PTAが多様化、「面白くない」という概念覆す様々な取り組み

8月7日(水)16時0分 NEWSポストセブン

PTAは新たな教育への関わり方が模索されている

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 近年、「ブラックPTA」とも呼ばれ、ネガティブなイメージが定着しているPTA。「子供たちのため」という本来の目的を忘れ、波風を立てないように建前だけの「PTAのためのPTA」になっていることが大きい。そんななか、新たな取り組みを行っているPTAもある。


 都心と地方でも差があるPTA。そのギャップを埋めるために有効なのが、インターネットの存在だ。都内在住で、長男が小学2年生の時にPTA役員になった自営業の保手濱歌織さん(37才)は、こう明かす。


「PTAの悩みをFacebookに投稿していたら、毎回100件以上のコメントが寄せられたんです。みんなPTAついて思うところがあるんだなと気づき、何かできないかと考えました」  


 保手濱さんは、リゾートノート取締役の唐品知浩さん(45才)に声をかけ、「PTAを面白がる会」を立ち上げた。Facebook内の同会のグループには現在、全国から590人近くが参加し、相談や活動報告が活発に行われている。


「最初に声をかけられた時は炎上しそうで嫌だなと思いました(笑い)。トークイベントも開催したのですが、そこで浮かび上がったのは、PTAの『横のつながり』の希薄さ。隣の学校のPTA会費がいくらかも知らないという閉鎖的な環境は、PTAをおもしろがれない要因の1つだと感じました」(唐品さん)


 同会のメンバーである東京都品川区立清水台小学校の元PTA会長で、現在は父親の会「グッドファーザー」会長の杉山錠士さん(42才)は、放送作家という職業を生かし、子供も大人も熱狂する画期的なイベントを考案している。


 なかでも、夏休みに水鉄砲を使って行われる「ウオーターバトル」は、他校からも熱視線を集めるほど大盛況だ。


 杉山さんがこだわったのは「なぜ、PTAでそれをやるのか」という原点だ。


「PTAでやる意味をきちんと説明できないものは省きました。たとえばリサイクル運動。『そういった学びも必要では』という反論もありましたが、なんでも学校を巻き込むのではなく、家庭でできることもあります。


 しかし、前会長から、『前任たちががんばってきたことを、何もかも否定すればいいというものではない』と注意も受けました。たとえば夏休みのラジオ体操は、共働きの家庭が早朝に子供を送り出す負担は大きいのですが、『地域とのつながり』という、非常に大事な役割がある。なくすことにも意味がありますが、続けることにも理由があったと気づきました」(杉山さん)


“PTAはおもしろくない”という固定観念を覆すため、新たな試みに積極的に取り組む杉山さんだが、決して強制はせず「おもしろいと思わなければ参加しなくて大丈夫ですよ」と保護者たちに伝えている。


◆自分の教育が最善ではないことを知れる


 八王子市立第十小学校(東京)前PTA会長で、八王子市立小学校PTA連合会会長の櫻井励造さん(43才)も、杉山さんの意見に同意する。


「うちの学校でもPTA主催の行事は毎年ありましたが、どうせならもっと自分たちが主体となって作り上げるイベントの方が楽しいだろうと思い、他校を参考にしながら『学校に泊まろう』というイベントを行いました。


 災害時を想定して子供たちが体育館に泊まるイベントで、慎重派のお母さんたちには反対されましたが、企画書を作って丁寧に説明したら、『おもしろそうだから一回やってみましょう』と前向きになってもらえた。子供たちは学校に泊まれるというだけで大喜びしていましたね」


 同校の現PTA会長の天野耕太さん(40才)は、多様化する家庭に寄り添うPTAを目指す。


「今の小学1年生の親は半分以上が共働きです。保護者同士の年の差も昔よりはるかに幅広く、外国人の親も増えています。『子供が同じ学校に通っている』という共通点があるだけで、これほど多種多様な人が集まるコミュニティーはほかにありません。PTAで感じたり身につけたことは、会社の仕事にも生かされるようになりました」(天野さん)


『ある日うっかりPTA』(KADOKAWA)の著者の杉江松恋さんは、PTA活動を通じて、親としての変化を自覚したという。


「PTAに携わっていると、学校のことがなんとなく把握できるので、子供と共通の話題を見つけやすくなりました。そして、ほかの家庭のことがわかると、自分の教育が最善ではないことを知る。『ぼくのような不完全な親でも親として接してくれる子供は偉いもんだなあ』と、子供にも妻にも感謝できるようになりました」(杉江さん)


 PTAに深く取り組んだ人は、口々に「やってよかった」と言う。もし、あなたが「やりたくない」と思っていたり、そう言っている人がいるのなら、改革の時だ。


 先生の働き方、教育が変わると同時に、PTAも「現状維持」に縛られず、保護者も改革していかなければならない。


※女性セブン2019年8月15日号

NEWSポストセブン

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