青木さやか「祝『キングオブコント』 2回戦突破!片桐仁さんとユニットを組んだ理由。〈ライブって、こんなに、いいのか〉と実感して」

7月30日(金)13時0分 婦人公論.jp


「キングオブコント」に挑む片桐仁さん(左)と青木さん。コンビ名は「母と母」(写真提供◎青木さん 以下すべて)

青木さやかさんの連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」——。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。今回は、「片桐仁さんと挑戦中の『キングオブコント』」について、赤裸々に語ります。

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前回●「がん復帰後の初仕事はプロレスラー役。北斗晶さんと申年の梅に元気をもらって」

ラジオ『エレ片のケツビ!』に出られる


この夏、思いがけず大きなチャレンジをすることになった。

TBSテレビが主催する「キングオブコント」という、コントの賞レースへの挑戦。
コンビの相方は、片桐仁さん。

何故チャレンジすることになったかというと、
私の書いた『母』という本がキッカケである。

長年の友人のゲッターズ飯田くんが
いたく『母』を褒めてくださり、宣伝に協力してくれていた。

「青木さん、エレキコミックのやついさんのラジオ出してもらえるかもしれません」
「やっつんの!嬉しい。ありがとうございます」

「今、やついさんのラジオ番組、『エレ片のケツビ!』の企画で〈キングオブコントへの道〉という企画をしていまして」
「はい?はい」

「片桐仁さんと組んで『キングオブコント』に挑戦したい方を募集しているようで」
「出ますよ、そりゃあ、出ますでしょう」

「出ますか」
「母の本の話もできるわ、あの片桐さんとコントもできるわ、素晴らしいじゃない!」

「青木さん元気ですね」
「そう。おかげさまで、なんだか元気になってきました」

「いいですね。2023年から新しい青木さやか誕生ですから」

飯田くんは出会った20年前から、誰のことも無償で占っている。
それは今も変わらない。

「まったく人のいうこと聞かないですけどね」


「青木さんは元々裏方が合ってるんですよ、だから本を書くのは、とてもいいです」
「わかりました。また書きます」

「まったく人のいうこと聞かないですけどね」
「聞きます」

「僕の話もあまり聞いていないですよ」
「いま、初めて聞きます」

「頑張ってください」
「はい、聞いてました!頑張ります」

片桐仁さんの相方に応募してきた候補は全部で10人。
その10組のユニットが、「やついフェス」というイベントでネタを披露し、
お客様投票で1位を決めるという企画だった。

「やついフェス」は、渋谷のライブハウスで行われた。
狭い楽屋で久しぶりに芸人さん達に会えて、懐かしく
あっという間に20年前に戻った気がした。

前日は寝つけなかった。
こんなことはなかなかないのだが、緊張しているのだと思った。
その緊張はどんどん増して、あーもうなんでやることにしてしまったのかな、
といよいよ本番の袖で待機する時には泣けてきた。

袖で、やっつんに
「自信ない」というと
「たのしんで!」
とかえってきて、すぐにステージに行ってしまった。

相方である片桐仁さんは、なんせ何組も続けてネタをやらなくてはならないのだから、袖に戻ってくれば着替えとメイクを変えている。
この時間、日本で最も忙しい男なのではなかろうか。

「ライブって、こんなに、いいのか」


わたしは、自信のなさについてグダグダと誰かに聞いてほしかったが、
ここにいる人は皆忙しい。「飛石連休」の藤井さんだって、
「流れ星☆」のちゅうえいさんだって、
出番前で、さすがにわたしの話なんて聞いてる暇などないだろう。

こんな時は、茨木のりこさんの「自分の感受性くらい自分で守れ ばかものよ」
という詩を思い出す。
今わたしが一番欲しいもの、それは「余裕」だ。

そんな事が頭でぐるぐる回っている中、自分の番がきて、
もう仕方がないからステージに出た。出たら驚いた。

お客さん達の熱気が一瞬で伝わってきて、
笑いが起きて、それはこちらまで伝染して
すごく楽しかったのだ。

お客さんに笑ってもらえるのがこんなに嬉しいのか。
笑いをとりにいく、いう目的で舞台に立つ特有の興奮と緊張感があった。

ライブって、こんなに、いいのか。

ネタを終えて袖に戻ってきて心から思った。
「またやりたい!」

願いは叶い、おかげさまで1位に選んでいただいた。

ブレーキをかけない、前だけを向いて走る夏


無事、片桐さんとユニットを組めることになった。
「キングオブコント」1回戦の前、お稽古の合間に仁さんと話した。

「仁さんも、賞レース初めてなんですよね?」
「そうなんだよ」

「面白い人って、いっぱいいらっしゃいますね」
「みんな、凄いからね」
「わたしね、友達に言ったんですよ。もちろん本気でやるけれど、お笑いにかける熱量とか蓄積は、他の方より数年なかったから自信ないって」
「うん」

「そしたら、友達が、『でも本気で生きてきたじゃない、面白いに決まってる。
〈その人〉が出るもの』って」
「いいこと言う!」

「優勝目指して!」
「優勝かあ。でも、勝ち続ければいろいろなコントができるよね。
それこそユウキロックさんが『すべてがプロモーションだと思えば、緊張したり、自分が普段やらないことすらもまた別の可能性に繋がっていく』って、仰ってたんだよ。
優勝したら人生が変わるね、僕はやっぱり人生を変えたいんですよ」


2回戦直前にラジオ収録で、片桐さん(左)と。ゼッケンは1867番

「優勝したら、『アッコにおまかせ!』にも出られるかもしれないんですって」
「一生出られないと思ってた番組だよ」

人生って面白い。
予想していなかったことが起きる。
ブレーキをかけない、言い訳をしない、前だけ向いて走る夏にしよう。

コンビ名は
「母と母」
皆さま、よろしくお願いします。

婦人公論.jp

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