「はねバド!」キャスティングに込められた制作陣の想い|プロデューサー対談【後編】

7月22日(日)18時30分 アニメイトタイムズ

高校生の羽咲綾乃たちがバドミントンに熱い青春を燃やすTVアニメ「はねバド!」(濱田浩輔さん原作、講談社『good!アフタヌーン』連載中)が好評放送中!

そんな注目作「はねバド!」のキャストやスタッフの座談会企画をお送りしていますが、第2弾は東宝の細井駿介さんとライデンフィルムの新家朋人さんのWプロデューサー対談を前後編に渡ってお届けしています。後編の今回は「はねバド!」のキャスト決定秘話と、アニメの見どころについて語っていただきました。□https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1531574457 (P対談【前編】TVアニメ化に感じた確かな手応え)


主人公の綾乃&なぎさは満場一致! なぎさ役の島袋さんはなんと1人目!?
——キャスト陣はどのように決まっていったのでしょうか?

東宝 細井駿介さん(以下、細井):メインキャラクターのキャスティングは完全オーディションで行っています。基本的にキャラクターに合う人というのが大前提で、プロデューサーとしては宣伝という部分も考えないといけないので、その条件にハマる人という評価軸も用意してオーディションに臨みました。主役の綾乃役の大和田仁美さんとなぎさ役の島袋美由利さんに関しては満場一致でしたよね。

ライデンフィルム 新家朋人さん(以下、新家):オーディションは5日間で計200人くらいの方がいらっしゃいましたが、大和田さんと島袋さんがセリフを言った時、みんなが「おっ」と。特に島袋さんはなぎさ役の中のトップバッターで、全体でも3番目でしたが、聴いた時、「なぎさっぽいな」と。その後に何十人か聴きましたが、最初の島袋さんがよかったねとなりました。細井:大和田さんはある程度オーディションが進んだところでの登場でしたが、彼女以降にイメージにハマった人はいなかったなという印象を自分は持ちました。それくらい2人は飛び抜けて印象が強かったですね。他のキャストについても、あまり意見が割れることはありませんでした。

新家:皆さん、意見が一致してましたね。

細井:皆のイメージが近かったことはうれしかったですね。監督やスタッフ、原作さんも含めて同じ方向で理解が共通していたのだと思います。

 
鍵を握る綾乃の母、有千夏とコーチの立花のキャスト決定のポイントは?
——物語で大きなカギを握る綾乃の母、有千夏役の大原さやかさんについては?

細井:有千夏は綾乃や、彼女の周辺に絡んでくる子たちとのバランスが必要なキャラクターなので、は若林さんからもご提案をいただきながら決めていきました。

——あと綾乃たちをコーチする立花役の岡本信彦さんですが、ご本人もバドミントン経験者でもあって適役だなと思いました。

細井:バドミントン経験者であるというところは選考には殆ど関係していません。立花はコーチとしての一面や、大学生としての一面、コメディーキャラクターとしての一面など、求められる幅が広いキャラクターだと思うんですが、岡本さんはその要求に応える演技をしてくれました。新家:最初はコミカルな感じで入って、2話の最後でカッコよくなりますが、その幅はさすがだなと思います。

細井:オーディションでは続けてセリフをどんどん言っていくので、その中でのテンション感の切り替えが難しかったと思うのですが、岡本さんは立花の演技にしっかりと幅を持たせてくださいました。

——先日、大和田さんや島袋さん、岡本さんに現場の雰囲気をお聞きしたら「部活みたい」だと。収録はピリっと、休憩中は和やかなそうで。

細井:アフレコ自体も時間をかけて行われていて、通常のTVアニメよりも長い時間やっていると思います。

 
2人が感情移入するキャラは努力型のあのキャラ!?
——個人的に好きなキャラを挙げるとすれば?

