「11月解散総選挙」で自民圧勝なら国民民主は吸収合併か

8月8日(木)7時0分 NEWSポストセブン

街頭演説する国民民主党の玉木雄一郎代表(写真/時事通信フォト)

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 11月解散、12月総選挙は自民党にとっては五輪前の最後の解散チャンスだ。「参院選で躍進した」と報じられた野党小政党の動きは今、皮肉にも自民党が衆院選で圧勝する要因となり得る。改憲議論を進めると言明した国民民主党と改憲反対の立憲民主党などとは明確な姿勢の差が浮き彫りになっており、いざ総選挙となれば独自候補を立てて潰し合う状況も考えられる。


 本誌・週刊ポスト独自のシミュレーションでも、勢いのあるれいわ新選組が一挙に10議席確保の可能性がある一方で、野党第一党の立憲民主は53議席前後にとどまり、離党者が相次ぐ野党第2党の国民民主はさらに減らして22議席前後、共産党は微増の13議席、選挙に強い議員が多い社会保障国民会議も5議席確保がやっとで、野党勢力はほぼ壊滅状態に陥る可能性が高い。野党では唯一、統一地方選と参院選で地元・大阪での圧倒的支持を見せつけた日本維新の会が近畿ブロックを中心に16議席前後に議席を伸ばしそうだ。


 対して、野党の共食いで“漁夫の利”を得るのが自民党だ。単独で衆院の3分の2を超える316議席前後を獲得する可能性が高い。総選挙で自民圧勝となれば国会での憲法改正発議が現実味を帯びる。


 国民民主は事実上、自民党に吸収合併されそうだ。


 自民が衆院で3分の2を得たとしても、参院の勢力を考えると自民、公明、維新の改憲勢力に国民民主を加えた「改憲大連立」が有力な選択肢になる。国民民主は現在参院で21議席だが、野党統一候補として当選した議員のうち少なくとも6人は国民系と見られており、それを加えると27人。維新やNHKから国民を守る党、無所属議員を合わせると改憲勢力は公明党抜きでも参院の3分の2を確保できる。


 そこまでお膳立てが整えば、安倍首相にとって憲法改正の「最後の障害」となっている9条改正に慎重な公明党が要らなくなる。


「こちらも公明党に対して、“どうしても改正案に賛成できないなら連立を出ていってもらっても結構”と強く踏み絵を迫ることができる」(自民幹部)


 公明党がどう転んでも、安倍首相は来年の通常国会で改憲大連立を組んで憲法改正を発議し、東京五輪・パラリンピック閉会後に国民投票を実施する「第2のシナリオ」が発動される。


 それを花道に安倍首相は「歴代最長の総理」と「憲法改正を為し遂げた総理」という2つのレガシーを残して退陣を迎えられるのだ。だが、宴の後の自民党は巨大な“抜け殻”だ。


「ポスト安倍で誰が総理になっても、次の政権は五輪後の景気後退、年金をはじめ社会保障の不安、高齢化の進展など安倍政権が手をつけなかった課題が深刻化し、アベノミクスの後始末を迫られる。もし、ポスト安倍政権で不景気や生活苦で国民の批判が高まれば、国会でどれだけ巨大な勢力を持っていようと安心はできない。小選挙区制では国民の支持が離れれば1回の選挙で政権がひっくり返る。小泉政権の後の自民党と同じ道を辿る危険があります」(政治評論家の有馬晴海氏)


 膨れあがった与党は脆い。かつて小泉純一郎首相は郵政解散(2005年)で約300議席という大勝利を得て郵政三事業の民営化を実現した後、“燃え尽き症候群”で退陣。


 後継の第1次安倍内閣は巨大与党を引き継ぎながら年金問題で批判を浴びてわずか1年で総辞職し、自民党は次の総選挙(2009年)で一挙に200議席近く減らして政権を失った。


「政治家は使い捨てにされる覚悟を持たなければならない」とは、その小泉氏の名言だが、安倍首相が11月解散で圧勝して憲法改正の道に進んだ後、残された巨大与党の議員たちは、“一将功なりて万骨枯る”の使い捨てにされる運命にあるのかもしれない。


※週刊ポスト2019年8月16・23日号

NEWSポストセブン

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