窪田正孝、祝・30歳!「ヒモメン」は史上最強のキャラとなるか!?

2018年8月6日(月)8時30分 シネマカフェ

窪田正孝/『東京喰種 トーキョーグール』キックオフイベント

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ついこの間まで高校生役をやっていた窪田正孝が、30歳の誕生日を迎えた。

いまでは、すっかり“ヒモメン”だ。

現在、窪田さんがテレビ朝日の土曜ナイトドラマ「ヒモメン」で演じているヒモ彼氏の“翔ちゃん”。第1話放送後から、「窪田正孝が彼氏ならヒモでも良い」「愛おしい」「可愛い!」、むしろ「養いたい」「最高かよ(笑)」といったコメントが続出する一方、その半端じゃないヒモっぷりに「だんだん尊敬すらしてきたw」「笑いが止まらない」「観るのがつらい」といった声までも飛び交い、SNSを中心に大きな反響を呼んでいる。


ヒモメンは“カメレオン俳優”の新境地に!?
“楽に生きたい”をモットーに、働かないことに全力を尽くす“ヒモ男”・碑文谷翔を窪田さんが演じ、その彼女の看護師・春日ゆり子を川口春奈が演じる「ヒモメン」。鴻池剛・原作によるコミック「ヒモメン〜ヒモ更生プログラム〜」をドラマ化した本作は、女性の社会進出や“働き方改革”に問題を抱える日本の現状を背景に、新たなヒーロー像を描く、という触れ込みだが、早速、窪田さん演じる翔のあまりに開き直ったダメ男っぷりが話題となっている。
しかも、8月4日(土)に放送された第2話では、結婚式場にゆり子を強引に連れていく際の“前髪アップのカジュアルスーツ”姿から、自身がCMする整髪料でキメたかのような“オールバックのネットトレーダー”の姿、池目先生(勝地涼)に嫉妬する姿まで披露してファンを喜ばせつつも、やっぱり今回もフォローしようのないヒモ男が炸裂。「今週も底抜けに明るいクズでした」「ヒモ感がすごい!思考回路がすごい!」「翔ちゃんメンタル強過ぎ」「お馬鹿過ぎると思いきや、変に発想力と行動力があってちょっと魅力的に思えてしまった」と、視聴者の心をガッツリつかんでしまっている。

こうした漫画原作のキャラクターはもちろんのこと、凶悪な犯罪者から朴訥な青年まで幅広い役柄を変幻自在に演じ分け、若手随一の“カメレオン俳優”といわれて久しい窪田さん。いよいよ30代に突入する彼の軌跡に迫った。


1つの転機は「ケータイ捜査官7」、三池崇史監督との出会い!
1988年8月6日、神奈川県生まれ。母親の勧めで現在の事務所スターダスト・プロモーションのオーディションに応募して芸能界入り。2006年、「チェケラッチョ!! in TOKYO」で初主演にしてTVドラマデビュー。しかし、当初は思うように仕事ができない日々が続いていたようだ。


そんな中、転機となったのは、2008年にドラマ「ケータイ捜査官7」(テレビ東京系)に主演し、三池崇史監督と出会ったことだという。2009年3月まで全45話、1年間続いた同ドラマは、監督陣に金子修介、湯山邦彦、押井守など、錚々たる名前が並び、三池監督がシリーズ監督を務めた。物語は、転校先の学校で“空気くん”と呼ばれ、家にも居場所がない1人の高校生・網島ケイタと“歩くケータイ”セブンがバディとなり、サイバー犯罪に立ち向かうエージェントとして成長していく、というもの。まだあどけない顔立ちの窪田さんの制服姿に加え、特撮がふんだんに盛り込まれた中で持ち前のアクションセンスと演技力を発揮した、初期を代表する1作だ。

シネマカフェが『映画 ST赤と白の捜査ファイル』('15)公開時に行ったインタビューで、窪田さんは当時をふり返り、「それまでも全力で仕事はしていましたが、正直『なんで自分は人前でこんなことをしてるんだ…?』と思う瞬間もありました(笑)。あの時、芝居を好きになれたことが、いま俳優という仕事を続けていられる一番の理由です」と言及。

「そして、続けていく中で自分のことを応援してくださる方がいるということを知って、改めて自分のためだけでなく、観てくださる方に少しでも作品を楽しんでいただけるようにという意識や責任感が生まれるようになってきたと思います」と、自身の中で“俳優”としての心構えが大きく変わった作品であることを明かしていた。