細井:僕も高校卒業までガッツリとサッカーをやっていたんですが、挫折組でもあるので、なぎさや石澤、あるいは北小町のほかの部員たちにすごく感情移入しました。もがいて強くなろうとしているキャラにひかれます。

自分は高校時代に後にプロ入りした選手に叩きのめされたことがあり、自分があそこまで行くのは無理だなと悟ってしまったことがあって。だから、この作品のキャラクターたちのように、才能だとかの大きな壁がありながらも、それでも頑張るんだと強い気持ちでやっているところに心を動かされてしまうんですよね。新家:僕も石澤が好きですね。スポーツや部活をやっていた子の多くは石澤みたいな子に感情移入するんじゃないでしょうか。

細井:何かと努力する側として見られるなぎさと石澤ですが、それぞれ違うアプローチで描かれているんです。なぎさは壁に当たっても基本的には自分で解決していけるところが強いキャラクターですけど、石澤はずっと倉石監督の言うことを聞き続け、ロボットみたいにやっていたところから一歩踏み込んで成長していく、というドラマがあるキャラで。そこが新家さん的には……。新家:きますよね(笑)。

細井:監督も言っていましたが、世代によっては部活でスパルタ式でやっていた(石澤が所属する逗子総合高校の監督の倉石みたいな指導者に教わっていた)人と、立花みたいな、プレイヤーにヒントを与えて自分で考えさせるような指導者に教わっていた人とで分かれると思うんです。なので、スポーツ経験者の視聴者の方の中では、どちらかに感情移入できるかが結構別れると思います。

 
完成直後は映像に圧倒されてスタッフ一同無言に。先行上映会で手応えも
——1話が完成した時にご覧になった感想は?

細井:今でも思い出しますが、V編が終わった時、その場にいた人たち皆、言葉が出なくてシーンとしましたよね。圧倒されました。すごい1話ができたなと。監督が思い描いていたもの、シナリオチームも含めて、この作品に込めようと思っていたことがかなり表現されていました。自分たちが目指していたものがいい形になりかけていると実感できました。

新家:アニメの制作現場を見ていると、カッティングがあって、アフレコがあって、ダビングでSEを付けて……という流れですが、カッティングのほうがおもしろかったという時も結構あるんですよね。

「はねバド!」に関しては工程を経るごとに確実に厚みを増していく、おもしろさを増していくのが実感できて、最後にOPとEDを付けて完成版ができた時、いろいろな人が手を入れてくれることで、より良いものになっているということを再確認させてくれました。——本日、先行上映会が行われましたが、お客さんの反応はいかがでしたか?

細井:すごく良いですね。1〜3話は原作から構成を大きく変えていて、1話で原作通りなのは立花が綾乃の手をさすさすしているところくらいですし、キャラに関してもまったく違う役割を持たせてしまったキャラもいて、どう受け取られるのか不安ではありました。もちろん、構成は大きく変えつつ、違うと思われないものを目指して作ってきたという自信はあったんですが、それがどう受け取られるかは出してみないと分からないので。でも原作を知っている方ほど理解や納得してくださったようでホッとしました。

新家:ちゃんと同じ作品なんだと認識してもらえて安心しました。

細井:絵と音に対しても、お客さんの反応がすごく良かったですよね。なんだか映像を出せば出すほど、ハードルが上がっていっている気がします(笑)。

PVの第1弾を出してハードルが上がって、第2弾ではキャラ見せを中心にした構成にしたんですが、映像に対しての期待度はさらに上がったし、そして今日の先行上映会でも、映像のクオリティとこれからの展開への期待がより高まったなという印象を持ちました。


 
原作の長所であるダイナミックな描写にアニメならではのアプローチをプラス
——原作ファンの方にとってもアニメ化の意義を感じてもらえたのでしょうか? 特にバドミントンのシーンはアニメならではだと思います。

細井:原作ではマンガでしかできないバドミントンのダイナミックさを出そうとすごく考えて描かれているなと思います。アニメではそういった原作の表現ももちろんですが、カメラをダイナミックに動かして撮るなど、アニメだからこそできるアプローチでもバドミントンの持つダイナミックさを表現できればと思っています。

——本格的にバドミントンを描きながら、女の子たちの青春を描いたり、個性的かつ様々なかわいさを持ったキャラたちが登場したりするので入口は広くて、見やすいと思います。それで見てみたら「すごい!」と驚くような映像表現もある。

細井:一度見てもらえればという自信はありましたが、それが一番難しいところでもあります。PVなどの反響を見ていると、すごくストイックな作品だと思っていただいている方も多く、人によっては正座して見ないとと思われている方もいらっしゃると思います。

ただ、それだとどんどん入り口は狭まってしまうので、作品視聴のハードルを下げようと宣伝プロデューサーをはじめとした宣伝スタッフも頑張ってくれています。それがうまくいって、1話、2話、3話……と見てもらえれば、きっと気に入ってもらえる自信があります。

