応募者2128名! 本広克行が語った舞台「転校生」オーディションの“選考基準“

7月29日(月)17時0分 文春オンライン

『踊る大捜査線』シリーズの演出・監督や、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の総監督として知られる本広克行さんが、舞台『転校生』の演出を手がけるのは、2回目だ。



本広克行監督


『転校生』は劇作家・平田オリザさんの戯曲で、高校演劇のバイブル的存在。ある女子高の教室が舞台で、普段と変わりないある日、「朝起きたらこの学校の生徒になっていた」と言う転校生がやってくる、というストーリーである。登場人物は21人と多い。


「初めて観たのは現代美術家の飴屋法水(のりみず)さん演出の舞台。教室に1人おばあちゃんがいて最後は舞台がぶっ壊れていくんですが、解釈がアートすぎて何をやっているか全然わからない(笑)。ずっと興味があって戯曲を読んでみたら、それでもわからない。戯曲のページが上中下段に3分割されていて、舞台のあちこちで同時多発的に会話が進み、音が鳴る。まるで交響曲の楽譜みたいな戯曲なんですよ」


 2015年にパルコからの依頼で、初演の演出を受けた。女優は全員公募で選ぶ、という商業演劇としてはハードルの高い企画だった。


「オーディションでは、『これから女優としての経験を積んでいきたい』という意志を重視しました。演劇の新人役者って基本はノーギャラですが、プロとしてギャラも支払い、稽古も普通は安い公民館などでやりますが、ちゃんとした稽古場でやったんですよ」



 中には、その後大きく羽ばたき、今も映画や舞台で活躍している女優もいる。


 今回は前回の約1.5倍の2128名から応募があった。



前回と違う、今回選ばれた役者の基準は?


「前回と違い、タレント性重視で選びました。中にはコスプレイヤーとして既に有名な子や、映画に何本も出て注目されている子もいます。あとは、オーディションアプリで勝ち抜いた子も加えています」


 今回は平田オリザさんから“男子校版”の提供も受けた。


「オリザさんによると、『転校生』はカフカの『変身』をモチーフにしているそうですが、男子校版は中島敦の『山月記』がモチーフだそうなんです。2つの戯曲は、台詞はほとんど同じですが、そもそも同じテキストでやっても、演出家によって全然違う舞台になる奥の深い戯曲ですからね」



 今回のチャレンジは?


「4年前は、観た人のほとんどから、すごくノスタルジックな気持ちになったと感想を頂いた。そういう風に作ったつもりはなかったんですが、教室の夕暮れや蜩(ひぐらし)の鳴き声がする懐かしい感じ、子どもたちがいる動と静の境を舞台上で描きたいな、と思います。


 あとはオリザさんが観に来られるので、中途半端なことはできない。前回以上に、変なことやってんねぇ、と言われなきゃいけませんね。


 そしてもう1つ——ここからまた、新しいスターが巣立って欲しいなと思います」



もとひろかつゆき/1965年生まれ、香川県出身。横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)卒業後、アルバイトを経て、ベイシスに入社。98年、株式会社ROBOT映画部に、2013年からは、株式会社Production I.G企画室所属。映画『亜人』『幕が上がる』監督、舞台『演劇入門』演出など。




INFORMATION


PARCO Produce公演 『転校生』男子校版&女子校版

8月17日(土)〜27日(火)紀伊國屋ホール

脚本:平田オリザ 演出:本広克行

http://www.parco-play.com/web/play/tenkosei2019/




(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年7月25日号)

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