“近鉄の血”を受け継ぐ真喜志ヘッドコーチが語る、イーグルスの進化

8月4日(日)11時0分 文春オンライン

 ジワジワでは済まないくらい汗ばむ真夏の8月を迎えた。現在、楽天イーグルスは怒涛の10連戦を戦い抜いている。その中でも新たにチームの戦力になっているのはセ・リーグからのトレード移籍組である。


 まずは広島カープから移籍した下水流昂選手。移籍後すぐにスタメン起用され、先週火曜には移籍初となる決勝ホームランで試合を決めた。そして巨人から移籍した和田恋選手は4番にも座り、打率.294と安定感を見せてくれている。シーズン中にも新たな戦力を加え進化し続けるイーグルス。


 日々変化するチームを鋭い眼光で見守り、若き指揮官・平石洋介監督を支える真喜志康永ヘッドコーチに今のイーグルスをどう見ているか話を聞かせていただいた。


真喜志ヘッドコーチが語る今のイーグルス


河内「今のイーグルスの走塁面に関してどう見ていますか」


真喜志コーチ「開幕してからの永遠のテーマというか、なかなか上手く出来ていないところもありますが……前半戦は打つ方が調子良かったのでカバー出来たんです。ただ、いつも打つということは、難しいことですし、そういう時こそ走塁やバンドをしっかりやっていきたいですね」



プロ初ホームランを放った山﨑剛選手(好きなおにぎりは明太子) ©RakutenEagles


河内「そんな中、2年目の山﨑剛選手が走攻守でアピールしていますね」


真喜志コーチ「ファームでやってきたことを1軍のゲームで出せていると思いますね。打つ方では元々良いものを持ってましたし、慣れていけばもっと打てる感じはしますね」


 山﨑選手はイースタン・リーグでも断トツTopの盗塁数(22)をマーク。晴れて1軍昇格を果たし、先週日曜の千葉ロッテ戦ではプロ入り初ホームランを見事に放っている。


 本人にホームランボールの行方を聞くと、「飾ったりするタイプじゃないんで、なぜか今もかばんに入れて持ってます」と笑いながら話してくれた。独特なユーモアと抜群の野球センスを併せ持つ2年目の選手である。


改めて気づかされた嶋選手の存在の大きさ


河内「今のイーグルスの守備面に関してはどう見ていますか」


真喜志コーチ「ここは走ってこないだろうとか、少し決めつけがありますね。常に(次の塁を狙って)くるものだと思って準備しておかないと、いざ走って来られたときにワンテンポ遅れてしまうので先に先に(ボールを)繋ぐ意識が必要になってくる」


 常に冷静にチームの状況を見ている真喜志コーチはプロ野球界33年目の大ベテラン。こんな自分に対しても丁寧に野球を教えてくれるのは本当に嬉しい事である。


河内「茂木栄五郎選手の守備がすごく安定していると感じますが」


真喜志コーチ「今年は精神的にも『やってやろう!』という思いがヒシヒシとこっちにも伝わってきますし、内野陣を引っ張ってくれています。気持ちの面で変わってくれたことは本当に嬉しいですね」


 常にどんなことがあってもポジティブに考えるようにしていると過去に茂木選手は話してくれた。今シーズンは走攻守、すべてにおいて高いレベルでここまで結果を残しているし、何より安定した守備を見せてくれている。



河内「今シーズンのベンチの雰囲気はどうですか?」


真喜志コーチ「例年と違って元気もありますし、必要に応じた声も出ていると思います。これからも変わらずに最後まで全員で声も出していけたらと思います」


河内「真喜志コーチから見たムードメーカーは?」


真喜志コーチ「嶋を筆頭に、今はベンチにいませんが渡辺直人がベンチ内を盛り上げてくれていました。今は嶋が試合に出ても出ていなくてもチームの雰囲気作ってくれているのは、かなり大きいです。若手も見習うことはたくさんあると思いますね」


 真喜志コーチの言葉に改めて気づかされた嶋選手の存在の大きさ。もっと試合にたくさん出て欲しい!というファン目線での気持ちは一旦置いて、たとえ試合に出ていない日でもチームの士気を高める言葉、何気なく若手選手にかける言葉がきっとチームのチカラになっているのだ。



イーグルスに流れている“近鉄の血”



河内「残りの試合ではどんな戦いをみせていきたいですか?」


真喜志コーチ「今出来ることをしっかりやることが結果に繋がってきます。だからこそ監督も言うように最後まで諦めないことで、粘りのあるゲームをやっていかないといけないと思っています」


 あくまで個人の見解ではあるが、楽天イーグルスには近鉄バファローズの血が少なからず流れていると思っている。


 現役時代は近鉄で戦ってきた前監督・梨田さんから受け継いでいる思い。そして名将・仰木彬氏の元で30年前にリーグ制覇した優勝メンバーの真喜志ヘッドコーチ、光山バッテリーコーチ、そして宝の原石となる選手を見つけ出す後関スカウト部長をはじめ、楽天イーグルスのスカウト陣も近鉄出身の方は多い。


 ずばり何が言いたいのか。


 30年前の1989年・平成元年は近鉄がリーグ制覇、30年後の2019年・令和元年は近鉄で培った楽天イーグルスの首脳陣がいる限り、優勝はイーグルスが掴んでくれると強く信じている。


 情熱の真っ赤な薔薇を秋に咲かせましょう。令和元年、ますます熱くなるプロ野球に乾杯!


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(河内 一朗)

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