「11月解散、12月総選挙」は五輪前の最後のチャンス

8月6日(火)7時0分 NEWSポストセブン

解散シナリオが練られている(AFP=時事)

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 いまから3か月半後、大嘗祭を終えた11月下旬に衆参の憲法審査会では、国民投票法改正案の審議に大きな変化が起きる。


 野党共闘の一角が崩れ、国民民主党が「審議に応じる」姿勢に転じるのだ。立憲民主党、共産党、れいわ新選組は「徹底抗戦」を叫ぶが、安倍晋三首相はそのタイミングを見逃さない。


「野党が議論にも応じないというなら国民に信を問う」と、改憲議論を進めることを前面に押し立てて解散・総選挙に踏み切る—─。官邸内で練られている「11月解散」のシナリオだ。


 すでに布石は打たれている。参院選直後、安倍首相が「国民民主党の中には憲法改正の議論はしていこうという人たちがいる。積極的に呼びかけていくべきだ」と秋波を送ると、国民民主党の玉木雄一郎・代表はネット番組でこう応じた。


「私は生まれ変わった。われわれとしても憲法改正議論を進めていくし、首相にもぶつける。最終的には党首と党首として話をしたい」


 玉木氏は同番組で、安倍首相の関与が追及されたモリカケ問題(森友学園・加計学園問題)に国会審議の時間を費やしたことについて、「本当に反省しなければいけないと思います。国民にお詫びを申し上げたい」とまで言い切った。同党の中堅議員が語る。


「玉木代表の発言を立憲民主は“裏切りだ”と憤っているようだが、憲法議論を進めることと国民投票法の改正はわが党の参院選公約だ。代表の言っていることは正しい。党内でも憲法改正議論に反対なのはごく一部しかいない」


 国民民主は参院でも改憲勢力の日本維新の会に統一会派を組むことを申し入れるなど、改憲反対の立憲民主など他の野党とはっきり一線を画す姿勢を見せている。参院選の結果は、自民、公明、維新の改憲勢力では3分の2に4議席届かなかったものの、国民民主(参院21議席)が加わればクリアできる。安倍首相の野党分断工作は早くも成果をあげつつある。


 自民党幹部は「憲法改正に向けた地ならしは序の口。総理は総選挙後に維新、国民民主を加えた改憲大連立も視野に入れている」と自信ありげな口ぶりだ。政治評論家の有馬晴海氏はこう見る。


「永田町の常識では増税後の総選挙はタブーです。しかし、今回はそうではない。自民党内には参院選勝利で有権者は消費税率引き上げを容認しているという見方が強く、むしろ、総選挙が来年の東京五輪後になると景気減速と増税の影響をまともに受けて負けると不安視する声が大きい。


 その点、11月解散、12月総選挙は五輪前の最後の解散のチャンスで、その日程であれば海外の要人を招いた即位関連行事で国民の祝賀ムードの追い風があり、消費増税に合わせたポイント還元制度や低所得者対策の年金生活者支援給付金(最大年6万円)をアピールできる。だから勝てるという計算があるのでしょう」


 折しも、11月19日には安倍首相の首相在任期間が桂太郎に並んで歴代1位になり、その後の総選挙であればレガシーも残せる。官邸は解散まっしぐらなのである。


※週刊ポスト2019年8月16・23日号

NEWSポストセブン

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