【インタビュー】映画『がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』石田秀範監督 20年ぶりの復活に「『どうすれば子どもたちが無邪気に喜んでくれるのか?』を一番に考えました」

8月5日(水)16時8分 エンタメOVO

劇中に登場する「汁なしタンタンメン」を持つ石田秀範監督

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 真っ赤なボディーに愛きょうたっぷりな顔、根性はあるけどドジなお手伝いロボット「ロボコン」が、昭和、平成に続き、令和の時代に三度目の復活! かつてのテレビシリーズを知る親世代も、子どもたちと一緒に楽しめる『がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』が、全国の劇場で公開中だ。メガホンを取ったのは、平成仮面ライダーシリーズで活躍し、前回の「燃えろ!!ロボコン」(99〜00)にも参加した石田秀範監督。20年ぶりに再会したロボコンへの思いを聞いた。



−20年ぶりにロボコンを監督したということですが、意識の上で前回との違いはありましたか。

 今回は、「どうすれば子どもたちが無邪気に喜んでくれるのか?」を一番に考えて演出しました。20年前は、自分がやりたいことばかり考えていて、お客さんのことなんか一切考えていませんでした。でも、20年たって、自分の周りで、おいやめいなど小さな子どもが、幼児向けのアニメを見て笑ったり、喜んだりする姿を見るようになったんです。それを見ているうちに「物作りって、誰のためにやっているのかな?」と考えるようになって。そんな中から「やっぱり、お客さんが喜ぶのが一番では?」と改めて気付かされました。

−脚本を担当したのは、かつて「ペットントン」(83〜84)や「美少女仮面ポワトリン」(90)、「有言実行三姉妹(シスターズ)シュシュトリアン」(93)など、「東映不思議コメディー」と呼ばれるシリーズで一時代を築いた浦沢義雄さんです。今回も“汁なしタンタンメン”という料理が意思を持ってしゃべり出すという、浦沢さんらしいシュールでユニークなお話ですが、そのアイデアを聞いたときの感想は?

 頭が真っ白になりました(笑)。即座にはイメージが湧かず、台本を家に持ち帰って考えましたが、取っ掛かりが何もないので、かなり困りました(苦笑)。何かの拍子に、パッとイメージが湧くので、それを待つしかない。湧かなかったらお手上げです。だから、本当に難しい。演出家が日頃からどういう創作活動をしているのかが試されます。普段の生活の中で、常にアンテナを張り巡らせて、いろいろな表現方法を考える作業をしていかないと駄目だな…と。

−石田監督は「燃えろ!!ロボコン」でも浦沢さんの脚本を手掛けられていますが、今回も当時と印象は変わりませんでしたか。

 変わりません。何も方向性を示してくれないし、聞いても何も答えてくれません。丸投げです(笑)。その代わり、自由。何をやってもいい。「こうしなさい」と書いてないわけですから。独特の世界が出来上がっている浦沢さんのホンから、演出家が何を感じ取るか、どんな発想をするかが勝負。そういう意味では、やりがいはあるし、楽しいです。

−冒頭から激しいロック調でインパクトありますが、そういう意味では思い切ってやれたと思いますか。

 そうですね。思い切らないと駄目なホンだと思います。中途半端にやったのでは、浦沢脚本は成立しないんじゃないかなと。僕自身も、振り切った演出が好きなので、そういう意味では、相性はいいのかもしれません。

−今回は映画ということで、テレビとは違うものを目指した部分はありますか。

 テレビは制約が多く、できないことがたくさんあるので、その点では映画の方が浦沢脚本を存分に生かせるメディアではないでしょうか。だから、表現もできるだけオーバーにしています。映画館の大音量に加えて、今回はMX4Dもあるので、動きがあって刺激的なものを目指しました。遊園地のジェットコースターのような、迫力のある刺激的なものになったと思います。

−ロボコンというキャラクターをこの作品で初めて知る子どもたちが多いと思いますが、心掛けたことは?

 子どもたちが見て、「抱きつきたい!」と思えるような愛らしい動きを大事にしようと。それだけを考えていました。

−一方、ヒロインのロビン(土屋希乃)は、かなり勇ましいキャラクターになりましたね。

 結果的にそうなりました。本来は、お人形のようなかわいいらしいキャラクターだったはずなのに、思いのほかキレキャラに…(笑)。でも、それもありなのかなと。かわいいだけでは、魅力が薄っぺらくなりますから。かわいい女の子が暴言を吐いたり、乱暴なことをしたりするのも、それはそれでキュートではないかと。ロビンに限らず、ステレオタイプなキャラクターよりも、一癖も二癖もあった方が、表現が豊かで面白くなりますし。

−こういうキャラクターの方が、今の時代には合っていますね。

 そうですね。そういう時代なのかなと。最近は、女性が強くなりましたから。言われてみれば、うちのめいも結構やんちゃなんです。かわいい顔をしているのに、やり口が憎たらしいほどやんちゃ(笑)。だから、それは多少影響しているのかもしれません。やっぱり、普段の生活がこういうところに反映されます。

−お話を伺っていると、これ1本で終わらせるのはもったいないですね。

 みんな、きっとそう思っているんじゃないでしょうか。今どきこんなふうに無邪気に、無心になって楽しめる作品はなかなかありませんし…。今回は実現できませんでしたが、もし2作目、3作目があれば、もっといろんなキャラクターを出そうという話は、チラホラとしています。僕自身も楽しかったので、ぜひまたやりたいです。

−ところで、エンドロールでは石田監督が踊っていますね。

 あれは、スタッフに向けたお遊びです(笑)。コロナの影響で現場が暗くなるのが嫌だったので、こわもての監督がばかなおふざけをすれば、少しは和むかと思って。ナレーションで「誰?」と突っ込みが入るのは、声優の鈴村(健一/汁なしタンタンメンの声を担当)さんのアドリブです。恐らく、僕だとは気付いていないはずなので、素直な感想だったのではないでしょうか(笑)。

−最後に、コロナ禍の最中、映画館に来てくれるお客さんへのメッセージを。

 子どもたちに無邪気に楽しんでもらいたいです。僕のおいやめいも、学校が休みで友だちと遊ぶこともできず、家の中でゲームばかりしている姿にも接したので。この機会に、映画館でゲラゲラ笑って、息抜きしてくれたらうれしいです。ヒロシ役の屋鋪(琥三郎)くんも、「訳分かんないけど、楽しかった」と言ってくれましたから。深い意図、みたいなものは、そもそもありませんし(笑)。笑ってくれたら、僕も満足です。

(取材・文・写真/井上健一)

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