その際、三池監督からは「10年後にまた会おう」と声を掛けられたそうだが、すぐに映画『十三人の刺客』(’10)に参加し、再タッグを組んでいる。


朝ドラ&大河の一方で『ガチバン』で存在感示す!
そうした心境の変化も後押ししてか、その演技力が業界関係者の間で評価されはじめ、次々に仕事を呼び込んでいく。2009年にはNHK土曜時代劇「浪花の華〜緒方洪庵事件帳〜」にて時代劇に初挑戦。翌年には連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」にレギュラー出演し、2012年には「平清盛」の麗しくも悲運な平重盛役で大河ドラマにも抜擢されている。

2013年には、「最高の離婚」「SUMMER NUDE」など人気ドラマに相次いでレギュラー出演。佐藤健主演映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』では、三浦翔平らと共にバンドメンバーに扮し、ヒロイン・理子(大原櫻子)を巡って佐藤さんとライバル関係になるメガネ男子のクールなベーシスト・篠原心也役でも印象を残した。


正統派の道をゆくのかと思えば、その傍ら、2011年にはNHKドラマ10「下流の宴」で主人公(黒木瞳)の無気力&自堕落な息子役を務め、2012年には、強烈ビジュアルのパンクロッカー役でゲスト出演した高視聴率ドラマ「リーガル・ハイ」や、“男女逆転”の「大奥〜誕生[有功・家光篇]」では町のジゴロから側室となった捨蔵/お楽を演じて注目を集めるようになる。

2010年から主演を引き継いだ映画『ガチバン』シリーズでは、最強と恐れられるヤンキー・黒永勇人を好演、脱いだらスゴい“細マッチョ”ボディとド迫力の乱闘シーンを披露し、2014年4月公開の『ガチバン ULTRA MAX』まで実に11作もの作品に参加した。


「花アン」「Nのために」、そして「デスノート」で大ブレイク
そんな窪田さんが、「Yahoo!検索大賞 2015」俳優部門のトップに選ばれ、“ブレイク男子”と呼ばれたのが2015年。シネマカフェではその前年2014年に、“ネクストブレイク男子”の1人としていち早く窪田さんを取り上げている。


まずは「ゲゲゲ」「清盛」のスタッフが再結集した連続テレビ小説「花子とアン」だ。ヒロイン・花子(吉高由里子)に恋心を抱くも幼馴染どまりの素朴青年・朝市は人気のキャラクターとなり、国民が心配する中(?)「朝市の嫁さん」というスピンオフスペシャルが制作されたほど。

榮倉奈々、賀来賢人らと共演した「Nのために」(TBS系)では影のある青年を演じ、ブレイク前夜の菅田将暉や門脇麦、柳楽優弥らが出演していた映画『闇金ウシジマくんPart2』にも参加。


その勢いのままに、「アルジャーノンに花束を」「THE LAST COP/ラストコップ」「臨床犯罪学者 火村英生の推理」、『HiGH&LOW』シリーズ、キーパーソンを演じた『64-ロクヨン-』前後編、「Kis-My-Ft2」藤ヶ谷太輔とW主演した惣領冬実による伝説的コミックの映像化『MARS〜ただ、君を愛してる〜』など、話題作に立て続けに出演し、人気を不動のものにする。


特に、2015年7月期のドラマ版「デスノート」(日本テレビ系)では夜神月を熱演! 狂気を美しさに転じさせる、独特の流し目や表情、立ち振る舞いなどはさらなるファンを増やし、あまりにも凄まじい最終話の熱演はもはやTVドラマの枠を超えるものだった。


記憶に新しいところでは、石原さとみ、井浦新と共演したドラマ「アンナチュラル」(TBS系)、新井浩文と兄弟役を演じた鬼才・吉田恵輔監督によるオリジナルストーリー『犬猿』がある。吉田監督は、同作での窪田さんについて「僕はデビュー当時のナイーブな雰囲気で撮りたいなと。特にオーバーな芝居はないし、ヘタすると何もないまま終わってしまう可能性がある。そんななかで、リアリティもほしいし、主演としての華を持っている人となると、やっぱり窪田くんぐらいスゴくないとダメでした」とコメントしており、絶大な信頼を寄せていることが伺える。



唯一無二、キレキレアクションを堪能!
2017年には、石田スイによる大人気コミックを実写化した衝撃の主演映画『東京喰種 トーキョーグール』が公開された。気弱なオドオドした青年から、喰種としての欲求に葛藤する迫真の演技を経て覚醒していく様は、“豹変”という表現では物足りない。

この『東京喰種』のクライマックスシーンや、パルクールを取り入れた軽快、かつカリスマ性溢れるエクストリーム・アクションで知られる『HiGH&LOW』シリーズのスモーキー役でも知られるように、窪田さんの身体能力の高さはもはや代名詞だ。


