『わた定』他、最近のドラマに中華料理店が登場するのはなぜ

8月7日(水)7時0分 NEWSポストセブン

ヒットドラマ『わたし、定時で帰ります。』でも中華料理店が登場(公式HPより)

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 ドラマで登場人物の行きつけや、仲間と集まったりする場所のひとつは飲食店だ。バーや居酒屋でのシーンはすぐ思い浮かぶが、最近、頻出しているのが中華料理店だ。その理由について、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。


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 最近、なぜか町の中華料理屋と縁のあるドラマが多い。昨年、放送された『不惑のスクラム』(NHK)は、不惑ラグビーチーム「大阪淀川ヤンチャーズ」の面々(高橋克典、萩原健一ら)が練習や試合の後に中華料理屋に集合。にぎやかに乾杯する。よく見れば、店の名前は「楽美苑」。なかなかに芸が細かい。


 前シーズンの『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)の主人公結衣(吉高由里子)の楽しみは、仕事帰りに「上海飯店」で一杯やること。この店は18時開店で、18時10分までのハッピーアワーはビールが半額なのである。店主の王丹(江口のり子)は、顔は能面のようだが日本人は働きすぎという考え方で、結衣のよき理解者。店のマークのパンダの耳が小籠包の形をしているのもご愛敬だ。


 さらに放送中の『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)。第一話冒頭は、格闘の末に犯人を逮捕した“ハマの狂犬”こと樋口(唐沢寿明)と部下たちが、横浜中華街の「酔来軒」でお疲れ様会の真っ最中。そこに事件の一報が。


 そして、先日スタートした『W県警の悲劇』(BSテレ東)の主人公の松永菜穂子(芦名星)は、目指す場所が中華という特殊ケース。警察官の不祥事を暴く“警察の警察”ともいわれる監察官。彼女は所轄の女性警察官たちの事件を探るのである。複雑なのは、菜穂子の目的が、自ら警視に出世して県警幹部の“円卓会議”に乗り込み、女性警察官の地位向上を目指すということ。女の不祥事を暴いて、女の地位向上を目指すって。遠回りなのか近道なのか、よくわからないが、問題の“円卓会議”がどこで行われるかといえば、高級中華料理店「玉好園」。もちろん特別個室である。


 少し前まで、ドラマの登場人物が集合する場所といえば、和風の居酒屋かムード満点のバーがほとんどだった。それが今、なぜ、中華なのか?

 ひとつは居酒屋やバーはすでに使い過ぎたというのもあるだろう。また、中華料理店はあまり深酒イメージがないし、料理もどっさり、熱気もあって明るい。地味なオフィスから、店内赤色ベースの中華の店の場面が変わると、メリハリが出る。


 それら何より中華屋ならば、店主がどんなハイテンションな人物でもぴったりくる強みがある。


『わたし、定時で〜』王丹は、定時で帰れなくなった結衣の仕事場にもやってくる。『ボイス』では、飲むわ、騒ぐわの荒くれ強行犯の刑事たちにも「ちょっとあんたたち」と遠慮なくものを言い、樋口の誕生日だからとこんもり焼いた焼きそばに旗を立てたりする店主が誰かと思ったら、白い三角巾を被ったYOUだった。


しかも、てっきり中華屋の面白おばさんかと思ったら、二話からは姪っ子を凶悪犯に拉致されて、動揺する事件関係者に。焼きそばどころではなくなってしまったが、彼女の店が樋口のほっとできる場所だったのは間違いない。


 ドラマに明るくメリハリをつけ、面白店主というキャラクターも設定できる。なんだか観てるだけでスタミナがつく気もするのだ。中華料理屋の秘めたパワーが、ドラマを盛り上げていると言っていい。

NEWSポストセブン

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