猛暑にそんな装備で大丈夫か?平成最後の夏コミ一般待機列向け装備ガイド

8月1日(水)14時6分 おたくま経済新聞

「シャイニング触手」ことめぐみるくさん(@tl_megumi)の夏の即売会一般参加スタイル案
 梅雨明けが早かったこともあり、熱中症で救急搬送された人が7月末までに5万人を超えたという、かつてない猛暑となっている2018年の夏。平成最後にこんな試練が……と外を歩くのがつらい毎日ですが、夏コミこと「コミックマーケット94」が8月10日〜12日に迫ってきました。一般参加者の場合、10時の開場まで炎天下の屋外で待機することになります。最長で5時間以上に及ぶ忍耐の時間。初心者はこの時点で体調を悪くしてしまうケースも散見されます。

2008年8月・コミックマーケット74の様子。咲村珠樹撮影

 そんな中、あるTwitterユーザーが以前初心者の友人向けに作った「一般参加スタイル案」が話題を呼んでいます。初心者の方はぜひぜひ、目を通していただきたいのですが……今回はこれに加えて、昭和の時代からコミケット(コミケと同じくコミックマーケットの略称の一つ)に参加し、猛暑のため「ジェノサイドコミケ」の別名で呼ばれる1988年の「コミックマーケット34」や、1992年の「コミックマーケット42」(晴海・国際貿易センター)で、最も暑かったとされた新館2階でサークル参加していた経験を持つ筆者が、夏のコミケットにオススメの装備をご提案します。そんな装備で大丈夫?「大丈夫だ、問題ない」……ほんとに大丈夫か、これから紹介する注意点を再確認してくださいね。

 ■コミケは戦場だ!装備を怠るな!

 よく「コミケは戦場だ」という言葉を聞きますが、早朝から一般待機列に並ぶようなガチ勢にとっては、けして行き過ぎた表現ではありません。治安上の問題を含めて、会場付近での徹夜は論外ですが、今回の夏コミで最も早く会場の東京ビッグサイト最寄りの駅に到着する列車は、国際展示場正門前駅5時17分着のゆりかもめ(※有明発新橋行き)。続いて国際展示場駅5時23分着のりんかい線臨時列車となります。この時点で実際には、一般待機列はかなりの長さになっているのですが、開場の10時直前に列の先頭が各ホール入り口まで誘導されるまで5時間弱、ひたすら待ち続けることにあります。事前の準備を怠ると、待機中に体調を崩したりします。孫子の兵法「算(作戦)多きは勝つ」が生きる世界なのです。

 ■夏コミにはこんなスタイルが吉

 とはいえ、初心者にとっては事前の準備に何をすればいいのか、それすらもわからないのが事実。そんな中、Twitterユーザーの「シャイニング触手」こと、めぐみるくさん(@tl_megumi)が、夏の一般待機列が初めての友人向けに作ったという「夏の即売会一般参加スタイル案」の話題のイラストは、確実に大事なことが描かれています。



 「ファッション性捨てて猛暑に勝ってほしい気持ち」で参考になれば、という形で投稿されたこのイラスト。とにかくヒラヒラした「夏のリゾートファッション」よりも、炎天下で長時間耐え忍ぶという現実を見据えた実践的なガイドです。

▼服装はパンツスタイルが基本!折りたたみ椅子もあると便利!

 列で待機中は座る(しゃがみこむ)ことが多いので、動きやすくしゃがんだ時に裾が汚れないパンツスタイルが基本。そして100円ショップにある小さな折りたたみの椅子があると便利、とあります。

 筆者の友人の場合、折りたたみ椅子が一体になったバッグを利用しています。また、100円ショップにはアウトドア用の折りたたみ座布団もあり、そちらを使うのもよいと思います。筆者は取材で地べたに座って撮影しなければならない場合、この折りたたみ座布団を使用しています。

2012年12月コミケット83の一般待機列・咲村珠樹撮影2012年12月コミケット83の一般待機列・咲村珠樹撮影

▼足元はミュールやパンプスではなくスニーカー!

 とにかく歩くので、足元はミュールやパンプスなどではなく、歩きやすい履きなれたスニーカーが吉。ハイヒールは、過去に会場内の床面にある穴にヒール部分がスッポリはまり、転んだ例を目撃しているのでお勧めできません。人混みで誰かの足を踏んでしまうこともあり、筆者の友人は踏まれて足を怪我しました。また、会場の床はかなり固いので長時間立ったり座ったりを繰り返すこともあり、後でかなり膝にくるそうです。(女性編集部員談)このためスニーカーでもある程度底の柔らかいものがオススメだそうですよ。

▼日傘は危険!

 今年は早朝から日差しがきつく、つい日傘を持参してしまうかもしれませんが、待機列は「間を詰める」のが原則。広げるとスペースを取る日傘は、先端を他の人にぶつけてしまいます。場合によっては先端が目に入る危険も。そもそも、日傘はアスファルトやコンクリートからの照り返しには無力なので、持ち込まない方が無難でしょう。フードのように頭からすっぽりかぶれるタオルは、直射日光から守るだけでなく、汗も吸収するので便利です。見た目は悪いのですが、まず機能を優先しましょう。

▼バッグは口がしっかり閉じられるものを!お宝用の袋は紙ではなく布を!

