阪本奨悟、1年8ヶ月ぶりのワンマンライブ「みんなの笑顔を見て幸せを感じています」

7月29日(木)11時30分 Rooftop

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阪本奨悟が7月27日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて『阪本奨悟ワンマンライブ2021「=∞」』を開催した。昨年10月に2ndアルバム『=+』をリリースした阪本。同作のリリースを記念したこのライブは、今年1月に行われる予定だったが一度延期に。今回は、新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに則り、万全の対策をとったうえで開催された。そのため、入場者数は普段より抑えられていたものの、1人でも多くの人にライブを観てほしいという想いから2部制での開催に。また、この記事でレポートする第2部では、LIVESHIPでの生配信も行われた。

開演時刻になると、SEをバックにバンドメンバーが登場。観客が拍手を送る中、阪本がステージに登場すると、拍手の音量はもう一段階大きくなった。阪本がワンマンライブを行うのは、2019年12月のファンクラブイベント以来で1年8ヶ月ぶり。この瞬間を待ちわびていたファンは多かったことだろう。1曲目は、メジャーデビュー曲の「鼻声」。阪本がアコースティックギターを弾くと、観客がペンライトを灯し、フロアが光で満たされた。希望の象徴=黄色の光が広がる目の前の光景に、目を細める阪本。昨年の外出自粛期間に作られたアルバム『=+』のタイトルには、“誰もが日常のあらゆる出来事をプラスに転換できる力を持っていて、どんなに苦しい出来事があってもいい方向に向かう瞬間が必ず訪れる”という願いが——さらに『=∞』というライブタイトルには、“+を越えて無限大に感動できるくらい、楽しくて一体となれるLIVEにしたい”という想いが込められているとのこと。声が出せない分、別の形でライブを楽しむ人々の姿には、阪本の信じる希望が投影されている。

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「鼻声」を歌い終えると、ドラムが曲間を繋ぎ、自然と手拍子が起こる。両腕を広げながら「みなさんようこそ、『=∞』へ!」と挨拶した阪本は満面の笑みで、楽しくてたまらないといった様子だ。自らエレキギターを弾くアッパーチューン「無限のトライ」でアクセルをぐっと踏み、間を空けず「砂漠のレース」へ。バンドメンバーによる間奏でのソロ回し後には、阪本のボーカルにもさらに熱が入り、アウトロではスキャット的な歌唱とバンドのサウンドが絡み合う白熱の展開となった。バンドの締めと同時に阪本が両腕を広げると、観客は興奮そのままに拍手を送る。

この日のバンドメンバーは、小名川高弘(Key./Acoustic Guitar/Band master)、渡辺裕太(Gt.)、宮本將行(Ba.)、河村吉宏(Dr.)といった面々。それぞれが演奏家として強い個性を持っているだけに、バンドサウンドは、まるでおもちゃ箱から飛び出したかのようにカラフルで楽しい。そうなると、阪本にはバンドを従えるボーカリスト/フロントマンとしての力量が求められるわけだが、ボーカルは力強く頼もしく、身振り手振りや立ち振る舞いも含めたステージングは、つい目で追ってしまうほど華やかだった。しかも「バンドを引っ張らなきゃ」と気負っている感じはなく、笑顔を絶やさない当人は、純粋に音楽を楽しんでいる様子だからすごい。阪本のアコギと渡辺のエレキによるユニゾンのフレーズがバッチリキマッた「パラレルな関係」、「もっともっと、飛ばしていくよー!」と観客に投げかけると同時にその歌でバンドを引っ張っていく腕っぷし、朗読を挿入することでメッセージを立体的にさせる「激浪」のアレンジ、“中音域特有のふくよかな響きを保つ”というテクニカルな部分と“聴く人の心に訴えかける”という表現としての部分を両立させた歌唱……。音楽でも勉強でもスポーツでもそうだが、人は上達したり何かを習得したりすると、自分が思い描いていた通りのことができるようになり、楽しいから、また熱中するようになる。阪本もまた、ミュージシャンとしてそういう好循環に入り始めているのではないだろうか。そう思わせられる場面がライブの序盤から続いていた。

