『星をみるひと』をクリアしただけでファミ通の「やりこみ特集」に掲載されたという都市伝説に急展開。当時の投稿者本人がブログで語る。

8月3日(月)18時23分 電ファミニコゲーマー

 本作はオリジナル版をとても忠実に再現した移植版であり、最初の戦闘で出現する敵モンスターの組み合わせによっては確定で全滅することもある。ほかにも初見では気づかないような心を折られる仕様に富んだ作品で、「クリアすることすら難しい作品」と長年ゲームファンの間で語り継がれてきた。

 Nintendo Switch版では当時のプレイヤーを絶望させたゲームバランスには全く手を加えていない。だが、移動倍速モードやクイックセーブ&ロードなどの便利機能が搭載されたことから、オリジナル版より快適なプレイを楽しめるようになっており、初めてプレイする人でも比較的親しみやすい作品となっている。

(画像は『星をみるひと』公式サイトより)

 そんな『星をみるひと』だが、本作には都市伝説としてインターネット上で語られ続けているエピソードがある。週刊ファミ通の読者投稿コーナー「やりこみ特集」にて、「本作をクリアしただけのものがやりこみとして掲載された」というものだ。

 週刊ファミ通の「やりこみ特集」では生半可なやりこみが掲載されることはなく、ゲームをクリアするだけの動画をビデオに録画して投稿したとしても、まず採用されることはない。筆者も昔何度か投稿したことがあるが、掲載されたのは一度だけ。ほとんどのやりこみがボツとされ、自身によるやりこみの多くは表に出ることがなかった。

 『星をみるひと』のクリア動画が「やりこみ特集」に掲載されたという話に戻すと、これはフェイクニュースでも誇張でもなく“事実”である。筆者も所持しているが、週刊ファミ通の“1996年4月12号”へ実際に掲載されている。

週刊ファミ通の1996年4月12号(画像は筆者宅にて撮影)

 誌面から確認できる掲載理由としては、『ロマンシング サ・ガ3』のやりこみ大賞を決める特集になぜか『星をみるひと』のクリア動画を収めたビデオが送られてきており、初めてエンディングを目にする人も多かったことから「こちらのほうが凄い」と判断され、『ロマンシング サ・ガ3』とは全く関係ないにも関わらず掲載に至ったとのことだ。

 理由はどうあれ、クリアしただけで「やりこみ特集」に掲載されるというのは相当なインパクトであり、発売から30年以上経過しても本作が驚異的な作品であることを知らしめるひとつの要因となっている。

 時は移り変わり「やりこみ特集」掲載から24年経過した2020年、Nintendo Switchへの移植を手掛けるシティコネクションからユーザー参加型企画として『星をみるひと』に関する内容の壁紙用イラスト募集企画が立ち上げられた。

 そしてなんと、当時週刊ファミ通に『星をみるひと』のクリア動画を投稿した張本人がこの企画に応募し、No.74のさいきっく賞として掲載されたのだ。当時の環境を再現したのかブラウン管テレビにツインファミコン、手書きのパスワードを記した紙を映した写真を投稿している。「辛い事があっても“『星をみるひと』のクリア”に比べたら大抵の事は乗り越えられる」とのコメントは当時の過酷なプレイ経験を物語るようだ。

(画像は『星をみるひと』公式サイトより)

 これだけでも驚きなのだが、なんと投稿した本人であるunipon51氏による当時の裏話が先日ブログにて公開された。

 内容を要約すると、発売当時はプレイしていなかったものの1993年ごろに友人から譲り受け攻略を開始、“偶然攻略アイテムを拾う”、“いつの間にか最終マップにたどり着いていた”などの幸運に助けられ、1年近くかけてクリアすることができたとのことだ。

 なぜ『ロマンシング サ・ガ3』の特集に『星をみるひと』をクリア動画を送ったかについては、『ロマンシング サ・ガ3』にてモニカとタチアナのふたりだけでクリアするやりこみに挑戦していたものの失敗。最後のビデオテープの時間が余っていたため、ほかのやりこみを送るついでに『星をみるひと』のクリア動画も送ったとのことであった。

 当時からクリアすることすら難しい作品であることが知られていたわけだが、当時のプレイ環境では映りの悪いブラウン管テレビでパスワードを手書きするため、「パスワードを書き損じて以前の状態から復帰できないことがある」ことを絶望ポイントのひとつとして挙げている。

(画像は筆者宅にて手書きのパスワードを入力したもの)

 パスワードに関する逸話は『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストⅡ』などでも語られることが多いが、『星をみるひと』はひらがなの“こ”とカタカナの“ニ”、ひらがなの“ろ”と数字の“3”など、似通った文字が他のパスワード式のゲームに比べて多いことも手書きによる写し書きが難しかった要因に挙げられるだろう。

 ちなみに、unipon51氏がシティコネクションの参加型企画に投稿した写真からは、当時使用したであろうパスワードメモを視認できる。試しに筆者の環境で打ち込んでみたが、手書きからは判読が困難で「ぱすわーどが ちがいます」というメッセージログとともに弾かれてしまった。

 何度か打ち直してもパスワードを通すことはできなかったが、もし興味がある方は手書きメモからパスワードを解読してみて欲しい。当時のパスワードも使うことのできる『星をみるひと』は、Nintendo Switchのダウンロード専用ソフトとして税込990円で発売中だ。

ライター/もか

ライター
もか
小学校の頃にゲーム雑誌でタイムアタック特集を見てこんな遊び方もあるんだと感動し、RTAという言葉が生まれる以前からゲームの早解きを行い続けて現在に至る。
Twitter:@moka_peer

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