気高くも愚かな人間を鋭く描いた歴史絵巻がついに完結!

8月8日(土)6時0分 婦人公論.jp


「リチャード二世」に出演する(左から)岡本健一、浦井健治、中嶋朋子

シリーズ常連組で描く、奪い奪われる人間ドラマ


鵜山仁演出の新国立劇場シェイクスピア歴史劇シリーズが、クライマックスを迎える。2009年の『ヘンリー六世』三部作から始まり、これまで『リチャード三世』『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』を上演。英国の内戦や権力闘争、フランスとの戦争などを軸に、現代にも通じる人間の営みの愚かさや気高さを鋭く描き、高い評価を受けてきた。

最終作となるのは『リチャード二世』で、時代的には14世紀後半と最も古い。リチャード二世が、従弟のボリングブルック、後のヘンリー四世に王位を奪われるという物語だ。結果的に王権はその息子のヘンリー五世、孫のヘンリー六世へと受け継がれ、謀略で流れをせき止めたのがリチャード三世となる。

リチャード二世の王宮では、反目する二人の貴族、ノーフォーク公モーブレーとヘンリー・ボリングブルックが互いの言い分を主張。リチャード王は決闘で決着せよと裁定する。ところが王は戦いの直前に自らの決定を翻し、二人を追放してしまう。やがてボリングブルックの父が死去し、リチャード王はその財産を没収。この暴挙に不満が噴出し、ボリングブルックは王のもとに兵を進める。追い詰められたリチャード王は譲位を宣言するが……。

出演には岡本健一、浦井健治、中嶋朋子が揃う。シリーズおなじみの常連組で、作品は違えど、同一だったりどこかでつながった役を演じてきた。たとえば浦井はヘンリー六世とその父のヘンリー五世を演じたし、中嶋は両作で妃など、浦井の相手役だった。岡本は王位を奪還するリチャード三世を演じたが、今作では奪われる側のリチャード二世に。浦井は今回ボリングブルック(ヘンリー四世)、つまりヘンリー五世の父を演じる。

さらにシリーズを通じて描かれてきた、権力闘争とは無縁の庶民の生き生きとした姿は、今回も見どころになるはず。彼らを演じるベテランたちの演技にも注目だ。

高貴な者もそうでない者も、争い、憎しみ、愛しあい、生きていく。そんな人間くさいドラマを期待したい。

リチャード二世
10月2〜25日/東京・新国立劇場 中劇場
作/ウィリアム・シェイクスピア
翻訳/小田島雄志演出/鵜山仁
出演/岡本健一、浦井健治、中嶋朋子、立川三貴、吉村直、木下浩之、田代隆秀、一柳みる、 大滝寛、浅野雅博、横田栄司、那須佐代子、小長谷勝彦、下総源太朗、原嘉孝、勝部演之ほか
☎03・5352・9999(新国立劇場ボックスオフィス)

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「ビリー・エリオット」



夢を追う少年の姿が胸を打つ


日本中を熱狂させたあのビリーの物語が帰ってくる。イギリスの労働者階級の子どもがバレエダンサーという夢を実現する姿は、観る者に元気をくれた。ヒット映画『リトル・ダンサー』をもとにミュージカル化された本作の日本初演は2017年で、約3年ぶりの再演となる。ビリー役は約1年にわたるオーディションで選抜された4人の少年たちだ。バレエだけでなく歌唱、演技面でも高度な能力が求められる役だけに、全員粒揃い。物語を支える大人たちにも実力派が揃う。

舞台は、不況にあえぐ1984年のイギリス。11歳のビリーが住む炭鉱町でも不穏な日々が続いていた。母を亡くし、炭鉱で働く父と兄、祖母と暮らすビリーはある日偶然、バレエと出会う。彼の才能を見抜いたバレエ教室の先生の勧めで名門ロイヤル・バレエ・スクールの受験を決意するが、父や兄は反対。しかし懸命に頑張るビリーの姿に、彼らの心もしだいに動いていく……。まっすぐ前を向くビリーの姿は、現代社会を覆う閉塞感を吹き飛ばしてくれるだろう。

ミュージカル
ビリー・エリオット 〜リトル・ダンサー〜
9月11日〜10月14日/東京・TBS赤坂ACTシアター
脚本・歌詞/リー・ホール
演出/スティーヴン・ダルドリー音楽/エルトン・ジョン
出演/川口調・利田太一・中村海琉・渡部出日寿(以上ビリー役)、益岡徹・橋本さとし、柚希礼音・安蘭けい、 根岸季衣・阿知波悟美、中河内雅貴・中井智彦、大貫勇輔・永野亮比己(以上Wキャスト)ほか
☎03・3490・4949(ホリプロチケットセンター) ※大阪公演あり

※上演期間は変更の可能性があります。最新の情報は、各問い合わせ先にご確認ください

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