新家:日曜の夜に見るにはハード過ぎるかもと思いつつも、誰が見ても評価してくれる作品になっていると思います。

 
アニメとしてのトータルの完成度に自信!
——改めてこの作品の魅力や見どころを教えてください。

細井:映像、役者さんの演技、音楽、音のトータルでの完成度ですね。日常シーンなど、バドミントン以外のところもこだわって作っているので、クリエイティブが強い作品であることは間違いないと思います。それを最後まで続けられればいいなと思っています。

またストーリーに関しては原作から変えつつ構成を作っていますが、原作で魅力的に描かれているキャラたちをTVシリーズという短い中で、一人ひとり深堀りしていくことにも妥協せずにチャレンジしています。

僕や新家さんがなぎさや石澤に感情移入をしたように、視聴者の皆さんも誰かしらに感情移入できると思うんです。自分はこの作品の中だとどのキャラクターだろうなと思いながら見ていただくのも楽しみ方の1つかなと思います。新家:僕個人としてはバドミントン経験者が見ても違和感なく見られるものを作っていきたいと思っています。原作を読んで一番最初に思ったことですが、負けた人たちを100%肯定してくれる優しい作品だと思いました。負けた後も彼ら彼女らの人生は続いていくし、負けたことも意味があるというメッセージを感じるんです。

アニメでもそれは同じだと思っていて、綾乃やなぎさたちはいろいろな相手と試合をしますが、勝ったほうだけではなく、どう負けてその後どうなっていくのかにも想いを馳せながら見ていただければと。

細井:ドラマとしてはストイックな作品ですが、キャラたちに向けるまなざしはとても優しい作品です。 
主人公・天才プレイヤーの綾乃の葛藤と成長にも注目!
——あとは綾乃というキャラクターですね。ぽやっとしていたり、天真爛漫に見えますが、作中で過去のシーンが少しずつ出てきて、いろいろな表情や心情も徐々に見えてきて。

新家:難しい子ですよね(笑)。

細井:天才ゆえの……と言われつつ、実はそうではないのかもしれないという議論が我々の中でもありましたよね。新家:葛藤も抱えているし。

細井:テクニックやセンスはすごいけど、身長は低く、体力もないという弱点もあって。フィジカル面ではなぎさのほうが恵まれていて、身長など身体的なアドバンテージも才能とするのであれば、なぎさも天才と呼べるんじゃないかと、見方を変えたら一転するんじゃないかという議論もあって。そうなるとどんどんキャラを描いていくのが大変になっていくんですけど(笑)。それも楽しみながらやっていますね。

 
目指すは誰もの記憶に残る作品!
——では皆さんにメッセージをお願いします。

細井:「はねバド!」僕個人としては、この作品をどうしても映像化したいという一心から始まって、スタッフの皆さんもキャストの皆さんもこの作品をいいものにしようと思って関わってくださって、本当に幸せだと思います。

いちファンとしてここまで追いかけてきた原作がこういう形で、いろいろな人の手や気持ちを借りて作れている幸せを、皆さんにも感じてもらえるものにしたいなと思っています。

最後まで見ていただければ必ず何かを残せると思っています。キャラクターたちがどんな選択をしていって、それを江崎監督をはじめとしたアニメスタッフがどうスポットを当てて描いているのかも注目して最後まで見てもらえたらうれしいです。新家:まず原作ファンの方には冒頭からオリジナル展開になっていて面食らったところもあったかもしれませんが、僕らなりに「はねバド!」という作品に真摯に向き合って作っています。

皆さんの目からどう映るのか聞いてみたいです。また、スポーツに真剣に取り組んでいた身としては、楽しかったり挫折したりの思い出を反芻しながら作っているところもあります。今何かにに打ち込んでいる人たちにも見てもらって、綾乃やなぎさに共感してもらえたらいいですね。

また制作が始まったころ、細井さんと話したのですが、「はねバド!」がバドミントンと聞いて一番最初に連想されるような、皆さんの記憶に残る作品にできたらと思います。

細井:この作品で初めてバドミントンを知ったり、バドミントンを始めるきっかけになるような作品にもなったらいいですよね。そしてバドミントンというスポーツの素晴らしさを伝えたり、すそ野を広げることにも繋がったらいいなと願っています。★特別番組「もりバド!」(「大和田仁美と島袋美由利のはねバド!そしてバドミントンを盛り上げる特別番組」)好評配信中!
配信ページ: http://hanebad.com/special/detail.php?p=1&id=moribad (http://hanebad.com/special/detail.php?p=1&id=moribad)

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