『スター・ウォーズ』など特殊効果の伝説フィル・ティペット30年越しの『Mad God』予告編が公開 ─ 奇妙でなつかしいストップモーション

7月29日(木)13時15分 THE RIVER

スター・ウォーズ』『ジュラシック・パーク』『ロボコップ』などの特殊効果で知られる伝説的アーティスト、フィル・ティペット30年越しの企画『Mad God(原題)』長編版がついに完成し、予告編が公開されている。ストップモーション作品や、1970〜90年代のSF映画ファンは必見だ。

フィル・ティペットは数々の有名ハリウッド映画で特殊効果やストップモーションを手掛けた伝説的存在。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)のデジャリック(ホログラムのチェス)や、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)惑星ホスのトーントーンやAT-ATのシーンを担当し、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)ではILMのクリーチャー部門主任となり、ランコアやジャバ・ザ・ハットといった象徴的なクリーチャーを生み出した。『ジェダイの帰還』で、アカデミー賞では特殊視覚効果賞に輝いている。

『ジュラシック・パーク』(1993)でもティペットによるストップモーションで恐竜が描かれることになっていたが、スティーブン・スピルバーグ監督は新たに登場したCG技術に惹かれ、ティペットはお役御免に。ショックを受けたティペットの「僕は絶滅した(I've just become extinct)」という言葉が映画本編にもセリフとして取り入れられた、という逸話もある(パークを初めて訪れたアラン・グラントが、エリー・サトラーに「感想は?」と尋ねられて「僕らは失業だ」と言い、イアン・マルコムに「“絶滅”だろ?」と言われる場面だ)。

その後の『ジュラシック・パーク』ではCGでの製作が難航し、ティペットは再び現場に呼び戻され、コンピューターを駆使しながら恐竜の動きなどを監修。この仕事が認められ、2度目のアカデミー賞特殊視覚効果賞を獲得する。ほか、『ロボコップ』シリーズや『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなどの有名SFシリーズに計り知れない影響を与えた。

ティペットは『Mad God』を1990年から独自に進めていたいたが、『ジュラシック・パーク』の仕事に起用されたことで中断。長らく眠ったままだったが、2010年代に入ると、ティペットのスタッフが当時の35mmフィルムを見つけて興味を持ち、企画が再始動。クラウドファンディングで製作費を募り、2020年についに長編作品として完成させた。実に30年越しということとなる。

『Mad God』予告編では、奇妙で不気味なクリーチャーが棲む世界をひとりの人物が探索するような様子が描かれている。おどろおどろしくグロテスクだが、まさに『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』などで見たような、懐かしくて個性的な質感だ。細かな職人芸を見て取ることができる。

ティペットは2015年公開のドキュメンタリー作品内で、『Mad God』について「この国の豊かさは多くの犠牲と無責任の上に成り立っている」という「アメリカの特権階級に属する羞恥心」を表現したいと説明していた。内容は「脈絡もないし、あらすじもない」「破綻したポルノというか、小説家とか物書きに近い」ものだという。

『パンズ・ラビリンス』(2007)など監督のギレルモ・デル・トロは本作ポスターに「フィル・ティペットはマスターだ」と寄せているほか、自身のTwitterでも「フィルは天才だ!この(ストップモーションという)メディアを彩った最高のひとり」と絶賛している。2021年8月5日のロカルノ国際映画祭(スイス)でプレミア上映された後、いくつかの映画祭でもお披露目される。現時点で一般公開の日程は発表されていないようだ。

Source:Mad God,Collider


THE RIVER

「スター・ウォーズ」をもっと詳しく

「スター・ウォーズ」のニュース

「スター・ウォーズ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