁も「忖度させるよう仕向ける見えない圧力」問題を指摘


 ジャニーズ事務所を脱退した元KAT-TUNの赤西仁が、この圧力問題を報じるニュースについて、〈こうゆうのが蔓延ってるから日本のエンタメがどんどんつまらなくなっていくの。日本TVの作品もずっと同じクオリティでぐるぐる〉〈才能が育たない〉とツイートしていたが、その通りだろう。


 今回NHKが報じた「◯◯を出したら、所属タレントを出演させない」という圧力は、元SMAPだけでなく、赤西ら他のジャニーズ事務所を辞めたタレントたちや、かつてのDA PUMPなど他事務所の男性グループも被害を被ってきたものだ。


 本日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)など、いまもジャニー喜多川氏の功績を振り返る特集があふれているが、その功績はこうした圧力で男性アイドルグループを独占してきたことで築かれたものだ。赤西の指摘するとおり、一方で、ジャニーズ以外の才能の芽を潰し、日本のエンターテインメントの幅を狭めてきた面もある。


 赤西は、〈でも“圧力をかけている”という風に見えないように忖度を自主的にさせるように仕向けてたとしても、ちゃんと独禁法にひっかかるのだろうか?〉ともツイートしていたが、「忖度」で片付けず、「見えない圧力」についても防ぐような方策が必要だろう。


 ジャニーズ事務所は「今後は誤解を受けないように留意したい」などとコメントをしていたが、テレビ局の弱腰報道を見ていると、ジャニーズの圧力はさらに巧妙化するだけではないかとすら思えてくる。全テレビ局は、今すぐ第三者委員会でも設置して、「見えない圧力」も含め、圧力と忖度の実態を調査し明らかにするべきだ。
(編集部)


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