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5曲終えたところでこの日最初のMC。ここでは、第1部の観客が温かく迎えてくれたことも相まって「充実した気持ちでやれている」とう手応えや、無事ライブを開催できたことに対する喜びと感謝が語られた。そんななか、観客の中には、上司に頼んで会社を休んで来た人も多くいることが判明し、「頑張らないと!」と気合いを入れ直したり、おなじみの挨拶「しょごばんわ」を一緒に言えない代わりに観客にペンライトを振ってもらうも、その光景に「やっぱりシュールだ!」と笑ったり……と、飾らない人柄が垣間見える場面も多かった。また、『ミュージカル「刀剣乱舞」 〜幕末天狼傳〜』、『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』など、この1年で出演したミュージカルや舞台を振り返るMCでは、『「池袋ウエストゲートパーク」THE STAGE』磯貝トモミ役の台詞「クズどもが!」を生披露する一幕も。客席からの拍手に「何の拍手ですか?」「クズって言われたいってこと?」と困惑していたのが微笑ましかった。

「ピュアな恋心を歌った曲」と語られたバラード「恋してる」は、自らキーボードを弾きつつ、ルーパーを駆使して声を重ねるという一人多重奏形式で披露。ラストのアカペラに引き込まれた「わがまま」、再びキーボードに戻っての「無色」を終えると、ライブの後半に差し掛かった。ここでメンバー紹介として、バンドメンバーがそれぞれソロを披露。エンターテイナー精神溢れるプレイで観客を魅了すると、「そして最後のメンバーは、みなさーん!」と、この場にいるファンもライブに欠かせないのだと改めて伝えた。阪本が口ずさんだリズムを真似て観客が手拍子するという“コール&手拍子”的なやりとりを経て、「大革命」の疾走感へ。もう一つのデビュー曲「しょっぱい涙」では、〈何十回 何十回 君が背中押してくれた〉と歌いながら、このライブを共に作るファンの方を指した。アルバムのオープニングナンバーにあたるインストトラック「=+」をバンドで生演奏すると、早いもので残り1曲。本編最後は「太陽ランナー」で走り抜けた。

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アンコールでは、まず、先日発表された通り、7月31日を最後に所属事務所を離れ、新しくスタートを切ることをファンに直接報告。「みなさんと一緒にもっと素敵な景色を見たいし、表現者として、エンターテイナーとしてもっと自分を磨いていきたいと思っています。今まで以上に楽しみにしていてね」と意欲を語った。そして、新曲「風の声」を初披露。再出発に伴う前向きな気持ちから少しの不安まで、今の阪本の心情が素直な言葉で綴られた曲だ。時には両手でマイクを握り、その手を胸に当てながら、気持ちを込めて届けていく。

「声は聞けないけど、こうしてみんなの顔を見て、笑顔だったり、たくさんのものをいただいています。幸せを感じています」と伝えたあとは、「宝物」を披露。昔から温めていた曲で、かつての自分が書いた歌詞と現状が重なるのか、ステージに全てを置いていくかのように、腹の底から声を出す姿が印象に残った。ここで終演と思いきや、「何だかまた終われないなあ」、「明るく笑顔で楽しくお別れしたいので、もう1曲やっていいですか?」とのこと。そして、七色の照明の下で「人生のピーク」を歌い、大団円を迎えたのだった。

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9月には、四月一日君尋役として出演する『演劇調異譚「xxxHOLiC」』がスタート。俳優活動の話題も欠かないが、MCによると新曲をどんどん作っているらしく、ライブに関しては「この状況が落ち着いたら、ゆくゆくはツアーをまわりたい」「まだ行けていない土地にも行きたい」とのこと。先述の通り、音楽に前のめりに取り組んでいこうという姿勢は、この日のライブからもはっきりと伝わってきた。だからこそ、これから世に放たれるであろう新曲、ライブが楽しみなところ。ポジティブなエネルギーを漲らせ、新しいスタートを切っていく阪本奨悟の“今”を目撃したのだった。

文:蜂須賀ちなみphoto:関口佳代

阪本奨悟ワンマンライブ2021「=∞」振替公演2021年7月27日(火)東京・恵比寿LIQUIDROOM

<第2部>開場19:15/開演20:00
1.鼻声
2.無限のトライ
3.砂漠のレース
4.パラレルな関係
5.激浪
6.恋してる
7.わがまま
8.無色
9.大革命
10.しょっぱい涙
11.=+
12.太陽ランナー
-ENCORE-
13.風の声
14.宝物
15.人生のピーク

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※LIVESHIPにて生配信された第2部公演の模様は、
2021年7月28日(水)0:30(予定)〜2021年7月30日(金)23:59まで
アーカイブ視聴が可能です。
詳しくは特設サイトをご確認ください。


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