 バッグはまず、スリ対策で口が閉じられるものがお薦め。よく見かける紙袋は、自分の汗などで濡れて破れる危険があります。また、俗に「薄い本」と呼ばれる同人誌も、数が集まるとかなりの重量に。紙袋は取っ手の部分が壊れたりする危険があります。布製で口をファスナーで閉じられ、肩にかけられるようなタイプのトートバッグは、最も適したものの一つです。取っ手が底を回ってぐるりと反対側の取っ手になっているものなら最強。

 バックパックも両手が空いて便利なのですが、バッグが後ろに張り出していることを忘れて行動してしまい、振り向きざま後ろの人にぶつけるケースが多いうえ、口を閉め忘れるとスリの格好の餌食になります。どうしてもバックパックを使いたい場合は、背中に背負わず、胸の前に回しておいた方が無難です。

 ちなみに会場では女の子がたーくさん描かれた紙袋を頒布していることがあります。しかし、それをそのまま持ち帰ると、電車の中で冷たい視線を集めることが……。このため、通い慣れた参加者の中には「紙袋を持って帰る袋」を用意しているケースも。会場では思いのほか荷物が増えることがあるので、お宝用のバッグも1つと言わず予備まで用意しておくといいですね。

 ■暑さ対策は万全に

 そして、暑さ対策。これは今回最も重要です。炎天下で長時間待機し、さらに会場内を歩き回るため、熱中症予防に水分とミネラル分の補給は必須。特に一般待機列に並んでる時に、トイレに行くのを最小限に抑えようとして水分を控える人がいますが、とても危険です。今年のような猛暑の場合、1リットルくらい飲んでも全部汗になってしまうくらい。シャイニング触手さんもイラストの中で説明していますが、待機列で現地調達は難しいので、ある程度の量を持参しておきましょう。ただし暑いからといって、あまり冷たすぎるのも胃腸に刺激を与えてしまうので、ご注意を。筆者の場合、荷物になりますが、ステンレスボトルに飲料を入れて持参しています。

 また、汗拭き用のタオルは必須。メイクや日焼け止めが落ちるのが難点ですが、できれば乾いたものと濡らしたものを用意して、乾いた方で汗を拭き、濡れた方は凍らせた飲料の入ったペットボトルを包んで、体が火照った時に首元(特にうなじ)を冷やす時に使うと便利です。ちなみに日焼け対策は、UVカットのパーカーやアームカバーなどの方が向いています。特にアームカバーは、他の人と腕がぶつかった時、汗をかいた腕のなんとも言えない触感を和らげてくれますよ。

 暑さをしのぐのに、扇子をポケットに忍ばせておくのも有効です。100円ショップで売っている布扇子は結構便利。携帯できる小型の電動ファンは、有効だと感じる人と風量が足りないと感じる人がいて、効果については人それぞれ。自分で一旦試しておいた方がいいですね。

 ■あると便利なこんなアイテム

▼SNSの情報を記載した名札っぽいもの+緊急連絡先情報など

 普段SNSで交流してる人とオフラインで会いたい!という人や、会場で友達になった人にSNSのアカウントを教える機会もあるかと思います。シャイニング触手(めぐみるく)さんは、TwitterのアカウントをもとにしたIDカードジェネレータ「TwiCard」というものを紹介しています。TwitterのID(アカウント名)を入力すると、アカウント名にユーザー名、アカウントのアイコン画像とアクセス用QRコードがセットになった名刺サイズの画像が生成されます。これを印刷して名刺や自分の名札がわりに使うことが可能です。

 色々装備を充実させても、具合が悪くなってしまうことがあります。そんな時に備えて保険証と緊急連絡先のメモも忍ばせておきましょう。普段から飲んでいる薬があれば、その薬や「お薬手帳」も忘れずに。また、ちょっとした怪我の手当てに救急絆創膏を数枚持参しておくのも大事です。

▼雨対策

 急に雨に降られた時のため、バッグを中に保護できるレインポンチョも便利です。バッグだけを包むのなら、底の部分に取っ手が通るくらいの穴を開けた、ごみ収集用の袋を用意しておくという方法もありますよ。

 今回は会場設営の関係で、企業ブースが西地区4階の西3・4ホールと、東地区の東7ホールに分かれて設置されています。双方の距離はおよそ800m離れているので、行き来はかなり難しくなります。企業ブースに行く際は、事前にお目当ての企業が西と東、どちらの方に出展しているか確認しておきましょう。

 1975年にコミックマーケットが誕生して43年。この間に代表者が2度変わり、年号が変わり、世紀をまたいで、今回は平成最後の夏コミ。次回の夏コミは、新しい年号のもとでの開催となります。一つの時代の区切りの意味でも、悪い意味で思い出に残るものにならないよう、万全の準備をして臨みたいものです。なお、初心者向けコミケ準備については過去に「コミケサークル参加初心者のための“誰も教えてくれないコミケの常識”」「コミケ一般参加初心者のための“誰も教えてくれないコミケの常識”」という記事で紹介したこともあります。もしよければこちらもついでに参考にしてみてください。

 では今一度聞きましょう。そんな装備で大丈夫か?「一番いいものを頼む」。

<記事化協力>

シャイニング触手さん(@tl_megumi)

※訂正とお詫び:当初ビッグサイトの最寄駅に到着する一番早い列車を「国際展示場正門前駅5時17分着のゆりかもめ(豊洲発新橋行き)」としていましたが、これは「国際展示場正門前駅5時17分着のゆりかもめ(有明発新橋行き)」の誤りでした。ビッグサイトに隣接する有明車両基地から有明駅に回送され、5時15分有明駅発で新橋行きとなる運用です。お詫びして訂正いたします。

(咲村珠樹)

おたくま経済新聞

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