加えて、スペシャルドラマから連ドラ化、映画化もされた『ST 赤と白の捜査ファイル』の黒崎勇治もまた、印象深いキャラクターの1人だった。先端恐怖症のため、他人の言葉にもトゲを感じて喋ることができなくなってしまったが、武術の腕に長け、抜群の嗅覚を持つ黒崎を演じるにあたり、「戦いの中でも常にクールだし、息を切らすようなこともないんですが、それが結構難しい(苦笑)」と語っていた窪田さん(先のインタビューより)。同作でも、それまでの“喧嘩アクション”とはひと味違う“機械のように常に冷静”なキレ味鋭いアクションで魅了しつつ、言葉ではなく表情や仕種で笑いをとる(?)キャラも密かに人気となった。


さらに、2017年4〜6月に放送されたNHK土曜ドラマ「4号警備」では、北村一輝と凸凹コンビを組み、“拳銃なし、手錠なし”で相手を全力で守る元警官の民間警備会社の警備員・朝比奈を演じた。明るく軽いノリの“平成生まれ”の若者ではあるものの、「THE LAST COP/ラストコップ」シリーズの亮太よりは骨太で、壁面を使ったアクションや関節技など、その身体能力を余すことなく見せつけた。

演じてきたのはいずれも、自分なりの正義を貫こうとする姿勢を持つ男たちばかりだ。


そんな窪田さんは、豪華キャスト勢ぞろいの8月17日(金)公開『銀魂2 掟は破るためにこそある』に参戦する。近藤勲(中村勘九郎)らの「真選組」に内紛が勃発し、天下の将軍様(勝地涼)を巻き込む陰謀が描かれる中、窪田さんが演じるのは、音楽プロデューサーという表の顔を持ちながら、高杉晋助(堂本剛)率いる武装集団「鬼兵隊」に所属する裏の顔を併せ持つ河上万斉。予告編では、スピード感ある剣術アクションや銀ちゃん(小栗旬)と対峙するシーンが示されており、窪田さんの新境地アクションが観られる可能性大。


“ヒモメン”以前にもダメ男がいた!?
また、「THE LAST COP/ラストコップ」の唐沢寿明といい、「臨床犯罪学者 火村英生の推理」の斎藤工といい、クセの強いバディに翻弄される役回りも多い窪田さん。それは、彼らの突出した個性に決して染められることなく、自らの色を出しつつ、絶妙な化学反応を生み出していける演技力の豊かさに尽きる。

スモーキーや夜神月にしても、その1つ1つの目線や表情、声のトーン、所作による表現はもちろんのこと、身にまとう空気感からそのキャラクターになり切ってしまうのが、彼が“カメレオン俳優”といわれる所以だろう。

現在、好評を博している“ヒモ男”も同様だ。これまでにも、『闇金ウシジマくんPart2』では門脇さん演じる彩香に貢がせ、借金を重ねさせていく“クズホスト”のレイや、『ヒーローマニア-生活-』(’16)では下着泥棒を繰り返すモテないニート・土志田誠役を演じてきた。


2017年に主演したドラマ「僕たちがやりました」(フジテレビ系)では、思いもよらなかった爆破事件の容疑者となるも、「何もなかった」と無理やり思い込もうとするイマドキ高校生を演じて話題を呼んだ。28歳で高校生役を演じたことも注目を集めたが、自ら犯した罪の重さ、そして命の重さに真摯に向き合っていくトビオの心情をリアルに体現できる実力者はそうおらず、「大人になり切れず、もがいているトビオを演じることはすごくやりがいがありました」と、自身でも最終回を迎えるころには語っている。

奇しくも、窪田さんは『ヒーローマニア』公開時のインタビューで、「最終的には皆、自分自身との戦いだと思うんです。頑張ったことでも、何かしでかしてしまったことでも結局は後で返ってくるもの。だから、向けられた課題は果たしていかないといけないなと、常日頃思っています」とも語っていた。同作の土志田は、日ごろから鍛錬は怠らないが、それはすべて下着泥棒に生かすため(ベランダをよじ登ったりとか…)というダメダメっぷり。そんな彼がヘタレなフリーターの中津(東出昌大)と出会ったことで、小さな社会悪を退治する自警団として、ゆる〜く活躍しながら成長していくことになる。

たとえどんなに罪深いダメ男であっても、葛藤しながら成長していく姿は観る者の共感を呼ぶはず。とはいえ、「ヒモメン」の翔ちゃんに関しては、その底なしの明るさや開き直り方から見ても、行く末が気になるばかり…。果たして、そこにもヒモメンなりの正義はあるのか? 

はたまた、同じ枠で放送された「おっさんずラブ」の田中圭(34歳)や林遣都(27歳)のように、アラサー役者として1つの脱皮を見せることになるのか? 窪田さん史上最強のダメ男キャラといっていい今回のドラマには、そういった期待もはらんでいる。

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