東出昌大主演、三浦透子ら共演『とべない風船』公開決定 特報&コメントも到着
2022年7月22日(金)17時0分 シネマカフェ
東出昌大の主演最新作『とべない風船』の劇場公開が決定。ティザーポスターと特報映像が解禁となった。
本作は、豪雨で家族を失い心を閉ざした主人公が、元教師の女性と出会い、家族でも恋人でもない2人の永遠に晴れそうにない心の行方を、多島美が連なる瀬戸内海の故郷を舞台に描いた感動作。
本作の監督・脚本を務めるのは、広島県出身で学生時代から映像制作に携わり、CMディレクターとして活躍してきた宮川博至。前作の中編映画『テロルンとルンルン』(18/岡山天音主演)が広島国際映画祭を皮切りに国内外の映画祭に多数出品、全国劇場公開も果たした新進気鋭の映像作家だ。長編1作目となる本作では、広島も襲われた平成30年の西日本豪雨による土砂災害をテーマの一つとして描いており、災害から今年で4年が経ち、風化への警鐘を鳴らすことも本作の一つの目標としている。
主演の東出昌大は、数年前に起こった豪雨で家族を失い心に傷を抱えたまま、瀬戸内海の島で漁師をしながら孤独に生きる主人公・憲二役を演じる。共演には、過去のトラウマから周囲と関係がうまくいかず島に逃げてきた元教師の凜子役に三浦透子。元教師で引退後は地元の島に戻り静かに暮らしている凛子の父親役で小林薫。島民行きつけの居酒屋の明るい女将役で浅田美代子が登場する。
撮影は、広島県呉市蒲刈や江田島市など瀬戸内海の絶景「多島美(たとうび)」で有名な場所など、広島でオールロケを敢行。「多島美」とは、瀬戸内海など内海に浮かぶ、小さな島々が連なる様子を形容した言葉で、山頂から望む雄大な景観は瀬戸内海随一と称えられるほどだ。
到着した特報には、東出さん演じる憲二が、「大事なやつなんよ」「これは合図なんよ」と、物干しに黄色い風船をつなぐ理由を明かし、豪雨のなかで泣き叫ぶ様子も映しだされている。瀬戸内海の島を舞台に、悲痛な過去を持つ漁師の男と、人生に迷った元教師の女が出会い、2人にどのような運命が待ってるのか、気になる映像となっている。
併せて解禁となったティザーポスターは、空っぽの物干し台をとらえた上下逆さまの写真に、黄色い風船だけが上に向かって風に揺られているビジュアル。曇り空のような背景に、「心は晴れないのに、空は憎らしいほど青かった。」のコピーが添えられ、本作の奥深い魅力を表現している。
キャストコメント
・東出昌大
都会のスクランブル交差点でふと周囲の人々の顔を眺め、想う。
「この人達にも大切な人がいて、親との死別を経験したり、心が千々に砕けるような人生の瞬間があるのか」。
そう想像した時、心が濁流に飲み込まれるような感慨を覚えた事があります。
瀬戸内海の過疎化が進む漁村に住み、魚の掛からない網を引き揚げながら、遠くに吊るされた萎んだ風船を眺める男を演じました。
彼が何故風船を見つめるのか。私とは他人である彼の人生に想いを巡らせた時、生きていく事の複雑さと残酷さと、人と生きる素晴らしさを知りました。
青い瀬戸内の海のような作品です。
是非、映画館で多島美と、人の生きていく有りの儘をご堪能下さい。
・三浦透子
撮影中ずっと、この作品に関わる皆さまの広島という場所への愛を感じ続けていました。
その愛ゆえのやさしさを受けて生まれた一瞬が、映像の中にたくさん詰まっていると思います。
寂しさを共有する少しの勇気が、自分の明日を変えてくれる。
そんな温かい人と人の交わりを丁寧に切り取った作品です。
心に届く、愛される作品になってほしいです。
・小林薫
昨年秋の今と変わらずのコロナ禍での撮影でした。
呉のお店も自粛中であったりして、淋しいけどコンビニでお酒をまかなって部屋飲みとせざるを得ませんでした。だからちょっと、呉の街の印象は薄くなっているンですが、島から見る海の景色は忘れませんね。
