波瑠 驚異の連ドラ出演率の背景にドラマ現場での「男前」評価

7月21日(土)7時0分 NEWSポストセブン

この3年間、出ずっぱりの波瑠

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 7月から新しいクールのドラマが始まったが、各局のラインナップの中にまたしても波瑠(27才)の名前を見つけた。今回は、連続ドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)で主演を務めている。波瑠の連ドラ出演が続くのはなぜなのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。


 * * *

「ずっと出ているな」という感覚ではないでしょうか。事実、波瑠さんは、今年1〜3月クールで『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(日本テレビ系)、4〜6月クールで『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)、7〜9月クールで『サバイバル・ウェディング』に出演。


 昨年も1〜3月クールで『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK)、4〜6月クールで『あなたのことはそれほど』(TBS系)、一昨年も4月2日まで朝ドラ『あさが来た』(NHK)、4〜6月クールで『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、7〜9月クールで『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)に出演しました。


 この3年間、12クール中9クールの連ドラに出演し、しかもすべて主演かヒロインを務めたのです。さらにこの間、3本のスペシャルドラマに出演し、今秋には映画2作も公開予定。バイプレーヤーの中堅男優ならまだしも、主演級の若手女優は「多くても年2本まで」と言われる中、なぜこれほどの超ハイペースで出演を重ねているのでしょうか。


◆演技力よりイメージが重要な時代


 3年間で波瑠さんが出演した作品のジャンルは、刑事モノ2作、恋愛モノ2作、夫婦モノ1作、母娘モノ1作、家族モノ1作、朝ドラ1作。作品ジャンルが多岐に渡る上に、民放各局やNHKを総ナメ状態であることから、さまざまなプロデューサーが「今、最もキャスティングしたい女優」である様子がうかがえます。


 その理由は、視聴者が波瑠さんに抱くイメージの良さ。現在、連ドラは「視聴率2桁をキープすることが難しくなっている」一方、「ネットニュースやSNSではトップクラスのネタになっている」という矛盾を抱えています。


 そのため主演やヒロインに求められているのは、視聴率2桁をキープできる知名度の高さと、ネットニュースやSNSで好意的に扱ってもらえるイメージの良さ。あるプロデューサーとの雑談中、「今は視聴者のイメージが演技力より重要」という言葉を聞いたくらいです。


 その他でテレビマンたちから聞くのは、「波瑠さんは年齢性別を感じさせないムードがあるから、どんなジャンルのどんな役でも違和感が出にくい」という声。フラットな佇まいだから、キュートなOLから、熱血刑事、ドS弁護士、闇を抱える女性まで、さまざまな役柄のオファーがあるのでしょう。

朝ドラ出演まで50作以上の助演を務めあげた地道な経歴と、元『Seventeen』『non-no』モデルらしい華やかさを知っているテレビマンたちの評価は、一般の視聴者以上に高いのです。


◆ハードな撮影とバッシングに耐える心身の強さ


 もう1つ特筆すべきは、特定のイメージを持たれにくく、嫌われにくいタイプの女優であること。


 清潔感のあるショートカット、笑顔の多さに加え、自然体の振る舞いは好感度が高く、「こんな人だよね」と特定のイメージを持たれたり、「この人、見たくない」と毛嫌いされたりすることは、ほとんどありません。


 バラエティー時も女優然としたところがなく、肩の力が抜けた状態でいられるのも魅力の1つ。たとえば、16日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ系)で「苦手なタイプの男性」を聞かれたときも、嫌みがないコメントで笑いを誘っていました。こういう受け答えで「あざとい」と嫌われる女優も少なくない中、波瑠さんにそうした心配がないのです。


 また、波瑠さんは撮影現場での気の利いた振る舞いを見せることでも知られています。スタッフや共演者を気づかえるのは、もともとの人柄である上に、下積み期間で「オファーの貴重さやオーディションのつらさが身に染みている」という側面もあるでしょう。現在もそんな振る舞いが続いているため、超ハイペースによる燃え尽き症候群はないと思われます。


 さらに撮影現場での評価を高めているのは、体調不良で倒れない体の強さと、バッシングに負けない心の強さ。早朝から深夜に及ぶ連日の撮影に加えて、主演やヒロインはバラエティーへの番宣出演や雑誌・ネット媒体の取材で多忙を極めるだけにタフさが要求されます。


 昨年放送された『あなたのことはそれほど』で不倫に走る女性を演じたとき、役と本人を混同した理不尽なバッシングを受けましたが、波瑠さんは毅然とした態度を取って乗り切ったことで、現場の評判はますますアップ。スタッフや共演者がこぞって「男前」「カッコイイ」と称える心身の強さが魅力となっているようです。


武井咲は3年で大幅なペースダウン


 近年、波瑠さんに匹敵する超ハイペースで出演した若手女優が1人だけいました。それは2012〜2014年の12クール中8クールで主演やヒロインを務めた武井咲さん。


 その後、武井さんは、2015年に4クール中1クールとペースを大幅に落としたあと、2016年は4クール中3クール、2017年も4クール中3クールと再びハイペースに。ただ今年は妊娠による産休で出演作はなく、今月中の復帰が予定されています。


 波瑠さんは今秋以降、武井さんのようにいったんペースを落とすのか? それとも、いけるところまで突っ走るのか? 助演の経験も豊富なだけに、主演やヒロインにこだわらないユーティリティ俳優としての活動も可能ですし、新たなプロデューサーや監督との出会いがあれば、ますます女優としての幅が広がるでしょう。


 波瑠さんは現在27歳ですが、30代に突入したとき、綾瀬はるかさん(33歳)や石原さとみさん(31歳)のように連ドラのトップシーンをけん引し続けられるのか。未知数なところはあるにしても、その一番手の20代女優であることに疑いの余地はありません。



【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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