蒲刈島や江田島での撮影が中心で、漁協の海も、丘の上のオリーブの木越しにみえる海もみな穏やかで、ついつい撮影をしていることを忘れてしまいがちになるほどでした。
心に負った傷が、ゆったりと流れる時間の中で。少ーしずつ癒されていく映画をご覧になりながら、そんな風景に身を預けてみて下さい。
・浅田美代子
コロナのさなか、瀬戸内海の綺麗な空気と景色に癒されました。広島の若いスタッフや監督との撮影は楽しく、沢山のエネルギーをもらいました。
『とべない風船』というタイトルがあまりに悲しくてツラい感じかなと思ったのですが、飛べない風船、飛べなくても飛ばなくちゃいけないんだという勇気がもらえた様な気がします。
家族、どんなにツラい過去、悲しい出来事があったとしても残された者は生きていかなくてはいけない...生きていたらきっと良いことがあるに違いないと信じたいです。
居る事が当たり前だと思っている家族ですが、もう一度家族の大切さを感じてほしいです。
・宮川博至(みやがわ・ひろゆき)監督
西日本豪雨は広島で生活している私にとって、初めて身近で起こった最悪の災害でした。
ここ広島で生活しているからこそ、豪雨災害をテーマに映画を作らなければならない。
そう思い、私は脚本を書き始めました。
人は、簡単に「災害が起こった場所などに住まず、引っ越すべき」「もっと他にいい場所はたくさんある」と言います。それも正しい。
しかし、事実としてその場所から離れられない人もいます。その人たちの事情を聞けば、口にできない言葉が増えていきます。
前向きになんてならなくていい、ただ映画を見ているその時間だけでも前を向く気持ちが少しでも芽生えればと思い、この映画を作りました。
『とべない風船』は今冬、広島にて先行公開。2023年正月新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。
本作は、豪雨で家族を失い心を閉ざした主人公が、元教師の女性と出会い、家族でも恋人でもない2人の永遠に晴れそうにない心の行方を、多島美が連なる瀬戸内海の故郷を舞台に描いた感動作。
本作の監督・脚本を務めるのは、広島県出身で学生時代から映像制作に携わり、CMディレクターとして活躍してきた宮川博至。前作の中編映画『テロルンとルンルン』(18/岡山天音主演)が広島国際映画祭を皮切りに国内外の映画祭に多数出品、全国劇場公開も果たした新進気鋭の映像作家だ。長編1作目となる本作では、広島も襲われた平成30年の西日本豪雨による土砂災害をテーマの一つとして描いており、災害から今年で4年が経ち、風化への警鐘を鳴らすことも本作の一つの目標としている。
主演の東出昌大は、数年前に起こった豪雨で家族を失い心に傷を抱えたまま、瀬戸内海の島で漁師をしながら孤独に生きる主人公・憲二役を演じる。共演には、過去のトラウマから周囲と関係がうまくいかず島に逃げてきた元教師の凜子役に三浦透子。元教師で引退後は地元の島に戻り静かに暮らしている凛子の父親役で小林薫。島民行きつけの居酒屋の明るい女将役で浅田美代子が登場する。
撮影は、広島県呉市蒲刈や江田島市など瀬戸内海の絶景「多島美(たとうび)」で有名な場所など、広島でオールロケを敢行。「多島美」とは、瀬戸内海など内海に浮かぶ、小さな島々が連なる様子を形容した言葉で、山頂から望む雄大な景観は瀬戸内海随一と称えられるほどだ。
到着した特報には、東出さん演じる憲二が、「大事なやつなんよ」「これは合図なんよ」と、物干しに黄色い風船をつなぐ理由を明かし、豪雨のなかで泣き叫ぶ様子も映しだされている。瀬戸内海の島を舞台に、悲痛な過去を持つ漁師の男と、人生に迷った元教師の女が出会い、2人にどのような運命が待ってるのか、気になる映像となっている。
併せて解禁となったティザーポスターは、空っぽの物干し台をとらえた上下逆さまの写真に、黄色い風船だけが上に向かって風に揺られているビジュアル。曇り空のような背景に、「心は晴れないのに、空は憎らしいほど青かった。」のコピーが添えられ、本作の奥深い魅力を表現している。
キャストコメント
・東出昌大
都会のスクランブル交差点でふと周囲の人々の顔を眺め、想う。
「この人達にも大切な人がいて、親との死別を経験したり、心が千々に砕けるような人生の瞬間があるのか」。
そう想像した時、心が濁流に飲み込まれるような感慨を覚えた事があります。
瀬戸内海の過疎化が進む漁村に住み、魚の掛からない網を引き揚げながら、遠くに吊るされた萎んだ風船を眺める男を演じました。
彼が何故風船を見つめるのか。私とは他人である彼の人生に想いを巡らせた時、生きていく事の複雑さと残酷さと、人と生きる素晴らしさを知りました。
青い瀬戸内の海のような作品です。
是非、映画館で多島美と、人の生きていく有りの儘をご堪能下さい。
・三浦透子
撮影中ずっと、この作品に関わる皆さまの広島という場所への愛を感じ続けていました。
その愛ゆえのやさしさを受けて生まれた一瞬が、映像の中にたくさん詰まっていると思います。
寂しさを共有する少しの勇気が、自分の明日を変えてくれる。
そんな温かい人と人の交わりを丁寧に切り取った作品です。
心に届く、愛される作品になってほしいです。
・小林薫
昨年秋の今と変わらずのコロナ禍での撮影でした。
呉のお店も自粛中であったりして、淋しいけどコンビニでお酒をまかなって部屋飲みとせざるを得ませんでした。だからちょっと、呉の街の印象は薄くなっているンですが、島から見る海の景色は忘れませんね。
蒲刈島や江田島での撮影が中心で、漁協の海も、丘の上のオリーブの木越しにみえる海もみな穏やかで、ついつい撮影をしていることを忘れてしまいがちになるほどでした。
心に負った傷が、ゆったりと流れる時間の中で。少ーしずつ癒されていく映画をご覧になりながら、そんな風景に身を預けてみて下さい。
・浅田美代子
コロナのさなか、瀬戸内海の綺麗な空気と景色に癒されました。広島の若いスタッフや監督との撮影は楽しく、沢山のエネルギーをもらいました。
『とべない風船』というタイトルがあまりに悲しくてツラい感じかなと思ったのですが、飛べない風船、飛べなくても飛ばなくちゃいけないんだという勇気がもらえた様な気がします。
家族、どんなにツラい過去、悲しい出来事があったとしても残された者は生きていかなくてはいけない...生きていたらきっと良いことがあるに違いないと信じたいです。
居る事が当たり前だと思っている家族ですが、もう一度家族の大切さを感じてほしいです。
・宮川博至(みやがわ・ひろゆき)監督
西日本豪雨は広島で生活している私にとって、初めて身近で起こった最悪の災害でした。
ここ広島で生活しているからこそ、豪雨災害をテーマに映画を作らなければならない。
そう思い、私は脚本を書き始めました。
人は、簡単に「災害が起こった場所などに住まず、引っ越すべき」「もっと他にいい場所はたくさんある」と言います。それも正しい。
しかし、事実としてその場所から離れられない人もいます。その人たちの事情を聞けば、口にできない言葉が増えていきます。
前向きになんてならなくていい、ただ映画を見ているその時間だけでも前を向く気持ちが少しでも芽生えればと思い、この映画を作りました。
『とべない風船』は今冬、広島にて先行公開。2023年正月新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。